▼イルコモンズ編「夜に彷徨い歩く映画」(B&W 6分49秒 2009年 ★日本語字幕つき)※
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「もし映画狂いのゴダールがシチュアシオニスト映画をリミックスしたら」よりも24秒長い、
日本語字幕つきリミックス予告編。字幕なので訳はかなりの意訳、予告編なので本編にない音楽もついてる。ゴリゴリのシチュアシオニストがみたら怒り出しそうなバチあたりな反革命的編集。105分の映画を6分に短縮。転用の転用の習作。
「1972年から1977年まで滞在したイタリアを政治活動のために国外追放されたドゥボールが、50年代以降の自らの活動とその姿勢を省察する「自伝」的な作品。ラテン語の原題は、回文になっている。個人の生を忘却の闇に消し去ろうとする制度的な歴史に対して抵抗する、ドゥボールの声と直接に生きられた青春。これまでの作品と同様に多くの転用を用いているが、ヴェネツィアの運河をとらえたパン・ショットやセーヌ川の航空写真、李白、ヘラクレイトス、オマル・ハイヤームのテキストに顕著なように、「水」「流れ」「循環」といった主題が軸となり、映画として叙情的な側面を生み出している。」(「映画に(反)対して・パンフレット」より)
「ドゥボールの映画のなかで、僕がいちばん好きな映画なので、昔どこかのサイトからダウンロードしたイタリア語字幕版に、日本語字幕をつけ加え、この作品に例外的にみられるドゥボールの「叙情性」と「映画愛」を、よりきわだたせる批評的リミックス編集をしてみたものです。」(「イルコモンズ・アカデミー・パンフレット」より)