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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼あのとき、あなたはなにをしてたの?
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「沖縄を裏切るな!新宿ど真ん中デモ」
[日時] 2010年5月30日(日)13:00 街頭宣伝/14:00 デモ出発
[場所] 東京・JR新宿駅東口 アルタ前広場
 「またしても踏みにじられる沖縄。裏切られる沖縄。沖縄を裏切った鳩山政権。それを追及する自民党は、戦後ずっと沖縄を踏みにじってきた張本人。抑止力? アメリカの海兵隊に抑止力を期待するなら、なおさら沖縄に在る必要がない。「思いやり予算」の甘い汁を吸い続けたいアメリカ軍。亜熱帯のリゾート地で訓練したい軍人たち。それは中東で、そして世界のあちらこちらで、人殺しをするための訓練。安保体制とは、現実には、人殺しへの協力体制のこと。歪み続ける世界の中で、私たちは街に出て歩く。叫びながら、うめきながら、思い考えながら、それぞれのやり方で。「沖縄を踏みにじるな!」という声で、街を埋め尽くしたい。」

 このポスターに描かれた、かわいいジュゴンやヤンバルも、そして沖縄の海や森や環境も、もちろん大事だと思うが、なりそこねとはいえ、自分は「文化人類学者」なので、まずは、動物や自然よりも、ヒト=人間のことを考える。もし自分が沖縄の人間だったら...と考える。もし自分が沖縄の人間、特に、沖縄の子どもだったら、どう思うだろう。「ねぇ、どうして、ジュゴンやヤンバルで、私たちや僕たちじゃないの?」「沖縄の動物や自然も大事だけど、私たちや僕たちの人生は大事じゃないの?」とそんなふうに思うはずだ。相田みつをに云われなくたって、自分は人間であり、ヒトでしかないので、ジュゴンよりもヤンバルよりも、まずは自分の同類である、あの「怒・怒・怒・怒・怒」のプラカードをかかげたヒトたち、「基地はもういらない」と立ち上がり、座りこみを続けているヒトたちの、その行動や声にこめられた誰かへのよびかけに応えたいという思いで、デモに行く。ジュゴンとヤンバルにはわるいとは思うが、まずは人間とその暮らしや人生のことから考えはじめる。とはいえ、沖縄に住んでる人間ではないので、実のところ、基地反対が沖縄全体の総意なのかどうかわからないし、多数派なのか少数派なのかもわからない。しかし、わからないからといって、そこで考えるのをやめたり、何もしないでいるわけにもいかない。わからないけど、これは数字やバランスの問題ではなく、気持ちの問題であり、とにかく何かしないと気がおさまらないという、そういう支離滅裂で理屈にもなんにもならない、こんがらかった気持ちで、デモに行く。こういうのを「感情的な行動」だという人もいる。そのとおりだろう。実際、感情というのは始末に負えないもので、こんなに心がみだれてしまっては、大好物のゴーヤチャンプルだってちっともおいしく感じられない。せめてデモにでも行かないと気まずくて、これから先、ソーキそばが喉を通らない、泡盛も飲めない。タコライスもたべられない。学食のサーターアンダーギーに手がのびない。こんなにいろんなごちそうにあずかっているのに、なにもしないとバチがあたるというものだ。頭で考えることも大切だが、胃袋で考えることも大切だ。あるいはまた、基地に反対することを「イデオロギー的な行動」だという人もいる。こういう場合の「イデオロギー」という言葉はたいてい蔑称として使われる。そしてそれは固定観念やこり固まった思想に翻弄される人のことを指す。自分にそんな固まった思想があればさぞかしよいのに、と思いこそすれ、実際はメディアが流す情報や政治家がつくウソに翻弄されてばかりである。つまり、固まった考えがあるからではなく、逆にいつもふらふらして頼りない自分の考えを、ぎゅっと固めるために、デモに行く。「やっぱり基地はいらない」「抑止力なんてウソだ」という考えをしっかり固めるために、デモに行く。そして、同じような考えをもっているヒトたちと共に行動することでその考えが、より強く固まる。あるいはまた「政治がわかってない」という人もいる。だが、そこでいう政治とは、たとえば、「いま、ここで米兵が何か不祥事を起こしたら、ことを有利に進めることができるのに」とか、その手の話である。そういう計算するのが政治だとしたら、わからなくて結構。それよりも愚直に、デモの場で声をあげるほうがいい。そういう計算をネットに書きこんで得意になるより、自分のばかさをさらした方ががいい。ほかにあともうひとつ考えることがある。それは、自分が今度また沖縄に行ったとき、あるいは、沖縄の知り合いと会った時、「ところで、共同声明や政府案に辺野古の名前が記されたとき、あなたはどこでなにしてたの?」ときかれたら...ということである。自分を行動や表現にかきてたてるのはいつも、こうした想像の問いかけである。いや、強迫観念といってもいいかもしれない。いまここで何もしないでいたら、顔をあわせられない人たちがいる、もうしわけの立たない人たちがいる。こと沖縄の場合、想像ではなく、ほんとうにいる。だからデモに行く。義理や私情に流されていると云われても仕方ないが、ヒトにはジュゴンやヤンバルにはない人間の義理というものがあり、それがヒトを人間という存在にし、その交換とつながりが人間の社会をつくっているのだから、やはりそれを「裏切る」わけにはいかないのである。

 以下は、このところの沖縄からの便り。

 「内地あたりではいまだに「抑止力」幻想が根強いらしいが、「抑止」は「ユクシ」だというシャレ(ユクシ=嘘)のほうが、こちらでは定石の理解となりつつあるこのところの沖縄ですが、「エコ基地」とかいう、あらたなユクシにも警戒警報を。

「北部に国立公園など/辺野古移設で環境3策」『東京新聞』2010年5月26日。

 辺野古の基地用地を除外して「ジュゴン保護海域」だの、オスプレイ配備を前提に新設するヘリパッド建設で森を切り開きながら「やんばる国立公園」だの、ユクシが天こ盛り。このお手盛り記事、「国立公園となるやんばる地区は、国頭村(くにがみそん)など面積約三万ヘクタール。米軍の演習場があり、ほとんどが未開発になっている」と、おそらく政府筋の発言をそのまま鵜呑みにしたのだろうが、枯れ葉剤が使用されたり、ペイント弾やサイレント弾が捨てられたりする訓練場は、「未開発」なのではなく、使用状況が全く確認出来ないうえに日本政府の隠蔽体質も手伝って、未管理の状態なのだ。
 それだけではない。以前にも紹介した記事を思い出して欲しい。米軍は、クリーンつか、グリーンなイメージを偽装するためだけではなく、軍事活動を市民の視線から遠ざけるバッファーゾーンとしての環境保護区の確保に積極的だという事情を、北部訓練場にもかさねて想像してみる必要がある。さらに末尾にはご丁寧に「一方、国立公園区域にある演習場のうち約四千ヘクタールの返還が日米間で合意されているが、それに伴うヘリ離着陸基地の移設工事に住民が反対。このため、同返還区域の国立公園指定が難航する恐れもある」とある。知ってか知らずにか、マスコミが政府の広報宣伝屋として利用されてしまう典型的なパターンを踏襲してくれている。「反対派が邪魔するせいで環境保護が進まない」というユクシにも、充分に警戒しましょう。」(合意してないプロジェクトblog 「エコ基地、軍事施設に隣接する環境保護区」 2010年5月27日)

 一方、こちらは、いまはまだ「ユクシ」でも、やがて「事実」になるかもしれないニュース。
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▼「県内で憤死者多数」
 「沖縄県保健衛生部は23日、午後9時までに、沖縄県内で怒りにより体調不良を訴えた72人が、県内各地の病院に運び込まれたと発表した。そのうち、9名の憤死が確認され、意識不明者も40名ちかくにのぼるという。複数の証言によると、犠牲者はいずれも鳩山首相の辺野古移転発言をテレビや新聞の号外で見聞きしたあと、「ナニ!」と叫び意識を失ったという。意識不明者のうち、37名が依然、呼吸困難などの重体。患者19名が運ばれた国立那覇病院の伊刈保友(いかりもつとも)医師は、「今月に入ってから、同様の患者が急増している。このまま状況が変わらなければ、犠牲者のさらなる増加は避けられないだろう」と話した。(「琉虚新聞」2010年5月23日)」(無為的日子。ムイ、ナ日々。「沖縄に拒絶する権利がないとは言わせない」 2010年5月23日)

 そして、これは、もし事実なら、ますます黙ってはいられなくなるポリティカル・ミステリー。

▼「沖縄の基地は「畳めない」としたら、理由は一つしかない。韓国内の基地には「置けないもの」が沖縄には「置ける」ということである。「それ」が抑止力の本体であり、「それ」が沖縄にあるということを日本政府もアメリカ政府も公式には認めることができないものが沖縄にはあるということである。そのことを野党政治家は知らされていない。政府の一部と外務省の一部と自衛隊の一部だけがそのことを知っている。「それ」についての「密約」が存在するということはもう私たちはみんな知っている。私たちが知らされていないのは「密約」の範囲がどこまで及ぶかということだけである。だから論理的思考ができる人間なら、沖縄の海兵隊基地に「それ」が常備されている蓋然性は、そうでない場合よりもはるかに高いという推論ができるはずである。「それ」があるせいで北朝鮮は日本へのミサイル攻撃を自制している。中国は近海での軍事行動を「今程度」に抑制している。そういう説明を聞かされた総理大臣は「『それ』が沖縄になかった場合の東アジアの軍事的バランスについての確度の高いシミュレーション」を提示する以外に米軍に「出て行ってくれ」ということができないということに気がついた。それで「出て行ってくれないか」という言葉を呑み込んでしまったのだ。(中略) 抑止力というのは一種の心理ゲームである。「それ」があるかないか判然としないというときに、抑止力はいちばん効果的に働くのであると米軍のインテリジェンス担当者に聞かされて、首相は「不勉強でした・・・」と頭を下げたのである。じゃないかと思う。その場にいたわけじゃないから想像だけど。残念ながら、私の推理を裏書きしてくれる権威筋の人はたぶん日米中通じてひとりもいないはずである。そうしたくても、できないし。でも、私と同じように推論して、その上で何も言わずに黙っている人は日本国内に30万人くらいはいるはずである。」(内田樹「「それ」の抑止力」2010年5月23日)

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明日の東京の天気は雨のようだが、嵐でも台風でもないただの雨。
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by illcommonz | 2010-05-29 16:05
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