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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼[APEC] 沈黙のみなとみらい、民主主義の墓場、ディストピア横浜
▼[APEC] 沈黙のみなとみらい、民主主義の墓場、ディストピア横浜_d0017381_3433051.jpg
この国の外務大臣はどうやら、例の「尖閣ビデオ流出事件」が、相当アタマにキたらしく、APEC開催を前に、トンデモない法規措置を発令した。

「外務省告示 APEC期間中、みなとみらい一帯・周辺が「スピーカー禁止エリア」に」
「11月5日付で前原外務大臣は、みなとみらい一帯・周辺を「スピーカー禁止エリア」にする「国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律」を適用して指定した。」

【国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域の静穏の保持に関する法律】

(目的)
 第一条:この法律は、国会議事堂等周辺地域及び外国公館等周辺地域における拡声機の使用について必要な規制を行うことにより、これらの地域の静穏を保持し、もつて国会の審議権の確保と良好な国際関係の維持に資することを目的とする。


「期間中のデモなどでの拡声器の使用が規制されることになる。しかし一方で、この法律には、以下のような規定もある。」

 第八条:この法律の適用に当たつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意しなければならない。
 2 この法律の規定は、法令の規定に従つて行われる請願のための集団行進について何らの影響を及ぼすものではない。


「申請し、許可を得て、法を遵守して行うデモを規制するならば、それは国民の権利侵害にはならないのか。「法令の規定に従って行われる請願のための集団行進について何らの影響を及ぼすものではない」ならば、デモでの拡声器の使用規制は、認められるものではないだろう。本日開幕するAPECは、表現の自由や国民の権利まで問われるものとなった。」(NO!APEC-TV 2010年11月7日)

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▼[APEC] 沈黙のみなとみらい、民主主義の墓場、ディストピア横浜_d0017381_4232136.jpgこの「拡声器禁止令」は、「APECに物申すことは一切まかりならぬ」「民間人が国際関係に余計な口出しをするな、だまってろ」ということだろうか。拡声器なしの「アンプラグドなデモ」というのもなくはないが、拡声器を「使わない」のと「禁止される」のとでは話がまったく別で、この一方的な禁止の通達は、あきらかな「言論封殺」であり、民主主義の破壊だと思う。APEC会場に人びとの声を一切届かせたくないということだ。国民の基本的な権利よりも国際関係を優先させるということだ。こうした措置からも、いまさらながらAPECというものが、人びとの声には一切耳を貸さないハイパートップダウンの会議だということがよくわかる。同時に「勝手にものごとを決めるな」という抗議も腑に落ちる。

▼[APEC] 沈黙のみなとみらい、民主主義の墓場、ディストピア横浜_d0017381_428944.jpgところで、この通達にあるように、拡声器を禁止する理由が「地域の静穏を保持」するためなのだとすれば、禁止の対象となるのは、なにもトランジスタ・メガホンなどの「拡声器」だけとは限らない。たとえば、スポーツの応援などに使われるメガホン、ブブゼラ、カズー、ホイッスルなどもそれに該当するだろう。また、声を拡大するものではないが、音を増幅させるアンプ・スピーカーをはじめ、ドラム、管楽器、弦楽器、パーカッションなども「地域の静穏」を侵すものとみなされる可能性がある。この法の適用そのものが一方的なものなので、それに該当するもののの規定も一方的になされる可能性が高い。明確なガイドラインが示されてなく、「静穏」の規定もあいまいなので、事実上、音の出るもののほとんどが、禁止の対象とされかねない。下手をしたら、肉声すら規制の対象となり、大声を出すと舌をぬかれてしまうかもしれない。

ともかくも、デモを規制したくて仕方がない側にとっては、これほど都合のよい法律はなく、これさえあれば、ほとんどフリーハンドで拘束や逮捕ができる。よく日本のデモは「葬式行列のようだ」と云われるが、これではますます葬式行列のようなデモになりかねない。それもこれも、洞爺湖サミットのときのように「リトリート方式」をとらず、アクセスのよい首都圏の市街地に会場をもうけたりするから、こういう異常なことになるのだ。そもそもAPECを横浜に招致したのは前の横浜市長で、その市長は自分の政治活動のために任期途中で勝手に辞職したのだから、まったく無責任このうえない。APEC開催にともなう経済波及効果どころか、APEC期間中、営業休止を余儀なくされ、経済損失をこうむっている施設もあるという。

▼(参考)「APEC開催における経済損失」
http://blog.livedoor.jp/noapeckanagawa/archives/1281166.html
(いらない!APEC 神奈川の会 2010年11月2日)

それ以外にも、IDカードをもたされたりとか、職務質問を何度も受けたりとか、面倒な交通規制が敷かれたりとか、検問があったりと、まったくいいことなしで、APECに腹立たしい思いをしている神奈川県民や横浜市民の人たちも多いと思う。APECに対するデモでは、そうした地元の不満の声もあがるはずだが、今回の「拡声器禁止令」の前では、そうした声さえあげることができない。今回の拡声器禁止令は、治世者なら何度でも使ってみたいワイルドカードだと思う。

と、こんなふうに、くどくどと書いてきたのは、この禁止令のせいで予定をすっかり狂わせられたからである。、実は今回のAPECに対するデモのために、自作のあたらしい音響装置をこしらえていたのだが、それは下の写真のような、拡声器を改造したサウンド・システムなので、まさに今回の禁止令にもろに該当してしまうため、残念ながら、その使用を見送らざる得なくなったからである。

▼[APEC] 沈黙のみなとみらい、民主主義の墓場、ディストピア横浜_d0017381_3482068.jpg

もともとこれは、米国でデモの鎮圧用に使用された「LRAD=長距離音響装置」に対抗するものとして制作したものだった。



上の映像は、2009年9月のG20サミットの開催中、ピッツバーグでのデモを鎮圧するためにLRADがはじめて使用されたときの映像で、映像で聞いても、ものすごく耳障りな音である。よくねずみや害虫を駆除するのにこうした音響装置が使われるが、そのより強力なものを人間に対して向けているわけである(人間は害虫ではない)。こういうものをみると腹が立つので、やられたらやりかえす、そして毒には毒を、ということで、それとは「似て非なるもの」としてつくったのがこれである。まだ名前はない。

▼[APEC] 沈黙のみなとみらい、民主主義の墓場、ディストピア横浜_d0017381_3484585.jpg
▼[APEC] 沈黙のみなとみらい、民主主義の墓場、ディストピア横浜_d0017381_349135.jpg
当然、LRADのようなメガ・パワーはないが(LRADは人体に悪影響を及ぼす可能性があるとして、韓国では導入されはしたものの、実地には使用されてないことになった)、ドラム・ブロックの演奏にあわせて、「ビビビビビビビビビビ」とか「ガガガガガガガガガガガ」とか「ピコピコピコピコピコピコポン」とか「ビチビチビチビチビチビチビチ」とか「ワタシモ・ニンジャ・アナタモ・ニンジャ・メツブシナゲテ・ドロンドロン」とか、サイケデリックトランス系の電子音や、クリックハウス系のノイズや、さまざまなサンプリング音源が、二つの拡声器から流れるしかけになっている。いうなれば、DJカルチャーでいうところの「飛び道具」や「音のびっくり箱」のようなものである。もっとも「飛び道具」とはいっても、電源は単3のエネループ乾電池8個なので、音の届く範囲はせいぜい前方5mくらいで、しかも指向性の強い拡声器用スピーカーを使っているので、後方にはほとんど音が届かない。低音はほとんどでない。高音だけは出る。フルアップにすれば、ドラムの演奏にかき消されない程度の音はでる。LRADとの最大の違いは、デモを鎮圧するための装置ではなく、デモをもりあげるための装置だという点である...

...というか、いくらそんな説明をしてみても、現場で音が出せなければ、こんなものは、ジャンク・アートくらいにしか使いみちのない、ただのガラクタである。民主主義の破壊で腹が立つ上に、こういう装置があたまごなしに禁止されるのにも腹が立つ。でも腹を立てるだけでは何もはじまらないので、外務省配給「APEC開催記念グッズ」として、こういうものをつくってみた。

▼[APEC] 沈黙のみなとみらい、民主主義の墓場、ディストピア横浜_d0017381_3514041.jpg※クリックすると拡大します
▼外務省配給「APEC開催記念・言論封殺テープ&マスク・セット」

APECに対するデモでは、このマスクをつけ、ディストピアのようなみなとみらいの街を歩くか、あるいは「戒厳令シティ・ウォーク」でもしようかと思っているが、もしかしたら、参加自体をボイコットしようかとも考えている。

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[追記]
イルコモンズ作「追悼・民主主義」
▼[APEC] 沈黙のみなとみらい、民主主義の墓場、ディストピア横浜_d0017381_0155365.jpg


(参考)▼「韓国警察がデモ鎮圧に「音響大砲」を導入?国内で猛反発」
「韓国警察庁は28日、反テロなどに使われている指向性音響装置をデモの鎮圧装備に追加する予定だと明らかにした。これについて、韓国内では安全性を確保できないとして厳しい反発が巻き起こっている。韓国メディアによると、別名『音響大砲』という音響装置は人が耐えがたい152dbまでの高音を一定範囲の領域に出すことができる先端装置で、この音量はジェット機が離陸する時の騒音よりも大きい。指向性音響装置音量が160DBになると鼓膜が破裂するレベルだという。この装置は2005年11月にソマリア海域で、クルーズ船を拉致しようとした海賊の撃退に使用されたことがある。韓国の市民団体などでは、09年に米国で開かれたG20首脳会議で警察がデモ鎮圧のために音響大砲を使った際、デモに参加した人が鼓膜に損傷をうけたことを挙げ、安全性に問題があると訴えた。 また、韓国の与党と野党からも安全性が十分に検証されてない音響大砲の導入は危険すぎると、反発の声が続出。民主党政策委員会の議長を務めるチョン・ビョンホン議員は「警察が国民に銃と大砲を突きつけようとしている」と厳しく批判、政府に庶民と意思疎通をして公正な社会を作る姿勢が見られないと声を荒げた。このような反発について、警察の関係者は「安先生を確保するために、110~120DBの基準範囲内で使用する」と明かした。インターネット上では「デモ隊は海賊ということか」、「これからデモを行う前に耳栓は必須」、「デモの時に警察が興奮状態になると安全基準を守れると断言できるのか」などと、非難するコメントが多数みられた。」(「サーチナ」2010年9月30日)

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【おことわり】 このエントリーは現在進行形の「戦術上の都合」※により、2010年11月13日午前零時まで「非公開」とします(※ある任意の状況に対し、あえて無関心をよそおい、何もアクションを示さないことや、故意に無視したり、コメントしたりしないことによって、当の状況に対する抗議や批判を行う対抗戦術のことを「不作為のカウンターアクション」と呼ぶ。別名「積極的に何もしないことで行う反撃」)[参考]「この茶番劇に参加しないことが、私たちの力を最大限に示すことのできるアクションではないのか?」(スターホーク)
by illcommonz | 2010-11-11 04:14
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