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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼「ここしかない一点に石を置く」
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SO+ZO展「未来をひらく造形の過去と現在1960s→」
[会期] 2010年11月13日(土)-28日(日)
[会場] 東京・渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアム
 「SO+ZO(桑沢+造形)展」とは、桑沢学園の創設者・桑澤洋子(1910-1977)の生誕100年を契機として展開する「SO+ZO MOVEMENT」の中心事業となる展覧会である。人間主義を基本において、新しい人間と社会のありかたを提案する造形教育を半世紀にわたって行ってきた、桑沢デザイン研究所と東京造形大学の、それぞれが輩出した多彩な才能群に焦点をあて、それが如何に時代を牽引してきたかを検証しながら、60年代以降の、デザインと社会の関わり、アートの様相を辿り、未来への可能性を問う試みである。展示構成は60 年代~2000 年代にいたる10 年単位のゾーニングを図りながら、時代の流れに沿ったデザインの様相を見る構成となっている。したがって、デザイナーや分野別の展示ではなく、「デザインの時代」を総覧するため、作家によっては複数の年代にまたがった複数点の展示構成になる場合もある。浅葉克己、内田繁、長友啓典、倉俣史朗、沖健次、梅田正徳、舟越桂、高梨豊、植田いつ子、諏訪敦彦、吉岡徳仁らを筆頭に時代を創りあげて来た桑沢イズムの成果を一堂に展観し、来るべき未来を創造します。」

 「トランスフォーメーション展」の招待券のおかえしに、「SO+ZO展」の招待券をいただいたので、渋谷までみにでかけた。もうAPECは終わったというのに、センター街周辺にはまだ、マスクで顔を隠したぁゃしぃ「職質警官」たちがいた。「1匹みたら50匹いると思え」というあの虫みたいにうようよいる。そのしつこい職質をホイホイとかわしながら、展示会場にたどりつく。いまでこそポスターやチラシのデザインで生活費をかせいではいるが、もともと文化人類学者になろう、と思っていたので、実は美術やデザインの教育というのを一度も受けたことがない。大学、専門学校、通信教育とはまった無縁で、なんの資格もキャリアも技能もないまま、無免許運転でデザインをしている。そんな自分にどうにかこうにかデザインができるのは、「SO+ZO展」で展示されている浅葉克己や奥村靫正などの80年代の仕事/作品をリアルタイムでたくさんみてきたからかもしれない。特にレコードのジャケットワークや演劇のポスターから多くを学んだ気がする。それらが自分にとってのデザインの学校であり、見よう見まねでやってるデザインのお手本となっている。なので、戸田ツトムがデザインした天井桟敷の「観客席」のポスターや、奥村靫正がデザインした細野晴臣「S-F-X-」のポスターに目が釘付けになった。

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▲戸田ツトム「天井桟敷「観客席」ポスター」

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▲奥村靫正「細野晴臣「S-F-X-」ジャケット」

 どちらも雑誌などではみてきたものだが、実物をみるのははじめてだ。展示された実物をみると、たしかに反転した「観客席」のポスターは「連貼り」の方がより劇的にみえた。また「特殊インク」で印刷された「S-F-X-」のポスターの質感もよかった。ほかに、オノデラユキの「古着のポートレート」が思ってた以上に判型が大きかったが、その大きさがこどもの古着のほころびやくたびれを見事に表現しているように思った。

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▲オノデラユキ「古着のポートレート」

 自分は、おもに政治的な理由で、大企業や大手レコード会社の宣伝の仕事をすることは、これから先もないだろうが、それでもいろいろ勉強になった。「大資本の宣伝だから」とか、「商業デザインだから」といって、それをみようとしなければ、なにも学べないし、盗めない。自分が「見よう見まね」でやってるから、そう思うのかもしれないが、デザインやアートを教える/学ぶことにはたぶん限界があって、最後にものをいうカンやワザやコツは、見て・まねて・盗むものだと思う。そう思うので、不倶戴天の敵だと思っているナイキ社やスターバックス社、ウォールマート社の宣伝広告は、無視するのではなく、「じっと見る」ように心がけている。そこから盗みとれるものはないだろうかという盗人の目でみている。敵の武器をこちらの武器につくりかえようとするゲリラの目でみている。あきらかに不審な行動だが、こればっかりは、どんなに職質警官がうようよいても、とりしまることはできないだろう。最後に、ウルトラグラフィックスの近藤ちはるがデザインしたフジモト・ヒデト「life展」のポスターの前で足がとまった。いまの時代の空気を見事に描き出したそのデザインワークもさることながら、作品に添えられた次のことばに目がとまった。

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▲近藤ちはる「フジモト・ヒデト「life展」ポスター」
 「時代性とは、未来と過去の逆ベクトルを志向しながら、
 "ここしかない一点"に石を置くようなものではないだろうか」(近藤ちはる)

 「流行」の「順ベクトル」だけを志向し、たちまち忘れ去られ消費されてゆく大量のデザインのなかで、10年後や20年後の先まで残ってゆくのは、「やがて未来になりつつある現在」としての「ここしかない一点」にひとつづつ石を置いてゆく仕事だと思う。それはデザインだけでなく、音楽も映画も文学も演劇も服飾もすべてそうだと思う。そんなことを思いながら、渋谷の会場を後にし、次は飴屋法水から招待された「不動産をめぐる演劇」を見に、西巣鴨に向かった。
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by illcommonz | 2010-12-02 16:16
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