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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼クラリネットなおしちゃった


 ぼくの大すきなクラリネット
 パパからもらったクラリネット
 とっても大事にしてたのに
 こわれて出ない音がある
 どうしよう どうしよう
 パキャマラド パキャマラド 
 パオパオ パンパンパン
 パキャマラド パキャマラド 
 パオパオパ

 ドとレとミの音が出ない
 ドとレとミの音が出ない
 とっても大事にしてたのに
 こわれて出ない音がある
 どうしよう どうしよう

 「クラリネットをこわしちゃった J'ai perdu le do de ma clarinette」 
 (作詞・作曲 不詳/訳詩 石井好子)

▼クラリネットなおしちゃった_d0017381_5463559.jpg
 ご覧のとおり、クラリネットがこわれてしまった。上管の右側にあるトリル・キーが見事に折れてしまった。このキーは「トリル演奏(バロック音楽などで使われる装飾音)」のためのキーで、めったに使わないキーなのだが、このキーが折れると、本体に穴があいてしまい、ドとレとミの音どころか、ドとレとミとファとソとラとシとドの音が出ない。つまり、どの音も出ない。まさに「どうしよう、どうしよう、パキャマラド・パキャマラド・パオパオパ」状態である(応急処置として、音孔をテープでふさげば、とりあえず演奏はできる)。通常、この手の修理は、本職のリペアマンに依頼するのが世間一般の常識とされ(たぶんロウづけとバランス調整で1万円近くかかると思う)、まちがっても素人が手を出してはならないとされる禁断の領域なのだが、今から4年前のブログに書いたように、かつて自分はこのタブーを破ったことがある。

▼イルコモンズ「素人の交換」(2008年)
http://illcomm.exblog.jp/8827777/

 しかも今回は、このクラリネットそのものを、本職のリペアマンにみせられないという理由もある。素人がヘタに修理した楽器は、「たとえ見た目はまともでも、楽器の形をしたおもちゃ」だといわれるが、実はこのクラリネット、「見た目」がすでに「まとも」ではない。こわれたのは、写真の右側にある改造クラリネットなのである。ご覧のとおり、通常のクラリネットの半分の長さしかない(キーも半分しかない)ハーフ・クラリネットである。たぶん見せたら、怒られると思うし、修理もしてくれないと思う。

▼クラリネットなおしちゃった_d0017381_611446.jpg
 これは、以前、シカラムータの大熊さんが持っているのを見て、見よう見まねで自作した改造クラリネットである(使ったのは、ヤフオクで1,000円くらいで買ったワタナベ楽器のクラリネット)。まさしく「楽器の形をしたおもちゃ」なのだが、音は出る。うそだと思うなら、この映像をみてほしい。



 アドルフ・シュライナーが作曲した「インマー・クライナー」という曲では、クラリネット奏者が演奏中にクラリネットを次々に分解してゆき、ベルなし、下菅なし、上管なし、バレルなしで、ちゃんと演奏をしてみせるのである。ハーフ・クラリネットは、下菅こそないが、ベルと上管とバレルはついているので、トリル・キーを駆使すると2オクターブくらいの音は出せる(ただし音程はすこぶるわるい)。とはいえ、これをリペアマンにみせるのは、やはり気がひけるので、自分で修理することにした(他人にはあまりおすすめできないので、詳しい説明ははぶく。主にやったのはロウづけと研磨)。

▼クラリネットなおしちゃった_d0017381_55592.jpg

▼クラリネットなおしちゃった_d0017381_5561732.jpg
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▼クラリネットなおしちゃった_d0017381_558331.jpg
 ロウ付けで厚みが増した分、トリルキーと交差する別のキーをかなり削ることになったが、なんとかできた。もともと「楽器のかたちをしたおもちゃ」なので、これで十分である。それはさておき、このハーフ・クラリネットとは別に、もう一台のクラリネットも調子がわるい。「国立ポルカ」の練習のときに気づいたのだが、下菅のどこかが息漏れしているようで、低いミとファと、シとドの音が出にくい。たぶんキーとバネの調整が必要で、これは自分の手には負えないので、大久保の高橋管楽器に持っていって、修理してもらおうと思っている。これは大学生のときに中古で買ったもので、30年近く愛用している愛着のある大事なものなので、本職のリペアマンにたのみたいと思っている。

(おまけ)
▼クラリネットなおしちゃった_d0017381_6154648.jpg
▼自作の「パイプ・トランペット」(ピストンなし)

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[追記1] 高橋管楽器でみてもらったところ、音がでにくいのは、上管のタンポが痛んでるせいだとわかった。なにしろ30年以上前のもので、これまで破れたタンポを取り替えたことはあるが、全部取り替えたことはないので、タンポの経年劣化がはなはだしい。フィッシュスキンの表面がかさぶたの皮みたいにパリパリになっていて、裂け目ができて破れかけているタンポもある。オーバーホールとタンポの全交換をすすめられた。費用は4万円。そうしたい気持ちはやまやまだが、お金がない。オーバーホールしてタンポを替えれば、みちがえるように、いい音が鳴りだすのは分かっているのだが、お金がないので、今日のところは持ち帰ることにした。たしかに音はでにくいが、でないわけではないので、しばらく、このままがまんすることにした。確定申告の還付金がでたら、それを修理にあてたい。

[追記2] さしあたり、オーバーホールとタンポの全交換は無理だが、ジョイント・コルクの交換と破れたタンポの交換だけはDIYでやろうと思う。海外にはこういうキットがある。

▼クラリネットなおしちゃった_d0017381_4355715.jpg
 この熱で溶解するセメントは、シュラックなしでタンポが貼れるというすぐれもの。
by illcommonz | 2012-02-29 06:27
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