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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼イッセー尾形 feat. ソクーロフの世にも「可笑しい」映画
d0017381_2256307.jpg映画「日本心中」を撮った大浦さんは、世に云う
「大浦・天皇コラージュ事件」で知られる美術家で、
その大浦さんと映画が終わった後、ロビーで
思わず話がもりあがったのがソクーロフの映画
「太陽」。イルコモンズは大絶賛。大浦さんも、
「いろいろ複雑な思いはあるけど」と前置きし
つつも「映画としてはよくできてる」とおおむね
肯定的。確かに大浦さんとしては「複雑な思い」
があると思うので、大浦さんの感想を書くのは
控えますが、イルコモンズは「いい映画だ」と
断言します。もしよくないところがあるとしたら、
それは、このDVDのパッケージで、これは
明らかにミスリーディングなデザインだと思い
ます。たしかに映画の前半はソクーロフらしい
独特のフィルターのかかった耽美な映像ですが、
イッセー尾形が「あっ、そう」という科白を口に
しはじめたあたりから、だんだんこの映画は、

ソクーロフの映画ではなく「イッセイ尾形 feat.ソクーロフの天皇コント」になってゆき、
この映画の最大のみどころである「可笑しさ」が次第にこみあげてきて、ある瞬間に、
それが「パパン!」とはじけます。それがどこかは云いませんが、もし観たのが映画館
じゃなかったら、確実に大笑いしてました。もう一度いいますが、この映画の最大の
みどころは「可笑しさ」つまり「笑うことが可能で」、実際に大いに「笑える」という点で、
天皇を主人公にしたセミドキュメントの映画で「笑える」というのは凄いことだと思います。
これまでずっとタブーとされてきたものをはじめて主題にした映画でまさかこれほどの
達成があるとは思ってもみませんでした。しかもその笑いは、天皇を虚仮にするもので
はなく、かといって美化するのでもなく、そのどちらでもないスレスレの笑い。ほんの
少しでもその加減を間違うと、たちまちバランスをこわし、この映画を批判し攻撃しよう
と待ち構えている者たちに、つけいるスキを与えてしまいかねないような、そういう
あやうさを巧みにすりぬけながら繰り出されてくる絶妙の間合いをもった笑いです。
結果としてその笑いが、この映画を右側からも左側からも批判しにくく、また史実や
実像とは違うなどと指摘すること自体、野暮だと思わせてしまうようなメタ政治的で
メタドキュメンタルな作品にしているように感じました。ともかくイッセー尾形の演じる
コント(=小劇)がうまい、うますぎる。そのうますぎる上等のコントに、ソクーロフの
耽美な映像と繊細な音楽がついてくるのだから、こんな贅沢なコントは他にないと
思いました。後はこの映画をみる側が、イッセー尾形演じるペーソスあふれる天皇と
実在の天皇とを同一視するというマチガイさえしなければ、完璧な映画だと思います。
映画中盤のファンタジックなシークエンスの挿入やラストの弛緩したコントもそれぞれ
よく計算されたもので、リアリティとテンションのつくり方とこわし方は共に見事でした。
また、これまで「日本の一番長い日」なんかでドラマチックに描かれてきた終戦の日の
出来事がポンとぬけていたりとか、そのへんの脱神話化もうまいなと思いました。
トリン・ミンハがステレオタイプを脱構築する実験映画についての評論のなかで
「大胆な省略と精密な描写」ということを書いてますが、そうした点でもこの作品は、
天皇を主題にしたアヴァンギャルドな実験映画になってると思いました。いずれ、
字幕つきのDVDがリリースされたら、今度は家で大笑いしながら、もう一度みたいと
思うほど、よくできた、いい映画でした。
[PR]
by illcommonz | 2006-10-03 00:17
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