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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼ヤ・バスタ、自民党政権
▼ヤ・バスタ、自民党政権_d0017381_160572.jpg「また選挙がやってくるが、ぼくは、もう、どれかの政党の、だれかに投票することはしない。投票する、ということは、ぼくのもっている、ごくわずかの権利のうちの一つである。だから、だれかに投票はしないが、棄権するつもりはない。投票日になったら、その日が晴れていても、どしゃぶりであっても、ぼくは投票所へ出かけてゆく。投票所にいって、投票用紙をもらうと […] 候補者の名前を書くワクの中に、まず斜めの線をぐいと一本引く。つぎに、それと交わるように、もう一本斜めの線を引く。× つまりバッテンをつける。なんだ、つまらない。いい年をして、まるでこどもみたいなことをする。それがいったいなんの役に立つのか、ただ無効投票を一票ふやすだけ、それだけのことではないか、ともおもう。しかし、ぼくがやろうとしているのは、投票ストライキである。ぼくには、投票をストライキする権利、スト権があるはずである。ストライキをしたという気持ちをはっきりあらわすために、大きく堂々と×を書いてくるのである。[…] このストライキは、ぼくひとりでやるストライキである。そんなことしても、なんの効果があるものか、じぶんだけの、したり顔のおもい上りにすぎない、といわれても、ぼくは、じぶんひとりでやる。
花森安治「ぼくは、もう、投票しない」(抄録)

花森安治やデイヴィッド・グレーバーたちと同じく、イルコモンズも直截民主主義者で、選挙で代表を選んで社会のことをやらせる、という議会制民主主義の政体にもともと信任を置いてないので、ほんとは「ストライキ権」を行使して、バッテン票を投じたいところだが、いまそれをやると、現政権の思うつぼで、敵を利することになるような気がしてならない。というか、いまの政権は放置しておくと、いくらでも暴走する危険があるし、また暴走する気満々のようだ。教育基本法改訂や憲法改正など、これまでやりたくてもなかなかできなかったことを「このどさくさにまぎれて、いまのうちにやってしまえ、後のことなんか知ったこっちゃない」という姿勢と思惑がモロ見えで、この理念も理想も恥も外聞も民意もなにもない火事場ドロボウたちの政治は、ものすごく不愉快だ。それに、このところの閣僚の暴言、呆言、失言には、人を怒らせると同時に呆れさせ、無気力化させる効果があり、それは政治へのまっとうな関心や批判意識を萎えさせるデ・ポリティカル・マインドコントロールなのかもしれないと思うと、「それにのってたまるか」という気がするので、いまのこの「うじゃじゃけた気分」に抗して、現政権を追いはらうための紙の実弾を投げ込みたいと思っている。誰かを選ぶための投票ではなく、「ヤ・バスタ!」というメッセージを発するための投票である。「ヤ・バスタ」とは「もう、たくさんだ」という意味で、サパティスタが当時の政権に対してあげた反抗の声だ。アルゼンチンの人びとが独裁政権を倒したときにあげた「現政権はひとり残らずみんな出てゆけ」という気持ちを、はっきりあらわすために、そうする。そんなことしても、なんの効果があるものか、じぶんだけの、したり顔のおもい上りにすぎない、といわれても、ぼくは、じぶんひとりだけでもやる、と思う。投票日は29日である。

[追記] このブログや雑誌原稿やイルコモンズ・アカデミーでこれまで何べんも引用し、
紹介してきた文章だけど、これがイルコモンズの原点なので、何度だって引用する。
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 役人が そんなこといったってダメだといったとき 

 お前の月給は 誰が払っているのだ

 といえばよかったのだ

 それを 心の中のチョンマゲ野郎が

 目くばせして とめたのだ

 あれは 戦車じゃない 特車じゃ 

 と葉巻をくわえた総理大臣が

 いったとき ほんとは あのとき

 家来の分際で 主人をバカにするな 

 といえばよかったのだ

 ほんとは 言いたかったそれを 

 チョンマゲ野郎が よせよせと

 とめたのだ

 こんどこそは このチョンマゲ野郎を

 のさばらせるわけにはいかないのだ

 こんどこそ ぼくら どうしても

 言いたいことを はっきり言うのだ

 戦前も はるか明治のはじめから 

 戦後のいまも 必要以上に 

 横車を押してでも 

 権利を主張しつづけ その反面 

 なすべき義務を怠りっぱなしで来たのは

 大企業と 歴代の政府ではないのか

 さて ぼくらは もう一度

 倉庫や 物置きや 机の引出しの隅から

 おしまげられたり ねじれたりして

 錆びついている〈民主々義〉を

 探しだしてきて 錆びをおとし 

 部品を集め しっかり 組みたてる

 民主々義の〈民〉は 庶民の民だ

 ぼくらの暮しを 

 なによりも第一にするということだ

 ぼくらの暮しと 

 企業の利益とが ぶつかったら 

 企業を倒す ということだ

 ぼくらの暮しと 

 政府の考え方が ぶつかったら 

 政府を倒す ということだ

 それが ほんとうの〈民主々義〉だ

 政府が 本当であろうとなかろうと

 今度また ぼくらが 

 うじゃじゃけて 見ているだけだったら

 今度はもう おしまいだ

 今度は どんなことがあっても

 ぼくらは言う

 困まることを はっきり言う

 人間が 集まって暮すための 

 ぎりぎりの限界というものがある

 ぼくらは 最近それを越えてしまった

 それは テレビができた頃からか

 新幹線が できた頃からか

 電車をやめて 歩道橋をつけた頃からか

 とにかく 限界をこえてしまった

 ひとまず その限界まで戻ろう

 戻らなければ 人間全体が おしまいだ

 企業よ そんなにゼニをもうけて

 どうしようというのだ

 なんのために 生きているのだ

 今度こそ ぼくらは言う

 困まることを 困まる

 とはっきり言う

 ぽくらは ぼくらの旗を立てる

 ぼくらの旗は 借りてきた旗ではない

 ぼくらの旗のいろは

 赤ではない 黒ではない もちろん

 白ではない 黄でも緑でも青でもない

 ぼくらの旗は こじき旗だ

 ぼろ布端布をつなぎ合せた 暮しの旗だ

 ぼくらは 家ごとに その旗を 物干し

 台や屋根に立てる

 見よ

 世界ではじめての ぼくら庶民の旗だ

 ぼくら こんどは後へひかない

▼ヤ・バスタ、自民党政権_d0017381_17154123.gif
花森安治「見よぼくら一銭五厘の旗」(抄録)
by illcommonz | 2007-07-20 17:17
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