よくカン違いされるので、ついでに、これも書いておこう。いろいろ主義主張はあるけれども、実はこれまで一度も「社会主義者」や「共産主義者」であったことがないし、これから先もないと思う。イルコモンズの趣味は、それとは似て非なるものであり、あえてそれに名前をつけるなら「みんな主義」であり、しかもそれは、おどろくほど幼稚なものである。たとえばそれは、昔話や童話のなかによくでてくる、「それをきいて、みんなよろこびました」とか、「それをみて、みんな笑いました」とか、「それをたべて、みんなおなかがいっぱりになりました」とか、「そうやってみんなしあわせに暮らしました」とか、そんなふうに「みんな」がともにあることが、どうやら好きなようである。理由はよくわからないが、まぁ、そうなのだから仕方がない。特に好きなのは、ひとりがみんなのために、そして、みんながそのひとりのために何かするのをみたりきいたりすることで、それが実話であれ物語であれ何であれ、そういう場面や光景をみるのが好きなだけなのである。