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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼サニボナーニ、ウブントゥ、シャボンガ、ウブントゥ
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いろんなたくさんのLinuxOSがあるなかで(一説によれば、すでに3000くらいあるらしい)、
特に「ウブントゥ」を選ぶのには理由がある。たしかにVLCやFirefoxがすぐ使えたり、
Skype ができたりするのは便利だが、便利さは二の次である。いちばん大きな理由は、
「ウブントゥ」という名前とそのコンセプトにある。それは「オープン・ソース」が持つ美徳を
見事に表現した、かけがえのないものだと思う。「ウブントゥ」とはなにか?

「ウブントゥ」のオリジネーター、マーク・シャトルワースによればこうである。

「ubuntuは、南アフリカのズールー語やコーサ語で、「他者への思いやり」、あるいは、「みんなががあってこその私」ということを意味することばで、これはアフリカの倫理観を表すものです。たとえば、南アフリカの人権活動家デヅモンド・ツツは、ubuntuをこのように説明しています。

 「ubuntu を持つ者は、寛容な心をもって他者に貢献し、他者を擁護し、他者がどんなに才徳兼備であっても、脅れを感じたりしない。なぜなら、その人物は、自分がもっと大きな統一体の一員だという認識からくる自信を持ってるからで、他者が恥ずかしい思いをしたり、貶められたりしたとき、あるいはまた、他者が痛めつけられ、迫害されるときには、自分もまた傷つくのだ」。

Linux ディストリビューション(略称ディストロ)である「ubuntu」は、この「ubuntu」の精神をソフトウェアの世界とその生態系に届けようとするものです」。


そのデヅモンド・ツツの別の説明によれば、こうである。

「南アフリカにウブントゥという単語があります。これは、「人は人のために生き、孤立しては生きていけない、配慮し、助け合って生きる」という人間観を表したものです。この単語を英語に訳すのは難しいのですが、こうした考えを理解してはじめて、「共に生きる」ことができるのです。どうか目を覚ましてください。私たちは、人類という家族の一員なのです。思いやりに満ちた世界の実現を手伝ってください」(南アフリカ共和国 元・大司教デズモンド・ツツの講演より)

さらにツツはこうも書いてる。

「ウブントゥとは、西欧のことばには翻訳しにくいことばですが、その意味は「寛大、親切、友好的、思いやりがある、情け深い」といったもので、それは誰でも持っているものです」(デズモンド・ツツ著「No Future Without Forgiveness」より)

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デズモンド・ツツ(右)と
ダライ・ラマ(左)。

そう、「ウブントゥ」は、ズールー族だけでなく、本来、誰でも持っているものだ。なのに、ウインドーズにはそれがプログラムされていない。「だいたい、「窓」って、なんなんだ?」 まったくなんの精神性も人間性も詩もセンスも感じられないくだらないネーミングである。おそらく二〇世紀の不幸な出来事のひとつは、ビル・ゲーツのような思想もヴィジョンもなにもない中途半端な秀才が、パソコン用のOSを開発し、商品としてマーケットに売り渡してしまったことだと思う。もともとOSは、誰でもただで使えて、自由にシェアできる人類共有のコモンズ(共有物)になり得る可能性を持っていたのに、その可能性をつぶしたのがビル・ゲーツだと思う。この功罪は大きい。それがつぶしたのは、それだけではない。それがつぶしたのは、オープンでフリーな文化と、それをシェアするコミュニティの生態系である。その罪はものすごく重い。どうせコンピュータを使うんだったら、「ウブントゥ」のようなものがプログラムされているものを使いたい。コンピュータはマシンだが、そこに宿るのはウイルスやバグだけではなく、人間のマインドやスピリットが宿ることだってある。それを教えてくれるのが「ウブントゥ」だと思う。今週、公開された新しいヴァージョンではいろいろ不具合も見つかっているようだが、「ウブントゥ」ならそういう不具合も我慢できるし、「寛容」にだってなれる(「ウブントゥ」のコミュニティではすでにその不具合に対処する方法や情報の交換がはじまっている)。ともあれ、まずは新しくなった「ウブントゥ」に対して、「サニボナーニ、ウブントゥ、シャボンガ、ウブントゥ」と云いたい。

*Sanibonani =ズールー語で「こんにちは」(複数に対して)の意味
*Siyabonga =ズールー語で「ありがとう」(複数から)の意味

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[追記1] ウィトゲンシュタイン曰く「言葉の意味はその用法にある」。たしかに辞書的な意味や翻訳ではピンとこないので、実例を調べてみた。「ウブントゥ」は、こういうふうに使われる言葉らしい。

「英語では humanness/ personhood、日本語ではおおよそ人間性(思いやり、共感)と訳されるウブントゥは、「人は皆を通して皆のために人となる」のように用いられ、いくぶん冗談めかして「われ思うゆえにわれありではない」と付け加えられる言葉である。委員長ツツはこの語をしばしば用い、証言者の側からもウブントゥに言及するケースが見られた。ケープ郊外のググレトゥで開かれた公聴会では、息子を警察に殺された母親ノンブヨ・ンゲウは、和解とは加害者の人間性を回復することと考えていると言い、「ひとつの悪を別の悪で置きかえたくない」とした。彼女を含めた、事件によって息子を殺害された母親たちもその後「ウブントゥを希望」し、殺害者である警察官をコミュニティに再び受け入れるつもりであることを認めた。
(阿部利洋「移行期社会と宗教の変容―南アフリカにおける和解の模索」より)

[追記2] 世界は、ウインドーズのやり方にもういいかげん、うんざりしてるということ。

▼欧州第一審裁、MSの申し立てを棄却--独禁法違反問題
欧州第一審裁判所は現地時間9月17日、欧州委員会(EC)が提議していた独占禁止法違反に関する問題において、3つの主要な部分に対するMicrosoftの申し立てを棄却した。これにより、同社は大きな敗北を喫することとなった。2004年3月に始まった注目の同問題に対し、ルクセンブルグを拠点とする同裁判所は、Microsoftが市場における自社の独占的な地位を濫用しているというECの主張を認めた。判決の主旨は以下のとおりである。相互運用性について。同裁判所は、Microsoftは技術的仕様の一部であるプロトコルを競合他社に開示しないことにより、競争を阻止しているという ECの主張を認めた。また同裁判所は、Microsoftにソースコードではなくシステムプロトコルのみを公開してほしいというECの要請も認めた。結局のところ、誰もがMicrosoft「のよう」になりたいわけではないのだ。
http://japan.cnet.com/news/biz/story/0,2000056020,20356556,00.htm

[追記3] かたや、ubuntu の公式サイトに申し込むと、もれなく全員に、無償で
送って/贈ってくれる ubuntu のインストールCDR (用途に応じて kubuntu、
edubuntu、xubuntu のCDRも頼めます)。これは郵送費も無料のうえに、
ubuntu のロゴいりステッカーのおまけまでついてきます。

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[PR]
by illcommonz | 2007-10-21 00:20
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