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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼ドラムサークルのたのしみ
▼ドラムサークルのたのしみ_d0017381_623995.gif世田谷美術館でのドラムサークルにいってきた。土曜日の砧公園は家族づれが多い。生まれてはじめてみるドラムサークルに、おじけるこどももいるが、おどりだすこどももいる。こどもは飲み込みがはやい。日ごろから、みようみまねで生きてるので、リズムをとったり、リズムにあわせるのは、お手のものである。自分のまわりの音をよくききわけ、それにすぐ同化する。たたき方やにぎり方がどうのこうのと考えないから、とにかく手がよく動く。まったくのフリースタイルだから、見た目はでたらめに叩いてるようにみえるが、よくきくと、ベースラインにあわせて、誰にもまねできないような、みごとなビートをきざんでいたりする。たとえていうなら、ポップ・グループとかイクエ・モリみたいな感じである。「こどもたちの生は、小さいながらも、それぞれ独自の弧を描いており、そのラインは、どれもみなパーフェクトだ」と、ラリー・クラークがどこかでそう書いてたのを思い出す。かたや、おとなたちも、いつのまにか、子どものような顔つきになって、夢中になってる。その光景はどことなく、映画「はじめて映画をみた日」のようで、ドラムサークルのそういうところが好きなのだ。ドラムサークルのなかには、ルールやプログラムがない。プランも、スケジュールもない。リーダーも指揮者も代表者もいない。それはレッスンではなく、トレーニングでもなく、インストラクションでもなければ、ティーチングでもない。練習もリハーサルもなく、たまたまその場に居合わせた見ず知らずの者たちが、いまそこで鳴ってるリズムを、とにかくみんなでどうにかしようとする直接民主主義的な場であり、そのつど、いろいろなリズムとサウンドが合意形成されてゆくのをみるのはおもしろい。これにさらに、「コブラ」や「スポーク会議」の要素が加われば、もっともっとおもしろくなると思う。ゲリラ・システムやカートゥーン、フィッシュボウル、ブロック、それにポエトリーリーディングがあってもいい。ドラム以外の音の出るものやノイズをもっと増やして、ドラムサークルがノイズサークルになってもいいかもしれない。そうなれば、いよいよそれは、もうひとつの民主主義の格好のモデルになるだろう。なぜなら民主主義というのは本来、やかましくて、うるさく、騒々しいものであり、それは土曜や日曜の昼間にひとが公園に集まってやる、おもしろいことのはずだからである。

ところで、そのドラムサークルが終わった後、イルコモンズのとなりでコンガをたたいてた子どもに、「この本、よんだことある?」と「ドオン!」をみせたのだが、「・・・・・知らない。」という。それはよくない、ぜひ読んだほうがいい。この本をよんだら、ドラムサークルがなんであんなにたのしいのかがよくわかると思う。「ドンドコ ドンドコ ドカシャバ ドカシャバ たいこをたたいていると、とつぜん、みんなの たいこの おとが、」・・・・そのつづきは、本をよんでほしい。これは本をよまないとわからない。その絵をみないとわからない。でも、みればわかる、よめばわかる、民主主義のせかいというのは本当はこういうことなんだな、とわかる。民主主義ということばを知らないこどもでもわかる。その時はわからなくても、後でわかる。「ドオン!」は、「ぐりとぐら」「100万回生きたねこ」「すてきな3にんぐみ」「ぶたぶたくんのおかいもの」とならぶ、いい本だと思うので、ぜひ図書館でよんでおいてほしい。

▼ドラムサークルのたのしみ_d0017381_617911.jpg
「ドオン!」 
え・長新太 
ぶん・山下洋輔
福音館書店

[追記] 今月の17日から世田谷美術館ではじまる「パラオ-ふたつの人生:鬼才・中島敦と日本のゴーギャン・土方久功」の土方久功は、「ぶたぶたくんのおかいもの」をかいた文化人類学者・土方久功で、同展会期中、「ぶたぶたくんのおかいもの」の朗読会があるらしい。これは行かなくては。
by illcommonz | 2007-11-04 06:28
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