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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼空飛ぶマルチチュード・アンキャニー・リターンズ
▼空飛ぶマルチチュード・アンキャニー・リターンズ_d0017381_11284072.jpg(つづき)
この質疑応答の後、
自称・高円寺ネグリ派で、
『無産大衆神髄』の著者である
矢部(史郎)くんが質問にたって
「ブラックブロック」なんかの例を引きながら
「マルチチュードは、世間からなんとなく
"ぁゃしぃ"ものだと思われてる節があるが、
それについては、どう思うか?」という、
これまた意表をついた質問をしました。


『現代思想』や『図書新聞』なんかで、これまで再三「マルチチュード禁止(笑)」
を唱えてきた矢部くんなので、ぜひ、それも云ってほしかったのですが、
通訳を通して、この(笑)のニュアンスを伝えるのは難しそうなので、さすがに
それはしなかったようです。それはさておき、この質問に対してネグリはというと、
「非常に知的な質問に感謝します」と口上を述べたうえで、最近の反戦運動と
過去の平和運動との違いなどを指摘しながら、ひとまずの回答を試みた後、
ちょっと間をおいてから、こんな風に回答を結びました。

▼空飛ぶマルチチュード・アンキャニー・リターンズ_d0017381_1153739.jpg「マルチチュードというものを、
拡散してゆくもの、空へ飛翔してゆくもの、
そして、だんだん倍加してゆくものという、
そういうイメージでとらえてみても
よいかもしれませんね。」

これを聞いて「あぁ、たぶんこれは、
さっきの質問に対する返礼の
非物質的リップ・サービスだな」と
思ったのですが、一方でまた、これは、
さっきの回答の中で抑圧していたものが
再び「回帰」してきて化けて現れたのかしら、
とも思いました。


とはいえ、ネグリはさすがに抜け目がなく、全部の質問への回答が一通りすんだ後、
この日の応答のしめくくりとして、こんな風に付け加えるのを忘れてませんでした。

▼空飛ぶマルチチュード・アンキャニー・リターンズ_d0017381_11594594.jpg「私たちのなかには妖怪がいるのです。
その妖怪が労働のなかで姿を現わすという、
その暗い可能性はやはり否定できないのです。
私たちの存在のうちには、胡乱でぁゃしぃものが、
妖怪が、いるのです」

これを聞いて「あぁ、さすがに、ネグリは
百戦錬磨の思想家だなと思いましたが、
ただ、この日のネグリは、これにさらに
こう付け加えることを忘れてようです。すなわち、
「私たちの存在のうちには、貧しき者という
コモンネームを持った、汚れた神々が
いるときもある」ということを。
(おわり)

▼空飛ぶマルチチュード・アンキャニー・リターンズ_d0017381_1271746.jpg[おまけ]

生きていくには
眠る小屋があればよい
生きて死ぬには
少しの土地があればよい
ほしいのは靴と
くつしたと少しのパン
僕らは明日を信じて
生きていく♪

「ミラノの奇蹟」より
by illcommonz | 2005-05-21 00:01
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