はじめに、ふた、ありき
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10日のデモの映像をみて、
ちょっと力がぬけた。 デモの先頭がこういう感じ だったとは知らなかった。 もちろん表現はさまざまで、 いろんなブロック(ゾーン)が 共存しながらひとつのデモを 構成するというのが、シアトル 以降のデモの特徴なのだが、 やはりいくぶん選曲をしくじったのではないかと思う。デモの場で流れる音/学が、抗議する人たちの声に勢いを与え、足のはこびを鼓舞することはあっても、その声を消してしまってはいけないデモもあるからだ。思うにこれは、デモの文化や習慣がまだ十分に確立されてないからで(もっといえば、「カウンター・カルチャー全般」が低調だからで)、そうだとしたら、これからさらに、もっともっとたくさんのデモを積み重ね、試行錯誤してゆく必要があると思った。これから別の映像がアップされるか、あるいは、翌日の新宿のデモのこのときの映像が残っていることを願う。 ↓ 「主催者によるデモの成功を伝えるアナウンス。参加者は400人。歓声と拍手が涌き起こる。その喧噪の中で、この歓声の意味がにわかには伝わっていない様子の女性たちの集団を見つけ、声を掛ける。 「ふぉー・はんどれっど・ぱーそんず・ゆにてぃ・ ふぉー・ぱれすたいん・とぅでいず・でも!」 文法など知ったことではない。とりあえず、彼女たちの想いをそれぞれに支える意志を持った人たちがここにいる。そのことさえ伝えられれば、とりあえずそれで充分だ。でもまだ何かが足りない。たしかにデモは成功だった。しかし、それだけではまだ何かが欠けている気がする。 主催者の挨拶が終わり、晴れ晴れとした表情の面々に散会のムードが漂う中で、まだ何かが足りないという思いが咄嗟に口を衝く。 「ふりー・ふりー・ぱれすたいん!」 軽い驚きの表情で振り向いた先般の女性の一人が、すぐに後を引き継いで大きく声を上げた。 「Free! Free! Palestine!!」 「Free! Free! Palestine!!」 舗道に蝟集する人々が一瞬、虚を衝かれたように一呼吸おいた後、たちまち凄まじい勢いで彼女の叫びに呼応し、頬に“STOP KILLING”“GAZA”と書き記したアラブの女性たちの一団を中心に、連帯を唱和する声が新宿の片隅に伝播する。 「Free! Free! Palestine!!」 「Free! Free! Palestine!!」 「Free! Free! Palestine!!」 そう、たぶんこれが必要だったのだろう、と思う。日本語を満足に解していない様子の彼女たちが、それでもどこからかこの日のデモを聞きつけてやってきたこと。その彼女たちが、彼女たち自身の声を上げること。それを聴き取る耳が私たちに必要だったのではないか? そして、それならばなおのこと、私たちが好むと好まざるとに関わらず、彼女たちの目にはこの国のマジョリティとして映るはずの私たちが、彼女たちに向けてアクションを起こさなければいけないのではないか? そのとき、私たちにできることは何か? 」 ▼「猫囃子の夕、あるいは路上の世界音楽からパレスチナへの挨拶。」より ----------------------------------------------------- [追記1] 1月11日の新宿での抗議デモの映像 ▼「Protest in Japan against Gaza genocide, Sunday 11 January 2009-No1」 ................................................................... [追記2] たとえば、こういう楽曲を選んで組み合わせることもできたはず。 ▼Michael Heart - We will not go down (Song for Gaza) ▼Checkpoint 303 - Streets O Ramallah video by Leaphar ▼「Palestinian Gaza - NEW SONG 2009 (little kid sings)」 ▼Muslim Gauze 「West Bank is a Volatile Place」 ▼「elhajeb cheb khaled - NOA - OTHER ARTISTE iMAGINE」 つねづね思うのだが、デモの音楽をDJにまかせてしまうのではなく、事前にメーリングリストなどを使って「合意形成」して決めたほうがよいのではないだろうか。
by illcommonz
| 2009-01-12 06:01
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