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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼イルコモンズのショックドキュメンタリー劇場
第一話「よく考えよ」

ええ、よく考えてみましたとも。でも、その結果がこの惨状です。

d0017381_3485290.jpg

まずはコレから聞いてみてください。

awful_duck.mp3
ヨヲク考エヨ...オカネワ大事ダヨ..アフラクアフラクギャーー!!(以下、聞き取り不能)

こんな呪文のようなコトバと叫びが、突然、可愛いアヒルのぬいぐるみの中から
聞こえてきたらどうでしょう。どう考えてもオ・ソ・ロ・シ・イ話だと思いませんか。
ある種の超常現象、オカルト、呪い、たたり、怨念...なんにしても、まさに悪夢
のような話で、「これはなにか邪悪なモノにとり憑かれているに違いない」と、
そう考えるのが、ディズニー的世界のファンタジックな思考なので、
このかわいそうなアヒルにかけられた資本主義文明の呪いを解いてやるために、
悪の腫瘍の摘出手術を試みたわけですが、最初の写真のとおり、
一回目は失敗しました。

まず、実証科学主義的に「よーく考えて」、「この狂気の原因は脳にあるはずだ」
と思い、ロボトミー手術を試みたのですが、これはまったくの見当ハズレ、完全な
医療判断ミスでした。とはいっても、これはあくまで「ぬ・い・ぐ・る・み」なので、
後で丁寧に裁縫してやれば、それですむことなので、あまり気にせず、次は、
古代宗教的に「よーく考えて」、魂の解放手術を試みたところ....

ありました!

d0017381_3514052.jpgQCという謎のイニシャルが
入った呪物がアヒルの腹の中に
埋めこまれていました。

おそろしい.......

この二十一世紀の現代に、
こんなブードゥー教まがいの
呪いの術をかける人間がいたとは。
にわかに信じがたいことですが、
これは、事実なのです。

こんなモノを、こどものアヒルのぬいぐるみに埋めこむ狂気と野蛮、
そして、それを取りだす狂気と野蛮、たしかにどっちも残酷ですが、
でも、本当に野蛮で狂っているのは、はたしてどっちなのか?
みなさんは、いかがお考えでしょうか?ぜひ、この機会に
ファミリーそろって、よーくお考えになってみて下さい。
では、また来週。

[BGM] ♪ひゅるるるひゅるるるるひゅるるるるるるう
(「ザ・トワイライト・ゾーン」のテーマ)
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by illcommonz | 2005-05-28 03:47
▼サボタージュのおしらせ
d0017381_9371794.gif
次のロードワークのための
地ならしをしますので
アップロードをしばらく
やすみます。
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by illcommonz | 2005-05-25 09:34
▼フィラスティンのどこでもスト
d0017381_725399.jpg俗に世間では「家に帰るまでが遠足だ」と云いますが、
ロード・ワークも一種の遠足とはいえ、
それはホームレス・ワークなので、
パリ~東京~名古屋~京都と接続してきた
ロード・ワークは、東京に戻ってからも続きました。
まず、京大でのシンポジウムの翌日、
酒井さんの京都の家で開かれた
「公共圏を問う」研究会に参加した後、
その足で、「石垣★カフェ」、ではなく、
六本木の「ヴァージン・カフェ」に移動し、
WhySheep?主催のパーティ
「Virgin Sheep For Sunday Brunch!」で、
Infernal Noise Brigade のキーパーソン、
Filastine のDJプレイを見てきました。


d0017381_9153833.jpg彼のサイト配給元からフリーダウンロードできる
トラックを聞けば、その音圧やミックスの
具合から、トライバル・ヒップホップとか、
プランダー・フォニクスとか、そんな風にも
聞けますが、Filastine の独異性は、
99年のシアトルや03年のカンクンでの
反グローバリズム直接行動にINFの
主席奏者として参加し、その現場や
街頭でフィールド・レコーディングした、
抵抗のナマ音使いにあって、
INF が集団で叩き出すドラムの肉弾音と
まるで上物のファズを通したかのように
どこまでも歪みきったトランジスタ・
メガホンからの剥き出しの肉声が、
聞く者の肉体の中で眠りこけている
アドレナリンを噴きあがらせるわけです。

d0017381_924482.jpg
ちなみに「サウンド・デモ」のサブユニット
として結成されたT.C.D.C.は、
必ずしも、このINFを手本にしたものではなく、
T.C.D.C.のサイトにあるように、チンドン屋を
はじめとする様々な文化的記憶が
ツギハギされた混成体であって、
INFとは似て非なるものなのですが、
それはともかくも、INFやFilasineの
行動とアイデアには、かねてから
敬意を感じていたので、
Filastine がプレイを終えた後、
T.C.D.C.のことを話して、


「殺すな」のデモや「殺すなコブラ」のライヴなどで
ずっと愛用してきたドラム(一見、ティンバレスのように
見えますが、実は改造したタンバリン)のヘッドに、
何かひとこと書きこんでくれないかと頼んでみたところ、
こんなメッセージをよこしてくれました。

d0017381_994655.jpg

STRIKE EVERYWHER X 

と読めます。
以前、イルコモンズ名義で『情況』に連載していた美術時評の中で、
「サウンド・デモの次は、限りなくスローなデモとしてのストライカーズ・
パーティーじゃないだろうか」と、そんなことを書いていたので、
「あぁ、やっぱり、そうか」という感じで、ますますFilastine に
親近感をおぼえたパーティでした。
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by illcommonz | 2005-05-23 00:49
▼ザ・フューチャーポーヴェラ~貧しい未来へ「公共圏の解体と創出」
d0017381_5167.jpg「新学期の京大では、
不思議な事態が相次いでいる。」
との新聞報道にもあった通り、
百万遍交差点に面した京大の
石垣の改修工事に反対して
建設された 「石垣★カフェ」をめぐって、
『帝国』の訳者であり、
『自由論』の著者である
酒井(隆史)さんと
京大でシンポジウムを
行いました。

写真:イルコモンズのグラフィックオリエンテッドなプレゼンと酒井氏の影

パリと東京を結んで行われたネグリとのビデオ会議の後、
東京を出発して、愛知博でにぎわう名古屋に入り、
豊田市美術館で「貧しい芸術」を堪能した後、
京都のオルタナティヴな伝統にふれるという
「フィールドワーク」ならぬ「ロードワーク」の中で
移動しながら考えたことどもを、

d0017381_6203428.gif事前に仕込んでおいたグラフィックリソースを使い、
ノンストップ・メガミックスでつなぎなおしたものが、
この日のシンポジウムでのイルコモンズ・サイド
からの発表になりました。
セットアップリストは次のとおりです
(以下、順浮動)

資料公開!ザ・フューチャーポーヴェラ~貧しい未来へ、「公共圏の解体と創出」
から「清掃圏の拡大と突出」へ、石垣宣言を文芸批評的に読む、愛される風景に
なるな、ややこしい機械になれ、ミニプラトーをつくれ、京大の伝統であるややこし
さは、直截氓主々義の美徳であり、手のかかること、ややこしいことは、幸いであ
る。地球清掃化現象と疫病としての潔癖、抵抗のレヴェルとロケーションの測量、
なぞなぞ:末期資本主義の世の中で唯一お金で買えないものはなに?あんちゃん
おじさんびんぼうこじきしてもおおいばりでいろ、ミラノの奇蹟、貧乏の叡智、グロー
バリゼーションに抗する地動説の失地回復運動、野性のファンタジー、空飛ぶマ
ルチチュード、HRCの首都圏清掃整理促進運動、京大の由緒まがまがしい伝統
の美と異能の歴史、B級生活氓としてのマルチチュード、公共施設はまず誰たち
のものか?コントロールの徹底操作と街頭での直截(直截氓主々義)行動、今日
は死人が出ても知りません、おそるべき無償恐怖症、インディオは花を摘まない、
坐して半畳、寝て一畳、交代の思考、人間の存在の内なるゾンビー、原っぱと遊
園地、貧乏になる必要はないが、こわがる必要もない、ヒリークリスタルの儀式的
清掃、ボイスの社会彫刻と弾丸映画、人は背中のほうから未来へはいってゆく、
ゼロ次元とは人間の行為をゼロ(無為・無償)に導くこと、かい人さんいらっしゃい、
アーキ・コモンズ、ドント・トラスト・エリート・ヒッピーズ、我が心の人生幸路、クレ
クレタコラ、ゴダールのカメラアイ、ノットインアワネーム...

そしてこれが当日頒布したオープンリソースとしてのグラフェーム(grapheme)です。

d0017381_1043101.jpg
フューチャー・ポーヴェラ
宣言のためのグラフェーム
(1.39Mbyte)

拡大して視る

ご覧の通り、スーパーの宣伝チラシをあしらった、グラフィックデザインの
コモンセンスからすれば、ごちゃごちゃして、ややこしく、すっきりしない、
一言で云うなら「わるいデザイン」ですが、今回のシンポジウムは、
そうしたものを一掃したいという「ジェントリフィケーション」の欲望が
テーマのひとつなので、イルコモンセンスをはたらかせて、この
見るからにデザイン・ポーヴェラなチラシをこしらえた次第です。

とはいえ、これがイルコモンズ的思考の内在平面なのであって、
このフラット化されないプラトーの上でアクシデンタルに展開する
漏出的な話のフローや折りこみのラインを、ロジカルに、かつ、
階層的に文章化できるのなら、そもそもこんなものをこしらえたり
しませんので、ここでもそれはせずに、このまま放置することにし、
次のフレーズでしめることにします。

見よ、呆れよ、そして、可笑しければ、笑いたまえ(イルコモンズ)
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by illcommonz | 2005-05-22 23:59
▼京都市(生)政だより
d0017381_19314718.jpg

シンポジウムのフライヤーを読む
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by illcommonz | 2005-05-22 06:13
▼京都(大学)の異文化財と異跡めぐり
前略、母上さま、お元気ですか、私たちは、いま、京都にきております。
ついに念願かなって、京都大学のディープ・ノースの文化に、
じかにふれることができました。

風の便りによると、NYパンクの発祥の地C.B.G.B.は、
折からのジェントリフィケーションのあおりをうけて、
いま、立ち退きを迫られているようですが、
日本のアンダーグラウンド・カルチャーの
カーネギーホール「西部講堂」は
いまなお健在でした。

あ、、、

d0017381_404354.jpg←これは、もしや、
1969年の第一回・京都大学「バリケード祭」、
略称「バリ祭」の時のものでしょうか?
この第一回目のバリ祭に
「ゼロ次元」や「裸のラリーズ」と
共に招待された若松孝二の、
この年に封切られたばかりの
映画の題名が西部講堂脇の
建物の壁に記されていました。

この落書を横目にしながら、
ペヨトルな香り立つ講堂の中にはいり、
軋む床を歩めば、夢かうつつか幻か、
「今日は死人が出ても知りません」
という無情なアナウンスが流されたと
今に語り伝えられる「ザ・スターリン」と
「非常階段」の奇蹟の競演、
つわものどもの夢のあと、
諸行無情のエコーあり...

d0017381_4102454.jpg

そうそう、京大のアニマルハウス
「吉田寮」も健在でした。
ちょうどこちらも「寮祭」前夜で、
歓びにあふれた祭のアンセムと
パレードの招待状が配られていました。

おや、、、、
d0017381_413271.jpg



吉田寮祭2005実行委員会編
「吉田寮祭パンフ」より
(作者不詳)

これはまた、面妖な.... しかし、
まさにこれなどは、今を去ること20余年前
「京都モダーン」として世間を騒がせた
佐藤薫率いるエレクトロ・ファンク楽団EP-4の
幻の逸品「かい人21面相のテーマ」の
ポエジーを想わせるもので、

d0017381_4223161.jpg
EP-4
「かい人21面相のテーマ」
(自主制作・自主配布ソノシート盤)
*Amazon.com での取り扱いなし

それがいまなお、このようなかたちで
伝承されているというところに、
伝統と格式を、愛(め)で遊ぶことを
やめない、京人の粋で風流好みなマインドと
病めるヒューモアのセンス(sick sense of humor)
を感じざるを得ませんでした。

そうそう、伝統と格式を愛で遊ぶといえば、

d0017381_4342961.jpg
(左)ゼロ次元主催
「万博破壊派共闘会議」
反博キャラバン

(右)初代・折田先生
作者不詳


かつて「ゼロ次元」がファーサードを占拠し、
全裸のパフォーマンス/儀式を敢行した
旧・A学館前の折田先生もご健在でした。
残念ながら、ご本尊はお隠れになられましたが、
それ以来、先生は実体をもたない変幻自在の
シュミラクルな記号となられ、いまでも春になると、
先生を京大の自由闊達な気風を守る道祖神として奉る
再建立祭がとりおこなわれているようです。

*詳しくはコチラ→「折田先生を讃える会」

まさしく「あなかしこ」なるは、これらが、
京大の異なる文化財と異跡かな。

(京大にて、イルコモンズしるす)
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by illcommonz | 2005-05-22 00:00
▼「貝」を「分」けると「貧」となるのは、なぜ?
話の途中ですが、この週末、京都に行く用事があったので、
新幹線を途中下車して、名古屋に行ってきました。といっても、
「哀・地球博」(by 田中偉一郎)を見に行ったのではなく、
「愛知万博記念」として豊田市美術館で開催されている
「アルテ・ポーヴェラ/貧しい芸術」展を見てきました。

d0017381_3482689.jpg

豊田市美術館に行くのは今回が初めてだったせいで、
ついつい目的を見失って、谷口吉生が設計した
ハイエンド・モダンな建築やJ・コスースの常設作品に、
ときおり目を奪われたりもしましたが、とはいえ、
今回の「アルテ・ポーヴェラ」展はなかなか見ごたえのある
かなり充実したコレクションで、しかも、
「ふんわりやわらか仕上げのハミング」のような
ソフトタッチなしかけもあって、なかなかあなどりがたい、
ヴェリッシモな展示でした。

d0017381_3495686.jpg
「アルテ・ポーヴェラ」というのは、ミラノ・トリエンナーレの
会場占拠事件にいたる68年前夜の、揺れる大地イタリアの、
それもどちらかといえば、アンダーグラウンドな「画廊」から
農民一揆的にアクト・アップしてきたゲリラ的芸術運動なので、
そうした「読売アンデパンダン的」な対抗運動の熱気や沸騰を、
谷口デザインの、このすこぶるエレガントな「美術館」の中で
再現するのはさぞかし骨が折れただろうなぁ、なんてことを
思いながら見てましたが、でも、考えてみれば、そのテーマが
「テクノ」から「エコ」にシフトしたとはいえ、依然として
「ハイテク」の「豊かな」暮らしを夢見させる愛知万博の開催に
あわせて、それとは対極的な、「ローテク」で「貧しい」芸術を
対位法的に置いてみせたところに、実は、インビジブルな
対抗の線が、美術館の外にむかって、ふんわりとやわらかに
張りわたされていたのかもしれません。

d0017381_1184723.jpg

それはともかくも、今回の展示作品の中で特に気になったのが、
M・ピストレットの「ランチ・ペインティング」という作品で、

d0017381_17352575.jpg←こんな風に絵の額縁がそのまんま
二人分の食卓と椅子になってるので、
人がこの額縁の中にフレーム・インして
書割の絵画になるというだけでなく、
(それだと観光地の首出し看板と同じ)
さしずめ、ドゥルーズとガタリなら、
「絵画+食事+人間」という複合的
アレンジメント(イート・イン?)による
作動する「絵画機械」だ、とでも云いそうな、
R・ゴールドバーグの漫画風の狂ったマシン
としてみることもできるわけです。


d0017381_18494064.jpgたぶん、そんなことを考えたのは、
名古屋でのこの途中下車の後に
向かうことになっていた、
京大の「石垣★カフェ」と、
いま・そこで剥き出しになって
展開されている生-政治的な
抵抗のアクションとこの作品とが
オーバーラップしてしまったからなのですが、
これについては、また後日。
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by illcommonz | 2005-05-21 12:21
▼空飛ぶマルチチュード・アンキャニー・リターンズ
d0017381_11284072.jpg(つづき)
この質疑応答の後、
自称・高円寺ネグリ派で、
『無産大衆神髄』の著者である
矢部(史郎)くんが質問にたって
「ブラックブロック」なんかの例を引きながら
「マルチチュードは、世間からなんとなく
"ぁゃしぃ"ものだと思われてる節があるが、
それについては、どう思うか?」という、
これまた意表をついた質問をしました。


『現代思想』や『図書新聞』なんかで、これまで再三「マルチチュード禁止(笑)」
を唱えてきた矢部くんなので、ぜひ、それも云ってほしかったのですが、
通訳を通して、この(笑)のニュアンスを伝えるのは難しそうなので、さすがに
それはしなかったようです。それはさておき、この質問に対してネグリはというと、
「非常に知的な質問に感謝します」と口上を述べたうえで、最近の反戦運動と
過去の平和運動との違いなどを指摘しながら、ひとまずの回答を試みた後、
ちょっと間をおいてから、こんな風に回答を結びました。

d0017381_1153739.jpg「マルチチュードというものを、
拡散してゆくもの、空へ飛翔してゆくもの、
そして、だんだん倍加してゆくものという、
そういうイメージでとらえてみても
よいかもしれませんね。」

これを聞いて「あぁ、たぶんこれは、
さっきの質問に対する返礼の
非物質的リップ・サービスだな」と
思ったのですが、一方でまた、これは、
さっきの回答の中で抑圧していたものが
再び「回帰」してきて化けて現れたのかしら、
とも思いました。


とはいえ、ネグリはさすがに抜け目がなく、全部の質問への回答が一通りすんだ後、
この日の応答のしめくくりとして、こんな風に付け加えるのを忘れてませんでした。

d0017381_11594594.jpg「私たちのなかには妖怪がいるのです。
その妖怪が労働のなかで姿を現わすという、
その暗い可能性はやはり否定できないのです。
私たちの存在のうちには、胡乱でぁゃしぃものが、
妖怪が、いるのです」

これを聞いて「あぁ、さすがに、ネグリは
百戦錬磨の思想家だなと思いましたが、
ただ、この日のネグリは、これにさらに
こう付け加えることを忘れてようです。すなわち、
「私たちの存在のうちには、貧しき者という
コモンネームを持った、汚れた神々が
いるときもある」ということを。
(おわり)

d0017381_1271746.jpg[おまけ]

生きていくには
眠る小屋があればよい
生きて死ぬには
少しの土地があればよい
ほしいのは靴と
くつしたと少しのパン
僕らは明日を信じて
生きていく♪

「ミラノの奇蹟」より
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by illcommonz | 2005-05-21 00:01
▼空飛ぶマルチチュード(第三話)
d0017381_0355786.jpg
さて、ネグリの回答ですが、まず、
この質問を聞いた時のネグリの表情は
というと、雲の切れ間からさしこんだ光が
さぁぁっと顔一面に広がってゆくような
そういう笑みでした。それから、この後に
もうひとつ別の質問があって、そのあと、
「それぞれ洞察に富んだ質問をいただき
感謝します」という口上を述べたネグリは、
長い時間をかけて、まず二つの質問への
回答からはじめました。

ひとつは、そのものずばりマルチチュードの
定義に関するもので、マルチチュードは
「大衆でもなく人民でもない」という、
テキストに書いてある通りの講釈を述べた後、
「マルチチュードというのは"新しいプロレタリア"
ではないのか」とよくそう云われることがあり、
はじめはそれを否定していたが、今はたまに
「そうだ」ということもあるという回答でした。


d0017381_0582228.jpgその後、もうひとつの別の質問への回答に移り、
その後に、いよいよ順番がまわってきたのですが、
ここでなんとも運の悪いことに、
同時通訳のレシーバーの調子が急に悪くなり、
通訳の音声が途切れてしまいました。
他のレシーバーもそうだったようで、
みんな一斉にレシーバーの向きを変えて
何とか音声をキャッチしようと悪戦苦闘してましたが、
なかなか音声はもどらず、そんな中で
かろうじて聞き取れたのは...

……………デ・シーカの『ミラノの奇蹟』は、私の大好きな映画で……
…………………『帝国』に引用したのは「知的引用」…………アレは
何て言いましたっけ、ぅうん、忘れてしまった、ねぇ、ほら、こう…………
こんな風に…………………それで最後にね、みんなでほうきにのって
空に飛んでゆくんですよ…………アレは社会主義的手法だと言われ
ましたがね………………以上

という感じで、あの満面の笑顔の割に、回答そのものは比較的
あっさりしたものでした。正直、これは「肩すかしをくらったかな」
という感じもしましたが、もともと、この質問の魂胆は、せっかく
リアルタイムのストリーミングビデオで映像を流しているのだから、
このイレギュラーな質問にネグリがどんな表情と仕草で応答するか
を見てみたい、というところにあったので、この回答はそれなりに
十分に満足にいくものでした。このフックのある質問に対しネグリは
十分に用心深く、それでもなお、陽気な表情と快活な仕草で回答を
こちらに投げかえしてくれました。

d0017381_1135584.jpg 音声こそ消えましたが、アリスの童話にでてくる
チェシャ猫のそれのように、笑いだけが残った。
見たかったのは、まさにそれで、ネグリと
ハートが慎重にそう書いてるように、そもそも
マルチチュードとは特定の人物や集団によって
代理表象されるものではないので、特定のなにかに
ひきつけて語ってしまうのは得策ではないわけです。
無論、それはよく理解できるのですが、とはいえ、
そんなマルチチュードにも「面影」や「シルエット」は
あるはずで、それをネグリの表情や仕草をメディアとして、
この目で見て確かめたかったわけです。


その時のネグリの表情と仕草を、いまここでお見せできないのは
残念ですが、そのとき映像を通して確信したのは、マルチチュード
というのは、決して気難しいものではなく「あかるいもの」だ
ということです。アカデミックな政治哲学の研究者にとっては
どうでもいいことかもしれませんが、在野の読み手にとっては、
このマルチチュードの心象を得られたことが、このビデオ会議での
最大の収穫であり、歓びでした。

ところで、実は、この話はまだ終わりではありません。
このお話にはさらに続きがあるのですが、それはまた
次回に(つづく)

【結話へ】 
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by illcommonz | 2005-05-20 00:04
▼また「おはなし」の途中ですが、ここでクイズです
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by illcommonz | 2005-05-19 08:02