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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼世界は変わりたがっている
▼独サミット開催を前に、「反グローバリズム」団体がデモ
【ベルリン=三好範英】 ドイツ・ハイリゲンダムで行われる主要国首脳会議(サミット)を前に、サミットに反対する「反グローバリズム」の団体が2日午後(日本時間同日夜)、独北部ロストック市で大規模な集会、デモを行った。警察当局によると、同日夜までに約3万人が参加する見通し。ドイツの警察当局は1万6000人の警察官を動員し、デモが暴動に発展する事態を防ぐ方針で、市中心部の商店はショーウインドに板の覆いを打ち付けるなど、対策に追われた。サミットは6日~8日、同市から約25キロ離れたバルト海沿岸の海浜保養地ハイリゲンダムで開催される。ハイリゲンダムを取り囲む全長12キロにはフェンスが設置されるなど、厳戒態勢が敷かれている。(2007年6月2日23時28分 読売新聞)

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写真は下のBBSニュースから。
▼Riots break out at German rally
The authorities had warned of the threat of attack by far-left groups
Protesters have clashed with police at a largely peaceful anti-globalisation rally in the German city of Rostock.

[上の写真] ジャイアント・パペットのブロック(ものすごい量だ)
[下の写真] ブラック・ブロックのアクティヴィストとドイツ警察
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by illcommonz | 2007-06-02 23:34
▼イルコモンズ・アカデミーズ
d0017381_136106.jpgイルコモンズ・トラベリング・アカデミー龍谷篇パート3
平成十九年六月四日月曜日
午後三時半ヨリ午後八時頃マデ
龍谷大学瀬田キャンパス四号館二〇一教室
滋賀県大津市瀬田大江町横谷一の五
ギフトアカデミー形式
参加自由/参加無料
受講資格不問

会場までの道のりと前回のアカデミーについては
下記をご覧ください。

▼イルコモンズ・トラベリング・アカデミー 続・京都篇
http://illcomm.exblog.jp/4256117/

-------------------------------------------------------------
[今後のアカデミーの予定]
▼イルコモンズ・アカデミー・オクテ・イン
2007年6月17日(日)14:00-22:00
「美学校」 東京都千代田区神田神保町2-20第2富士ビル3F
▼イルコモンズ・トラベリング・アカデミー札幌
2007年7月21日(土)・22日(日)
さっぽろ自由学校「遊」 札幌市中央区南1条西5丁目愛生舘ビル207
▼イルコモンズ・アカデミー国立
2007年7月13日(土)*予定
一橋大学東校舎大講義室 東京都国立市中1の1
▼イルコモンズ・アカデミー下北沢
2007年7月中旬予定
▼イルコモンズ・トラベリング・アカデミー横浜
時期未定
▼イルコモンズ・トラベリング・アカデミー名古屋
時期未定
▼イルコモンズ・プライマル・アカデミー
時期未定
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by illcommonz | 2007-06-02 22:48
▼【特講】G8リアルタイム・スタディーズ
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(再掲載)
「文化人類学解放講座」特別講座
リアルタイム・メディア・スタディーズ
「G8を(G8に反対する側から)見る」
~同時代の文化人類学・対抗文化篇





イルコモンズの「文化人類学解放講座」では「グローバリゼーションとは何か?」
ということを、グローバリゼーションについて書かれた解説書や教科書から学ぶ
のではなく、いま現在進行形のグローバリゼーションに対して現在進行形で反対
している人たちが云っていることやその主張に耳をかたむけ、直接行動の現場の
映像や抗議のさまざまなアイデアや表現を見ることを通して「もうひとつの世界」
を知るという、そういう方針で抗議、もとい講義を行ってきました。今年も(そして
来年も再来年もこの講義が続く限り)その方針になんら変わりはなく、まさに、
い・ま・こ・れ・か・ら・リアルタイムで起きようとしているグローバリゼーションに
対する大規模な抗議行動について情報提供するプラットフォームを用意しました。

ここからリンクしてある情報をよく見て、もうすぐドイツで開催されるG8サミットの
ことを世界の(そして日本の)マスメディアが、どんなふうに報道するか(あるいは
報道しないか)、そして、その一方で、世界中のインディペンデントなメディアや
オルタナティヴなメディアがどのように情報発信を行ってゆくかをリアルタイムで
しっかり見て、それぞれ学習してください。特に、これまでの講義で1999年の
「シアトルの闘い」などを見た受講者の人たちは、よくみておいてください。教室で
見たものや学んだことが、いま自分が生きている同時代の世界の動きとリアル
タイムでアクチュアルにつながっていることが実感できると思います。そしてごく
近い将来(来年の夏くらい)に、きっと役に立つときがくると思います。では、まず
はじめに「映像」と「グラフィック」、次に「サイト」と「パワーフレーズ」、そして最後に
「呼びかけ文」です。

----------------------------------------

「G8を(G8に反対する側から)見る」

【映像】
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▼Move against G8-Mobilisierungsclip
http://www.youtube.com/watch?v=rsKryWZ69bM>http://www.youtube.com/watch?v=rsKryWZ69bM

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▼G8-Let's face it- Attac Kinospot
http://www.youtube.com/watch?v=qiFxN3maNdw

d0017381_23581058.jpg
▼NO G8-Movieclip
http://g8-tv.org/

d0017381_013880.jpg*G8開催中の現地の様子はインディーズ系動画サイト
「G8-TV」で6月2日から6日まで毎日、現地時間の
21:00(日本時間6月3日から9日の05:00)から
配信される予定です。また現地にいるIRAのナリタくん
から現場レポートがあったらアップします。

【グラフィック】
d0017381_03146.jpg

【サイト】
[インディペンデント・メディア]
■indymedia
http://de.indymedia.org/
[音楽]
■Move against G8
http://www.move-against-g8.de/pages/soli-sampler.php
[ピンクブロック]
■Against G8
http://againstg8.blogsport.de/
[市民的不服従]
■The Block G8
http://www.block-g8.org/
[クィア]
■queers against G8
http://www.queersagainstg8.blogspot.com/
[反ファシズム]
■Antifaschistische
http://www.antifa.de/cms/component/option,com_frontpage/Itemid,1/
[アート]
■Resistant Art Festival
http://www.free4alter.org/
[NGO]
■G8NGOPlattform
http://www.g8-germany.info/english/index.htm
[日本]
■No-G8
http://a.sanpal.co.jp/no-g8/

【抵抗のローセオリーとしてのパワーフレーズ】
"No Other World is Possible with Capitalism!"
(資本主義と一緒ではもうひとつの世界も可能ではない)
"Make Capitalism History!"
(資本主義を過去の歴史にしよう)

【呼びかけ文】
「G8サミットでの農業ビジネスのグローバリゼーションに反対する世界的行動の呼びかけ」
("A Call for Worldwide Actions against Global Agri-Business during
the G8 Summit in June 2007")

2007年6月、世界の経済大国(G8の枠組に含まれる国家)の首脳たちが、世界経済に関する政策を調整するため、ドイツのロストック近郊にあるハイリゲンダムで会談を行う予定になっている。G8サミットの主要なねらいと目的は、北半球の多国籍企業がビジネスをより有利に行うための条件を設定し、推進することである。こうした経済大国の暴挙に対し、G8サミットの開催にあわせて世界中から何千人もの人びとが、経済大国による搾取と抑圧そして資本主義に対する世界的規模の抵抗活動をするために集まる。G8サミットで取りあげられる議題のひとつは、農業に関するグローバルな政策、特に遺伝子組み換え技術に関する政策とされている。

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■北半球の多国籍企業
IMF(国際通貨基金)世界銀行、そしてWTO(世界貿易機関)と手を組んだ、モンサント社、ジンジェンタ社、デュポン社、バイエル社、そしてBASF社といった多国籍企業は、世界中のあらゆる地域で、それぞれの企業の農業技術を強要しようとしてきた。このような多国籍企業の強引な活動は、農業生産を完全に独占しようとする試みにほかならない。バイオパイラシー(生物的略奪行為)、特許の独占、土地の買収、特定種の保護に関する協定、WTOによる裁定、そして、自殺種子(ターミネーター種子)のテクノロジーを使って、栽培し生産する農産物の種類を自由に決める権利を土地の農民から奪おうとする試みがなされている。農業のグローバリゼーション化は、食習慣のみならず、特に農産物の栽培と生産の工業化に関する方法とプロセスの世界標準化をもたらした。単作農法と肥料および種子産業に対する完全な依存を通して、遺伝子組み換え技術が世界標準化の進行に拍車をかけたのである。さらに、零細農家と現地コミュニティの自給自足の手段に対して組織的破壊をおこない、特に南半球においては破滅的な結果を与えている。このような破局をもたらせる背景として、IMFの構造調整プログラム、WTOの自由貿易政策、そしてアメリカ合衆国とEU諸国の政府による農業助成金があげられる。零細農家にしろ、農業労働者にしろ、人類の過半数は農業を生活の糧としているため、大国による農業政策は世界中に影響を及ぼしている。

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■南半球における抵抗活動
農業の工業化政策に対する抵抗活動の原動力となっているのは、南半球における地元農家による抵抗活動だ。情報が限られてはいるものの、農家によるさまざまな抵抗活動のかたちが報告されている。この数年間にインドでは何千人もの綿農家がくりかえしモンサント社の支店に押しよせた。2006年の3月には、ブラジル南部で1,500人の農民たちが地下水を過剰に吸いあげていたユーカリの樹500万本を破壊した。さらにブラジル、ガーナ、マラウィ、ジンバブエといった国々での土地の占拠は、地元民の日常的な抗議活動として、もはやその生活の一部となっている。

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二億人にのぼる零細農家、農業労働者、そして土地なき人々からなる世界的組織である「ヴィア・コンペンシーナ」は、最も強調されるべき権利として「食の主権」をあげている。ここでいう「食の主権」とは、十分な量の、健康的かつ全体的で、その文化の特色にあった食べ物を無料かつ自由に手に入れる権利にとどまらない。さらに、工業生産化されていない農産物を自由に生産する権利も含んでいるため、土地や水、種子といった生産手段を自分たちでコントロールすることができる権利も含んでいる。土地の所有や分配といったベーシックな問題に対する答えを導くには「食の主権」という観点から問題を再考することが必要である。

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■北半球における抵抗活動は?
ヨーロッパおよび工業化が進んだ北半球での抵抗活動は、極端な状況においてのみ表面化する比較的小規模な現象にとどまっているが、それは確実に存在している。ひとつの例として、スペイン南部の野菜農園で、不当な扱いを受けたり搾取されていた出稼ぎ農業労働者の支援に対する呼びかけがあった。また別の例としては、遺伝子組み換え食品の生産に反対する抗議活動があり、2004年にフランス南部では、2,500名の「草刈り有志」たちが遺伝子組み換え食品を栽培する畑を破壊するということがあった。

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G8サミットに反対する抗議活動に参加するアクティヴィストたちの中には、北半球における抵抗活動を支援している者もいる。支援の目的は農業のグローバリゼーションと遺伝子組み換え技術に対する、世界と連帯した抵抗運動を可視化するだけでなく、それを成長させるためである。しかし、さまざまな問題が異なった形で現れてくる状況において、それは簡単なことはない。

「南」側では、飢餓や強制移住、増大し続ける都市のスラム化と農村における搾取、とりわけ女性たちのの社会的位置づけの悪化や破滅的な環境破壊がはびこっている。

「北」側では、閉鎖される農家の増加に伴って農村が衰退し、先進資本主義国家の輸出農産物産業の均一的な台頭によって、都市部と農村部の両方において社会的疎外が拡大してきている。こうした傾向はあらゆる場所で顕著に表れている。世界中の土地がひと握りの有力者、つまり大地主と多国籍企業によってますます独占されてゆく傾向にある。

■連帯の第一の勝利
南半球と北半球のそれぞれの地域で展開されている遺伝子組み換え農業に対する抵抗運動の連帯が成果をあげてきた例もすでにある。世界的規模での抗議行動が、遺伝子組み換え農業の発展を抑制することに成功している。すでにこれまで遺伝子テクノロジー系の企業はさまざまな地域や国から撤退することを余儀なくされてきた。しかし当然のことながら、遺伝子テクノロジー系の企業は常に再介入の機会をうかがっている。遺伝子テクノロジー系企業はグローバルに展開し、彼らの理念は資本主義のグローバル化をベースにしている。こうした資本主義の勢力拡大に対抗するためには、世界と連帯した有効な抵抗運動のネットワーキングが必要であり、ネオリベラリズムに対抗する世界的なムーヴメントを起こす必要がある。

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2007年春のG8サミットに向け、農民、消費者、労働組合員、そして、経済のグローバリズムに反対する個人が、農業ビジネスのグローバリゼーションに反対する抗議活動に参加し幅広い連帯をつくりだしてくれることを呼びかけたい。

目標としているのは、農業生産の連結的な仕組みのなかに設けられた様々なポイントで抗議行動を実行することである。例えば、遺伝子組み換え作物の種の植えつけができないように農地をバリケード封鎖することや、多国籍スーパーマーケットであるリドル社の過酷な労働条件やそのバイヤーが生産者に強制している卑劣な購入価格を問題化すること、EUの農業政策を批判すること、ロストック大学と農業ビジネスの共同プロジェクトである養豚工場の前で抗議行動を行うことなどである。こうしたさまざまな抗議行動を通して、グローバル化された農業における勝敗をはっきりさせることができるであろう。ロストックに集まってくる世界のメディアに、大国の暴挙に対して私たちはとことんまで抵抗するのだということを知らしめよう。農業の世界においても、営利や搾取、そして環境破壊のない「もうひとうの世界をつくること」は可能である。

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私たちは世界各地から大勢の有志たちが抗議の声をあげるために集ってくれることを願っている。

だが何よりもまず、私たちのこのプロジェクトへの連帯の呼びかけを、南半球の抵抗運動団体に送りたい。そして2007年のG8サミットで、多国籍の種子企業に抵抗する同時行動が実現できることを願っている。さらにヨーロッパや北米、インドやブラジルだけでなく、世界のあちこちでG8を名乗っている大国こそが、飢餓や搾取、そして強制移動の原因をつくりだだしているのだということを、この抗議行動を通して実証しよう。世界の有志たちと連帯して勝利を手にいれよう。

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この呼びかけは、ドイツおよびヨーロッパ各地の運動団体のなかで討議され、このようなかたちで提案されることになった。

この呼びかけを世界各地に配信し、各団体がそれぞれ自発的に議論を重ね、それぞれの団体にあった修正と変更を加えてくれることを願っている。また、この呼びかけに対して賛同や支援はできないと感じる場合は、その理由や背景を私たちと共有してくれることを願っている。

連絡先:herhan(at)gmx.net
g8_landwirtschaft(at)yahoo.de

2006年7月23日

(呼びかけ文の原文はこちら。日本語訳はIRAのサイトに掲載してあったものを一部改訳)

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(おまけ)
d0017381_0584160.jpg
「G8 TV Shop」(1分58秒)
長文を読んでくらびれたと思いますので、おまけとして、アドバスターズ風に
G8をからかったビデオクリップを紹介します。どこで開催してもG8というのは
おおよそこういうもので、ろくなものではないです。
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by illcommonz | 2007-06-02 22:02
▼今日の反G8アクション
d0017381_553355.jpg(G8-TVより)

かつて、そのコンテンポラリーな音楽家は、「こんなとき音楽に何ができるだろうか?」
と考え、フィールドレコーディングを通して社会参加した。かつて、そのパンクスは、
「こんなときパンクに何ができるだろうか?」と考え、「シアトルの現場ではグランジ系と
もめごとを起こさないように」とパンク系に呼びかけ、ユニットを結成した。そして、いま、
ドイツのロック・クライマーは「こんなときロック・クライミングで何ができるだろうか?」
と考え、ビル・クライミングを通じて反G8行動に参加した(らしい)。そんなふうに、
ひとりひとりが自分に「できること」を考え、自分が持ってるスキルやテクニックを
使ってそれぞれ独自のやりかたで社会参加していったら、さぞかし、おもしろい
世界になるだろうと思った。ところで気になるのは、あの「ドイツ無政府主義ポゴ党」は、
いま何を考え、どこで何をしてるのだろうかということだ。やっぱり「飲んで飲んで
ただ飲んだくれる毎日」なのだろうか。公式サイトをみても、G8関連のエントリーが
ないところをみると、やはり、、のんで?、、、ま、そのはぐれっぷりも面白いけどね。
みんなが全員でやる必要もないし、同じことをする必要もない。逆にみんなが全員で
同じことをやりはじめたら、それはおもしろくなくて、逆におそろしい。
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by illcommonz | 2007-06-02 06:08
▼一回やすみ
d0017381_3534276.jpgだが、
「休憩時間」だからといって、
油断してはいけない。

あらゆる時間に、
あらゆる場所で、
音楽はつねに
鳴っている。
と考えるのが
現代の音楽家。

シアトル在住の現代音楽家、
クリストファー・デロレンティが
「N30シアトル1999」以来の
フィールド・レコーディングの
快作をリリースしました。


d0017381_4254184.jpgクラッシック音楽のコンサートホールで
「休憩時間」に鳴っていた音をこっそり
フィールド・レコーディングして集め、
その膨大なコレクションの中から、
「奇跡の名演」や「偶然の傑作」と
いえるようなものを特に選びぬいて
編集した珠玉の「休憩時間音楽」
名作集です。
いまどきめずらしいちょっとピントの
はずれた失敗写真をあえて使った
カバーデザインもすばらしいし、
題名を「ベストセレクション」ではなく、
「Favorite Intermissions」に
したところが、民主主義的でいい。

「元祖・音の民主主義者」のジョン・ケージも、草場の影で変なキノコ食って
「わははははは」と大笑いしてるはず。

▼「クリストファー・デロレンティのお気に入り休憩音楽~
ベートヴェン、ストラビンスキー、ホルストの前とあいだの音楽」

Amazon.com での取り扱いはないようですが、デロレンティのサイト
アルバムの三曲目「SF」を試聴できます。

d0017381_4434470.jpgちなみにデロレンティは、1999年の
シアトルでのWTO会議阻止行動のとき、
シアトル警察のプラスティック弾がとび、
催涙ガスと目つぶしスプレーで騒然として
いたシアトルの街の路上で、街頭デモや
抗議のコール、ドラムコレクティヴの演奏、
警官の無線などの音をフィールドレコー
ディングしていて、それをまとめた作品も
いいです。


デロレンティのサイトで、このCDの一部をも試聴できるようになってるので、
コンサートホールの優雅な休憩時間の音楽とシアトルの街の騒乱の音楽を
同時に再生して聞くと面白いですよ。近代以前からずっと続いてきた変わらない
音楽の世界と、世界を変えようとする音楽の組み合わせが、なんというか、
対位法的な感じになって、聞いてるとちょっと不思議な気分になってきます。
もうすぐはじまる反G8行動の現場からもこういうコンテンポラリーな作品が
うまれてきたらいいなと思います。

-------------------------------------------------------------

d0017381_511233.jpg[追記] あと99年のシアトル関連の音源では、
デッドケネディーズのジェロ・ビアフラの呼び
かけで結成された「THE NO WTO COMBO」
のこのライブ盤があります。このCDに収録され
てるビアフラのスピーチも一緒に混ぜて聞くと、
コンサートホールと路上とライヴハウスの壁が
消え、どこでもない不思議な空間が頭の中に
ひろがって、いろんな想像がわいてきます。
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by illcommonz | 2007-06-01 11:51
▼おしらせ
d0017381_6252394.jpg「まぁ、忙しい忙しい」って
云いながらブログばっかり
書いて、ちゃんと仕事と勉強
してるのかしらねぇ、、」
と思われると困るので
お知らせします。

「うん、もちろん
バッチリやってるよ」
って左の写真の男の子が
指をたてて、そう云ってます。

いま56ページのこのガイド
ブックの編集デザインが
最終段階にはいったところで、
来週には校了の予定です。
他に今月は、2枚の
広報ポスターをつくりました。
あと、公開講座用のチラシと
新しい研究プロジェクトの
ロゴマークのデザインも
平行してやってます。


さらに展覧会のコンサルティングやWEBサイトなんかもやってます。
とりあえず仕事はそんな感じで、勉強だって、ちゃんとやってます。

今月は「学会発表」をします。昨年のグレーバーの来日シンポジウムとか一昨年の
現代美術のシンポジウムとか、いわゆるシンポジウムでの発表は断続的にやって
きましたが、いわゆる「学会」での発表というのは、いち、にい、さん、しぃ、、、、、
ああ、ううう、、、、えぇっと、、その、あれだ、実に11年ぶりです。イルコモンズ
が発表するのは「宗教と社会」学会の「第15回学術大会」で、6月10日(日)の
テーマ・セッション「映像宗教学の射程」のいちばん最後に発表します。
mixiにだってちゃんと告知がでてますから、どうかご覧下さい。

で、いま、その発表のための映像編集と資料制作をしているところなのですが、
実はまだ完成してません。4日に滋賀でイルコモンズ・トラベリング・アカデミーが
あり、翌日は連載原稿の〆切なので、なかなか進みません。でも、まぁたぶん
間にあうでしょう。その発表の内容は当日のお楽しみですが、よくみたら参加費が
3,000円(当日受付は4,000円)もするらしいので、残念ながら、経済的に余裕の
ない方にはあまりおすすめできません。時間も最大25分と短いし、いずれにせよ
いずれイルコモンズ・アカデミーでやると思うので、どうぞそちらでお楽しみ下さい
(学術発表なのに、なぜ、お楽しみなのか?)。

最後にもうひとつ。以前告知した国立でのイルコモンズ・アカデミーの日程が
ほぼ決まりました。札幌でのトラベリング・アカデミーの前の週の7月14日(土)に
やります。今回はイルコモンズが文化人類学者になりそこねた一橋大学大学院
社会人類学研究室の主催で開催されます(もしかしたらオールナイトになるかも
しれません)。詳しい事が決まったら追ってまたお知らせします。それと美学校と
札幌でのアカデミーは予定通りで、まだ日程が決まってない下北沢の後は、
横浜でもやるかもしれません。

あと、最近、起こっているいろんな事件や出来事をみて、ちょっと思うところが
あり、まだ場所も主催もなんにも決まってませんが、「イルコモンズ・プライマル・
アカデミー」という実験的なアカデミーをやってみたいと思っています。これまで
のアカデミーではもっぱら、グローバリゼーションのさまざまな問題をとりあげ、
それについて考えるということをしてきましたが、このへんでいっぺん立ち止ま
って、「人間」という生き物や「人類」という存在について考える機会をもちたい
と思い、いまそういう映像を集めはじめたところです。その映像の中にはかなり
ショッキングなドキュメントやポルノグラフィー的なものも含まれてるので、
いつもとは違うかたちや場所での開催になるかもしれませんが、もしそういう
実験的なアカデミーにトライしてみたいという方がいらしたら、ぜひ立候補して
みてください。

ということで、以上、イルコモンズからのお知らせでした。
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by illcommonz | 2007-06-01 07:32
▼WIREDのビジョンはどちらを向いているか?
d0017381_4213177.gif雑誌「WIRED」が廃刊になり、つづいて
ネット版の「HOT WIRED JAPAN」の
サイトが去年閉鎖されたので、ときどき
「へぇ」とか「おっ」と思わせる海外からの
ニュースを日本語で配信してくれる
メディアがなくて、こまってたのですが、
その「HOT WIRED JAPAN」が新たに
「WIRED VISION」になって復活した
ようです。

でも、とりあえず、ざっとみたところ、
特に気になるニュースはなにもあり
ませんでした。


というか、今から8年前の1999年の冬、日本ではやたらと「2000年問題」ばかりが
報じられていた頃、「シアトルの騒乱」のニュースをいち早く配信し、それに対する
メディアの報道規制を指摘する記事を掲載してくれたのが「HOT WIRED」だった
ので、「WIRED VISION」にもそういうマスメディアが報じないニュースの配信を
期待しているのですが、はたしてどうか。今回のG8がどうなるか分かりませんが、
何かあったとき、どういうニュース配信をするかで、新しいWIRED のビジョンが
どこを向いているかが分かるような気がするので、そういう意味で、注目してます。

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[追想記]
下のニュースがそれです。イルコモンズのデータベースにあるURLを打ち込んだら、
「HOT WIRED JAPAN」のアーカイブに、まだちゃんとデータが残ってました。
「古いニュースなんて誰も読みたがらない」というMODSの歌もありますが、
22世紀の「そのとき、歴史は動いた」でとりあげられてもいいくらいのホットな
ニュースだったと思うし、ドイツのG8も迫っているので、ぜひこの機会に一読を。

▼「激しい抗議運動でWTO会議開会式が中止に」(1999年11月30日)
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/19991202205.html
▼「WTO会議の「外」を報道するジャーナリストたち」(1999年11月30日)
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/19991201203.html
▼「インターネットで活発化するWTO抗議活動」(1999年12月3日)
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/19991206205.html

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「このころのWIREDがよかった」とはいわないけど、でも「WIREDがあってくれて
よかった」とは思うし、少なくとも、これがイルコモンズのアンチ・グローバリズムの
「複数の原点」のひとつであることだけは確かです。

思えばこの頃は(そう、このコラムはいつもの「追記」ではなく、「追想記」なので、
以下はすべてイルコモンズの思い出話である)イルコモンズが文化人類学者に
なりそこね始めてまだ間もない頃で、ちょうど現代美術をはじめた時でもあって、
生活費を稼ぐためにインターネットのプロバイダーでアルバイトをしながら、
1日15時間ネットサーフィンをしてたので、お金はないけど、情報だけは
たくさんあるという、そんな時期でした(今でもそうだけど)。

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▼「ハイテクで「武装」する反グローバリズム活動家たち」
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20030903206.html

これは03年にカンクンでWTO会議が開かれたときに配信されたニュースで、
「インディ・メディア」が「独立メディアセンター」と訳されていたりもしますが、
「ザ・イエスメン」とか「フラッシュモブ」とか、後にイルコモンズアカデミーで
紹介するものの多くが実はここをソースにしていたという、うちあけ話です。

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あと、G8も近いので、次のニュースも転載しておきます。初期の頃のブログの
活用のされ方についての話としても、なかなか興味深いニュースです。

▼ウェブログ、G8サミット抗議デモを異なる視点で報道(2003年6月4日)
http://hotwired.goo.ne.jp/news/culture/story/20030606207.html

「ウェブログとデモ行動は、ある意味では相性がいい。ウェブログは、部分的には
ハイパーリンクで成り立っており、自分はより大きな集団の一部なのだという感覚
を強めてくれる。そしてデモも、連帯感に対する願望を実現する人間のハイパー
リンクで成り立っているのだ」とシャンボン氏は語った」(上記のニュースより)

これなんかは、去年のレバノン攻撃のときのマザン・カバジのウェブティファーダで、
ブログはデモだけでなく、個人的なレジスタンスとも相性がいいということが
実証されましたね。

ということで、思い出話はこれまで。それよりも、いまそこにあるG8の方が大切で、
ネットでつながった海の向こうから、ドイツでのG8会議の失敗と反対行動の成功を
心から期待してます。
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by illcommonz | 2007-06-01 04:43
▼デリスのD.I.Y.ジンとフューチャーアカデミー
今年の「文化人類学解放講座」では、「異文化誤解の映画史」をすっとばして、
「文化人類学者になりそこねた作家たち」による「オルタナティヴな人類学」とその
可能性についての話に時間を割きました。今年は「人類学者になりそこねた作家」
としてアーシュラ・K・ル=グウィンとこないだ死んだヴォネガットの紹介に多くの
時間を割いたために、残念ながら紹介しきれなかったけど、すごく気になってる
作家がいます。ジョゼフ・コスースやスーザン・ヒラー、ローター・バウムガルテン
など、文化人類学的な手法を使った作品づくりをする作家たちから影響をうけた
現代美術家で、80年代にロンドン大学のSOASで社会人類学を専攻し、博士号
を取得した後、また作家にもどって、いまは、キュレーターとしても活動している
クレメンティーヌ・デリスです。アフリカニストであったデリスは「AFRICA95」とか
こないだ森美術館に巡回してきた「アフリカリミックス」なんかにも関わってますが、
気になるのはそれではなく、ここ数年、デリスが自分の表現/評論活動のメディア
としてきた「メトロノーム」という自主制作雑誌と「フューチャーアカデミー」という
教育プロジェクトです。最初の頃の「メトロノーム」は、デリスが得意とするフランスの
シュールレアリズムと民族学との関係などについて論じた評論雑誌的なもので、
どこかバタイユの「ドキュマン」を意識した感じのものでしたが、今年の夏にドイツ
で開かれる「ドクメンタ」のためにつくられた号は、これまでとはうってかわって、
アクティヴィスト・ライクなファンジンのようなものに様変わりし、来たるべき世界で
生き延びてゆくためのさまざまなD.I.Y.の知識を、アフリカなどの暮しの知恵から
学ぶという、そういう形態と内容になっています。百聞は一見にしかず、それは
こういうものです。
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「フューチャー・アカデミー」の方もこれと同様、同時代の世界のさまざまな地域の
文化から「もうひとつの世界のライフスタイル」を模索する学習と教育実験の場と
して行われているようです。こうしたデリスの活動は、文化人類学者になりそこねた
アフリカニストで、いまはイルコモンズ・アカデミーを主な表現活動の場にしている
イルコモンズにはすごく気になる存在なので、来年の講義ではこのジンをとりあげ、
アートと人類学とアクティヴィスムと教育を連結させた、オルタナティブな人類学の
可能性について講義できたらと思っています。

[追記] ちなみに「メトロノーム」の次の号は日本をとりあげた、ものすごく分厚い
本になるらしく、日本での取扱店はナディッフなんだそうですが、表参道の店が
閉店してしまったので、どこにいけば手にはいるのでしょうね。もっともその号は
値段もずいぶん高そうで、イルコモンズのおこづかいでは買えそうにないですが。
ともあれ、こういう本が立ち読みできるナディッフがなくなってしまったのは残念です。
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by illcommonz | 2007-06-01 04:02
▼食の主権とデザインは誰のものか?
世界8大強権国(通称G8)の首脳たちと大企業が手を組んで、いま強行におしすすめようとしている「農業のグローバリゼーション」と「農産物の工業製品化」に対して抗議する、先の「呼びかけ文」のなかにもあったように、いま大勢の人たちが「決して手放してはならない」と必死で抵抗し、懸命に守ろうとしているのは「食の主権」です。つまりG8に反対する行動は、人間の「食」とその「文化」をめぐるたたかいだといえます。それで思い出した文があるので、ちょっと長くなりますが、引用してみることにします。

d0017381_2463825.jpgそれを書いたのは、今は亡きドイツのグラフィック・デザイナーのオトル・アイヒャーです(アイヒャーは有名なデザイナーなので、知らない人は自分でネットで調べてみて下さい)。ここに引用したのは、小田部麻利子さんの訳で、雑誌「アイデア」に掲載されたもののその一部を、例によってイルコモンズが勝手に抜粋し、勝手につなぎあわせたものです。

オリジナルのテキストでは、文の最初は「労働者たちのなかに」と書いてありましたが、読み進めてゆけば分かるように、この話は労働者に限った話ではなく、人間全体についての話なので、最初のところでつまずかないように、そこを「消費者たち」に変えて、僕らにもあてはまる話として読みはじめることができるように小細工しました。ほかにも、文の意味を損なわない程度に字句や言い回しを変えています。原題は「デザインとしての世界」ですが、翻訳本を出版するときなどによくやるように、議論の内容がわかる副題をつけました。「デザインとしての世界~料理・教育・デザイン」というのがそれです。

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オトル・アイヒャー「デザインとしての世界~料理・教育・デザイン」(1994年)

「消費者たちのなかに、自分自身の考えにしたがって生きようとする欲求が育ちはじめたり、彼らが自分自身のデザインをつくりだしたり、自分のアイデアにもとづいて仕事を実行したり、自分自身の思うところのしたがって何かをやりだせば、それはすなわち、世界の発展と存在のために必要なのだ、と教えこまれてきた権威の失墜ということになる。クリエイティブなアナーキーがむしろ待望されている文化的な領域がある。理性が情報を処理する器官で、身体の、つまりは脳の一部であるとするなら、食べることもまた文化的なひろがりをもった人間の領域とみなされていいはずだ。いまや、産業による私たちの「食」の単純化と経済による平準化の傾向に誰しも気づかないではいられない。しかし、それでもなお、飲食、収穫、調理の文化は、あの唯一の偉大なる真理とやらとは無関係に存続している、文化的領域である。世界全体がそれに関心をむけている。材料を刻み、煮炊きをし、味つけをして食することは、文化の大きな賜物である。私たちの人生の重要な瞬間も「食」と結びついている。人は対話を通じて、自らが主体的な存在であることを認識するのだが、そのための場を提供してくれるのが会食である。宗教的な儀式では特定のものを飲んだり食べたりする行為が、中心的な意味を持つ。食文化には無数の伝統とともに、無数の自発性がある。私たちは日々、何が食べたいとかと、どれがおいしいとか、こんなものをつくってみたいと考えながら「食」と密接に関わっている。そこには絶対的な権威など存在しない。なぜなら食に真理などないからだ。それでは、私たちの「食」はどうあるべきなのだろうか。それは人間性の問題であり、デザインの問題であり、まだ手探りの問題である。とはいえ、有効な真理が存在すると判断をくだせるような「食」の最高裁判所など存在しない。食文化の総体は、たとえてみればペストリーのように柔らかくふんわりしているので、最大多数の利益などという旗印のもとに生み出されたジャンクフードに抵抗し、食のモラルの発見にいたる可能性は依然として失われていない。食の真理は台所からうまれる。つまり食の真理は、実行から、なすことから、つくることから、実際の使用から、生まれるということだ。「食」という全人類に関わる文化で、主体的な独創性が発揮されるのはオーブンレンジにおいてであり、それ以外のところにはない。しかし、権威をあなどってはいけない。権威は「私たちに間違いはない」と宣言し、勅令を発し、権威を支持する人びとには称号や勲章まで授与する。権威は教科書を出版し、権威の存在が必要であることを、科学でも研究でも教義でも信仰でもなんでも使い、資金まで与えて証明してみせようとするだろう。しかし、料理の世界には教授も博士も受賞者もいない。もしいるとすれば、それはおそらく、この文化の終焉であろう。ある料理が他の料理より真実なことがあるだろうか。ある生命が他の生命よりも正当なことがあるだろうか。教育についても同じである。かつて人びとは、然るべき子供の養育の仕方を心得ていた。しかし今日はもはやそれが分からなくなった。しかし、そうなったのは私たちに適切な知識がないからではなく、教育というものが個人に応じたケースバイケースな事例だからで、私たちがみなひとりひとり異なり、それぞれ唯一無比な存在だからだ。デザインするということは、自分を生み出すことである。それをしない人びとは、文明社会における奴隷である。デザインのなかで人はあるべき姿を獲得する。動物にも言語や知覚はあるけれども、デザインする動物を私たちは知らない」。

d0017381_248715.jpg蛇足ながら、この最後の「デザイン」は、毎日のごはんや食事をデザインすることなども含めた広い意味でのデザインで、ボイスがいう「拡張されたアート」に通じるものです。あと、途中にでてくる教育の話は、あの「余計なお世話」でしかない「徳育」とか「親学」なんてものをおしつけたがっている「教育再生委員会」に読ませてやりたいものです。それはともかくも、デザインの世界には、ウィリアム・モリスなどを筆頭に、ジョナサン・バーンブロックやティボール・カルマン、ブルース・マウ、そして花森安治など、社会のあり方に強い関心を持ち、「デザインにできることは何か?」と常に考え、必要ならば平気で権威にたてつく反骨のデザイナーたちがいて、イルコモンズはそういうデザイナーたちが好きです。

[追記] アイヒャーの文を書きとっていたら、2000年にグラフィック・デザイナーたちが提出した共同声明「First Things First」を思い出したので、いずれ時間があったら、それも紹介します。
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by illcommonz | 2007-06-01 02:49