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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼[エジプト革命] 「怒りの金曜」のアクション・プラン
 
 朝になって日本のメディアがおずおずとエジプトのニュースを流しはじめる前に書いておくと、いまエジプトで起きていることは、一部の「反政府組織」や「反体制派」(日本のメディアはこういう場合やたらと「反」のしるしをつけたがる)の「暴動」や「騒乱」などではなく、エジプトの「民衆蜂起」であり、「市民革命」だということだ(昨夜のアルジャジーラは一貫して「革命」という表現を使っていた)。たとえば、今回の「怒りの金曜日」の前に、電子メールなどを通じてエジプト国内に頒布されていた「アクション・プラン」には、このアクションが「市民的不服従」であること、「ポジティヴなスローガンとことば」で住民によびかけること、民衆は警官と共に圧政に立ちむかうことなどが記されている。

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 ▼「Egyptian Activists' Action Plan: Translated」
(The Atlantic, Jan 27 2011)

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 さらにその同じパンフレットでは、フードつきのパーカーやガスマスク、花束、ゴム弾用のシールドの着用などが勧められている。これらはいずれもシアトル以後のオルター・グローバル・ムーヴメントのなかで培われ共有されてきた戦術だ。

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 おそらく、多くのメディアは今回の革命を、いま話題のFacebookなどのソーシャル・メディアと関連づけ、話をもっぱらそちらの方に誘導しようとするだろうが、そこで見落とされてならないのは、この革命が過去十数年間のオルター・グローバル・ムーヴメントとつながっていること、そしてなによりもこの革命が、いま世界中ではじまりつつある若者たちの反乱とも連動しているということである。

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 つまりこれは、中東という特殊な地域の、独裁体制下という特殊な政治状況ゆえに起きたことではなく、同じことは、いつどこで起きてもおかしくないし、むしろ起きないほうがおかしいくらいだということである(たとえば「親米政権」という点でいえば、日本の政府もそうだ)。当然、メディアはそこにはふれようとせず、話をソーシャル・メディアの方に強引に持ってゆくだろうから、そのあたりが、ある意味、みものである。

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 「なぜ武器を持たない民衆が「暴徒」と呼ばれ、武装した側は「治安維持」なのか?そこに悪意がないのだとすると、そもそも2011年現在の現実を知らないとしか言えない。複雑だけど生々しい世界のリアルをめんどうくさそうに「一部は暴徒化しました」と短絡しまうと、損するのは日本全体。」(モーリー・ロバートソン 2011年1月29日)

[参考]
「エジプト、デモ隊が当局と衝突 エルバラダイ氏を軟禁か」
 「エジプトで28日、ムバラク大統領の退陣を要求するデモが各地で発生した。デモは4日連続。全国で数万人が参加し、最大規模となったもよう。治安当局と各地で衝突。軍も出動した。AP通信によると、民主化を訴えているエルバラダイ国際原子力機関(IAEA)前事務局長は自宅軟禁されている。反体制派はインターネット上で「怒りの金曜日」と名付け、大規模デモを呼びかけていた。チュニジアの独裁政権がデモで崩壊したことに触発され、エジプトでも格差拡大や若年層の失業など長期政権への不満が噴出した。」(時事通信 2011年1月28日)

「エジプト:夜間外出禁止 エルバラダイ氏軟禁か」
 「ムバラク大統領の強権支配に反発する反政府デモや騒乱が続くエジプト各地で28日、イスラム教の金曜礼拝に合わせた数千~1万人規模のデモが発生した。25日に始まった反政府デモに伴う死者はこれで、治安部隊員2人を含め8人となった。AP通信によると、反政府デモは28日現在、エジプト28県のうち少なくとも11県に拡大した。イスラム社会では、金曜日にモスク(イスラム礼拝所)で集団礼拝が行われる。金曜だけは礼拝に集まることを禁じることはできない。そのうえデモを主導するグループ「4月6日運動」は、この日に合わせインターネット上で動員を図った。」(毎日新聞 2011年1月28日)

「エジプトデモ:金曜礼拝前に緊張 大量の治安部隊」
 「エジプト国民は政権崩壊を望んでいる」。反政府デモ2日目となった26日夜、首都カイロでは、数百人の若者の叫びが響いた。中心部に約1万人が集まった初日に比べ、大量の治安部隊投入もあり群衆の規模は縮小したが、大勢の人が集まるイスラム教金曜礼拝の28日を前に、各地で緊張が続いている。参加者には若者が目立つ。中高年の男女も多数加わっていたチュニジアとは明らかに違う。エジプトの騒乱が、国民各層を巻き込んだ大きなうねりになるかは未知数だ。」(毎日新聞 2011年1月28日)

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[追記] 一夜、空けて、マスコミの「反」のしるしのついた「騒乱」と「暴徒」のニュースが届く。

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(※上のニュース画像はクリックしても拡大しません)

「エジプト反体制デモ」
 「ムバラク大統領独裁政権の打倒を訴える大規模デモは4日目に入っても勢いが衰えず、イスラム教の金曜礼拝後、全土で数十万人に上る群衆がデモに参加した。英BBCなどによると、2011年1月28日、カイロにある大統領与党・国民民主党(NDP)の本部が炎上したほか、北部マンスーラでは約4万人がデモに参加し、NDPの事務所を襲撃。スエズでは、警察署が放火され、銃が略奪された。東部イスマイリアでもNDP事務所が破壊され、各地で騒乱状態に陥りつつある」(2011年1月28日 EPA時事)

「エジプトのデモ激化 全土で少なくとも27人死亡」
 「エジプトの大規模な反政府デモは28日夜(日本時間29日未明)に激しさを増し、参加者の一部が暴徒化して各地で放火や略奪を重ねた。デモ隊と警官隊の衝突は深夜も続き、AFP通信によると、北部スエズで13人、カイロで5人など全国で少なくとも27人が死亡、数百人が負傷した。陸軍は、治安回復のため特に混乱の激しいカイロとスエズ、北部アレクサンドリアの3都市に出動。ただ、29日未明も政府が前日に発令した夜間外出禁止令を無視して多数の市民が街頭に残っている。カイロの与党国民民主党(NDP)本部ビルは放火で炎上し、暴徒たちが次々と高級家具などを持ち出した。中東の衛星放送アルジャジーラによると、古代エジプトのツタンカーメン王の黄金のマスクで知られるカイロの考古学博物館も略奪の被害に遭っている。全国の警察施設数10カ所が放火され、カイロ北部では鉄道線路が持ち去られる盗難被害が相次いだ。」(2011年1月29日 中日新聞)

「外出禁止無視し投石 与党本部も放火・炎上 エジプト」
 「「辞めろ、辞めろ!」――。ムバラク大統領の退陣を求める大規模な反政府デモに揺れたエジプトの首都カイロでは、29日未明になってもシュプレヒコールがこだました。市民は夜間外出禁止令を公然と無視、街で怒りの声をあげ続けた。中東のテレビ局アルジャジーラの映像によると、29日未明のムバラク氏のテレビ演説が終わるやいなや、デモ参加者は軍のトラックに石などを投げつけた。一時は収まっていた催涙弾などの発砲音も、散発的に聞こえだした。朝日新聞中東アフリカ総局が入居するビルからカイロ市内を見渡すと、ナイル川の橋の上に、治安部隊の大型車両が30台ほど止まっていた。28日午後10時40分。その脇を、外出が禁じられているにもかかわらず、100人ほどが「政権を倒せ!」と叫びながら通り過ぎた。治安部隊は止めようとはしない。ムバラク大統領を支える与党・国民民主党(NDP)の本部も28日夜に放火された。アルジャジーラは、黒煙を上げて燃えさかる建物の様子を映し出した。一部のデモ参加者は建物の中に入り、机やいすなどを略奪していた。治安部隊の車両に投石したり、放火したりする人も。騒乱状態は夜遅くまで続いた。28日夜、機関銃を据え付けた軍の装甲車がカイロ市内に相次いで到着した。ハッチから身を出した兵士は、銃には手を触れず、小旗を両手に持って振り続ける。デモ参加者は万歳するなどして歓迎。軍が市民デモの側に立ち、ベンアリ長期政権を崩壊させたチュニジアと同じ展開を期待しているかのようだった。実際、国営テレビ局の警備にあたった兵士とデモ参加者が握手する映像がアルジャジーラに流れ、一時は軍の造反を思わせた。NDP本部や国営テレビ局の近くには、ツタンカーメンの黄金のマスクなどが展示されているエジプト考古学博物館がある。軍はその周辺にも展開し、警備にあたった。アルジャジーラによると、兵士に加わってデモ参加者も人の輪を作り、略奪を防いでいるという。一方、エジプト当局がデモ拡大を防ぐために行ったとみられるインターネットと携帯電話の遮断は、29日未明になっても続いている。」(朝日新聞 2011年1月29日)

 いま、ダボス会議に出席している政治家たちは内心あたふたしているだろう。ダボス会議が終わったら、今度は各国で「サーカスとパン」式に芸能スキャンダルのニュースがいっせいに流され、その影でソーシャルメディア規制の準備がはじめられるだろう。これが治世者とマスコミのアクション・プラン。こういうときはマーケッターの情勢分析の方がよっぽどあてになる。

▼「いま中東で起こっていることはベルリンの壁崩壊とおなじくらい重要
 「いま中東で起こっている一連の民衆蜂起はベルリンの壁崩壊とおなじくらいスケールの大きい歴史的な出来事で、最後にはサウジアラビアやアラブ首長国連合などを巻き込む大きな混乱に発展する可能性があります。中東諸国の多くは少数支配の非民主主義的な政体です。アメリカやイギリス政府はそれらの国々のリーダーがいかにリーダーとしてふさわしいか?という尺度で傀儡的な政府を置いたのではなく、石油の権益などに関して組みやすい相手かどうか?という尺度でリーダーを選びました。このため西側諸国が後押しする政府は必ずしも民主主義的ではないし、国民からの草の根の支持が無いのです。それらの政府はイスラエルやシーア派など仮想敵の存在を国民に常に思い出させることで抑圧された不満をそれらの紋切り型の憎悪の対象に向け、民心をまとめてきたのです。それらの国々ではユダヤ対アラブ、スンニ派対シーア派などという伝統的な対立の構図の中でおこる事件は日常茶飯事です。だから対応の仕方も慣れているし、「打たれ強い」です。チュニジア革命を発端とした今回の一連の事件の前に為政者が上手く立ち回れていないのは、今回の各地での蜂起が食品価格の値上がりやデモクラシーを求めての運動であり、これまでの切り口とはぜんぜん違うからに他なりません。さて、チュニジアやエジプトの政府も専制的ですが、その文脈で言えば圧倒的に専制的な政治をしている国はサウジアラビアであり、ここほど人権が軽視され、ジョージ・オーウェル的な恐怖政治がおこなわれている国は他にありません。しかもアメリカ政府はそういうサウジアラビア政府を後押ししているわけです。今回、騒動が起こったチュニジア、エジプト、イエメンは全てアメリカ政府に協力的な政府です。また騒動が起こる寸前になっているヨルダンもアメリカ政府と歴史的に近いです。つまりアメリカはデモクラシーという観点からは「間違った友好国」とばかり付き合っているわけで、このアメリカ外交の偽善ないしは矛盾が今回は大問題として噴出しているわけです。警察権力のひ弱なチュニジアはともかく、強権的な警察力を持つエジプトが簡単に崩れたことでサウジアラビアも安閑とはして居られなくなりました。ジャスミン革命の余波が拡大するのはこれからだと思います。」(「マーケットハック」2011年1月29日)

(おまけ)
下の若者の画像はクリックすると拡大します。

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by illcommonz | 2011-01-29 06:01
▼[エジプト革命] アルジャジーラLIVE中継中 カイロの紫の炎
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http://english.aljazeera.net/watch_now/

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by illcommonz | 2011-01-29 02:17
▼「愛と間違いに満ちた異形のポップ」


 この曲はまだほんの序の口。兇暴な浪漫と壊レきつタ構築美の、背筋が凍るポップミュージックは、アルバムのおしまいの方に待ちぶせている。特に「鏡の中の鏡の中の鏡」から「惨事の捧げもの」へのパートは圧巻の一言に尽きる。まさに極上のこわれもの。現実の世界の陰鬱さをはるかに凌ぐ、文字通り、耳を塞ぎたくなるような凄惨な音で、たまに耳を塞ぎ、神経を猛り狂わせてやらないと、いまの狂った世の中、とても生きのびてゆけない。くたばれ、J-POP、父兄参観日の作文みたいなPTA賛歌の唄などききたくない。狂気をもて、時代を撃ち砕く、気のふれたポップミュージックを我らに。

 「今作は特殊な作曲方法で制作が進められた、最初にAメロ/Bメロ/サビという一般的な形式の唄ものを作曲し、その後、ヴォーカル・パートを完全に消去し、残されたトラックに徹底的な破壊と構築、交配を繰り返し施し、練り作り上げられた、異様な緻密さの打ち込み、美しきストリングス、フリーキーなサックス、カラフルなギター、幾千幾万の音が渾然一体となり、鳴り響く、そこに現れるのは、破壊と構築、愛と間違いに満ち満ちた異形のポップミュージック・アルバム」(WEG「Seven Idiots」プレスリリースより)
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by illcommonz | 2011-01-28 07:55
▼夜盗政治
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「休眠口座の活用検討=菅首相」
 「菅直人首相は27日午後の衆院本会議で、金融機関で預金者の死亡などで長期の利用がない「休眠口座」について「(国が)活用できる道がないか、内閣、民主党として、あるいは他党の皆さんにも検討いただきたい」と述べた。新党日本の田中康夫代表への答弁。田中氏は「休眠口座の預貯金を金融機関から国家へと移譲する法改正を行い、それを元手に新しい公共施策を展開する英国を見習うべきだ」と提案。これに対し、首相は「そういう活用はあってもいい」としながらも、「金融機関の財務への影響など多くの論点があり、慎重な検討が必要だ」とも述べた。」(時事通信 2011年1月27日)

 この記事をよんで、思い出した文章がある。

 「文化財は大切にしなければならない。しかし、旅行の記念にと大事な文化財に彫刻刀とかで相愛傘などを彫ってしまう大馬鹿者がいる。そいつらは「バチ」というものを考えないのか。「バチ」が怖くないのか。バチといえば、近藤正彦の母親の遺骨を盗んだ犯人まだ捕まらないようだが、こいつが警察よりも何よりも怖れなければならないのは、「バチ」だろう。「バチ」をあなどると痛い目にあうと思う。」(ナンシー関「けしごむ歳時記」)

 ナンシー関が亡くなってから、もう何年も経つが、もし彼女がもっと長生きしてくれてたら、いまのこのどうしようもない政治について、いったい何と云っただろうかと思うようなことがほんとに多い。それはともかく、「貧すれば鈍する」とはまさにこのことで、このさい政府も内閣も与党も野党もみんなで墓場泥棒でもなんでもやって、全員そろってバチがあたればいいのだ。

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[追記] 金融機関と銀行にこの標識を。
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by illcommonz | 2011-01-28 06:13
▼日本症候群

▼イルコモンズ編「日本症候群」(0分56秒 2011年)

 「たとえば、日本は13年連続3万人の自殺者がいます。その前までは、日本は先進国の中でも自殺率が低い国として有名でした。「バカなことをすると一気に転げ落ちてしまうんだ」という真剣さに欠けている人たちが、今の日本を牛耳っているんです。先日、朝日新聞社から団塊の世代の方がインタビューに来た時に、彼らの世代の口癖を指摘しました。「このままでは日本が危ない」という話をすると必ず「そんなことでは日本は壊れない」という口癖です。しかし、日本はもうすでに壊れているんです。政界はもちろん、私も含めた官僚、財界そして知識人は「毎年3万人の自殺者の霊がとりついている」と思うぐらいの責任感をもって、もっと真剣に、国の行く末を考えないといけません。」(中野剛志「TPPはトロイの木馬」より)
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by illcommonz | 2011-01-28 02:50
▼ドロボウ防衛団
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「裁判中に工事、高江住民ら怒り」
 「那覇地裁では1月26日午前11時から、ヘリパッド建設に反対する高江区の住民2人が国に訴えられている裁判の口頭弁論が予定されていました。その前に開かれた集会には支援する人たちおよそ30人が高江区などから駆け付け、「国が住民を弾圧する行為は許さない」などと声をあげました。

 ところが、それとほぼ同じころ、反対住民の多くが出払っていた高江区のヘリパッド建設現場には、沖縄防衛局の職員や作業員などおよそ30人が到着。工事用道路の砂利の搬入などを始めました。現場にいた沖縄平和運動センターの山城博治事務局長は、「作業員・局職員で押しかけて、今、砂利袋を入れて、ブルで道を広げて、そこに砂利を敷いてユンボで手入れするという作業をしていますね。裁判所が勧告することを無視して工事の強行に入るということについての憤り、私たちは腹のそこから怒りをおぼえています」と批判しました。

 工事は現場に残っていた住民たちの抗議を受け、1時間あまりで終了したということですが、この一報が那覇で裁判を傍聴していた住民たちの耳に入ると法廷内が一時騒然となりました。裁判の終了後には、住民たちが国の担当者に対して抗議する場面も見られました。伊佐真次さんは「彼ら本当に人がいない隙を狙ってきて、ぱっと終わらしてさっと帰っていくというような方法がずっと続いています。本当にこういうやり方は許したらいかん」と怒りを表し、安次嶺現達さんは「裁判をしながら片方では工事を進めること自体が許せないと思いますけど。今すぐにでも飛んでいきたいですけども」と国の姿勢を批判しました。(琉球朝日放送 2011年1月26日)
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by illcommonz | 2011-01-27 19:36
▼ひとり、また、ひとり
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今朝より 山口県庁前

断食6日目の10代若者5名と座り込み中
県庁側は彼らの集めた723人の10代署名受け取らず
受け取る意味ないとの理由で
20都道府県からの友達から友達へと伝えあって集めた署名は
完全に無視された

僕は大阪から夜行バスで来た
早朝駅から歩いた
その先の粉雪の舞う県庁前の広い歩道に並んで座っている
多分体力衰え半ば横となった彼らの姿を見た時には
じんと胸にこみあげるものがあった

(今冬 一番の寒さ) とさっそく駆けつけたガードマンが
震えながら僕が敵対側でないことを確かめた

彼らと並んで座る
後ろには山口県庁と刻まれた横長の石碑、12階段建物の県庁ビル
コンクリートの底冷えにびびったら
女性二人車から降りる
ボンチヨと毛布持って来た
(トウィッターに老人一人来たとあったから)と

若者の一人が 僕の友人の息子だと挨拶にくる
確か赤ん坊の時に見たことがある
彼の姉とは一昨年夏京都北の原生林キャンプイン祭で会った
世代が繋がっている

隣の若者、世界で一番美味かった食事は何でした?と尋ねる
インドのモゴール料理と答えた
日本の味噌 醤油 漬物も 白米も一番
広東料理 フランス料理 オーストリア料理も
若者達 世界の料理を食べた気持だけでいっぱいになったとのこと

下の道から(ハッピーバースデートゥユー)の歌登って来る
7人ほどの映画カンタチモール巡回上映グループ
若者の一人きんちゃんの20歳誕生日

それから 山口県のNPOや個人
新聞記者三社から
旅の途中の家族まで30人ほど
(今日は多いなー) とのこと

若者達 6日間の断食に10キロ痩せたとのこと
10日間は続け それでも上関原発工事止めねば
更なる期間も考えるとのこと

僕は今夜彼らと一緒に泊まる
時々 寒さに寝込むのはリスクあり
明日朝の調子を見て明日のことを決める

(sonoda80さんの日記「サワさんハンストに合流」より)

.............................................................

 「このような若者たちの座り込みに県内外から支援の訪問が相次いでいる。この日は30名が来てくれたという。その中にこの日、千葉県からかけつけた澤村浩行さん(68)がハンガーストに参加していた。
 澤村さんは「次の世代がこれだけ表現し始めたところにジンと来た。ネットで見たのだが、おさまらず、年金生活で飽食しているのでなく時代的なことも感じたかった。つくった世代として学習しよう、体験が一番と今朝やって来た」と。
 彼は海外生活が30年で本も書いている人だった。彼は自身のブログに今日のことを記しているのでぜひ読んでほしい。

 澤村浩行さんのブログ http://sawamurahiroyuki.blog73.fc2.com/

 ハンガーストに参加している若者たちの横に座ったら、横に萩から来た農民が居た。じっとしておれなくてやってきたと言う。農家の生活も楽ではないというのに。
 応援に来ていた女性から温かい毛糸の手作り帽子を5人分プレゼントされていた。今日はきんちゃんの誕生日でもあった。
 座り込みの彼ら宛てに手紙が県の職員から手渡された。彼らは真剣に読んでいた。

 座り込みの彼ら宛ての手紙は彼らを勇気付けていた。彼ら宛ての手紙の宛先は

 〒753-8501
 山口県山口市滝町1-1 
 http://www.pref.yamaguchi.jp/

(脱原発の日 「若者たちのハンガーストに連帯を」より)

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「上関原発建設計画:反対の県外の若者5人、県庁前ハンスト6日目」
 「上関町の原発計画に反対する19、20歳の男性5人が、県庁前で抗議のハンガーストライキを始め、26日で6日目に入った。東京や大阪などいずれも県外に住んでいるが、「放射性廃棄物などの問題を背負っていくのは若い世代。山口だけの問題ではない」と座り込みを続けている。「上関原発に抗議する10代の会」のメンバーで、環境問題の会議などを通じて知り合った。ストライキを始めた21日には庁舎玄関内にプラカードを持ち込んだため、退去を求める県庁職員と押し問答した。しかしその後は庁舎外の通路に移動。県庁が開いている日中は座り込み、夜間は山口市内の支援者宅で過ごしている。水分以外は口にしていないという。5人は、県が出した原発予定地の埋め立て免許の取り消しなどを求めている。723人分の署名を二井関成知事に渡そうとしたが、「建設中止を求める署名は国や中国電力にまずは提出するべきだ」(商政課)として面会は断られた。メンバーの米原幹太さん(20)は「考えを知ってもらうにはこういう手段しかなかった。原発は国全体の問題。知事はもっと説明をしてほしい」と訴える。体重が10キロ減ったメンバーもいる。一方、二井知事は25日の記者会見で、5人の体調に心配しながら「いろいろな意見、表現方法はあるが、ルールは守っていただきたい」とあくまで退去を求めた。5人はブログなどで盛んに情報発信しており、県内外から激励する手紙やファクスも県庁あてに届き始めた。メンバーの1人は26日に20歳の誕生日を迎えたといい、宅配業者を通じてプレゼントも受け取った。ストライキは10日間の予定という。」(毎日新聞 2011年1月27日)

 6日目でやっと毎日新聞の地方版がとりあげた。

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 「ひとり、また、ひとり、ともはあつまるだろう。
 おおきくてをひろげて、こどもたちをいだきたまえ」
 「うまれくるこどもたちのために」より
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by illcommonz | 2011-01-27 02:04
▼[エジプト革命] 1分21秒


"In Egypt, thousands of protesters are gathering at demonstrations in Cairo, Alexandria, and many other cities, calling for an end to the 30-year rule of president Hosni Mubarak. The rallies had been promoted online by groups saying they speak for young Egyptians frustrated by the kind of poverty and oppression which triggered the overthrow of Tunisia's president. Egyptian blogger Hossam El Hamalawy said technology was important in facilitating "the domino effect" needed for demonstrations like this one to progress."

 たとえ、その国の政治のことや、ことばはわからなくても、人間なら、それがどういうことかはわかる。彼はがまんできなかったのだ。昨日とおなじ今日、今日とおなじ明日には、もうこりごりだったのだ。だから、もう逃げたり、あきらめたり、後もどりするのをやめたのだ。彼は、この国を、この社会を、この生活を、この人生を、いまここで、変えたかったのだ。

 この映像が、同じような思いを抱いている世界の多くの人の目にふれ、なにかが起きることを期待してる。

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[追記1] 映像のタイトルにある
من مظاهرات يوم الغضب - شاب مصري مقابل مدرعة
は「エジプト軍の装甲車に対する怒りのデモンストレーション」の意味

[追記2] このエントリーを書いた時点ではまだ300程度だった
プレビューの数が、いまみたら30,000以上になってた。

[追記3] 会話の翻訳 (YouTubeのコメントより)
 0:56 (man): Be careful, they (police) will throw bombs (tear gas?) for sure.
 1:17 (multiple): Real man, real men (repeated)
 1:17 (woman): Stay where you are.
 2:01 (man): the police is beating them up..

[追記4] 最初の映像はいまは削除されたが、下記で閲覧可能。
من مظاهرات يوم الغضب - شاب مصري مقابل مدرعة
Demonstrations on anger - Egyptian man versus armored. mp4
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by illcommonz | 2011-01-26 06:30
▼「生存確認お願いします」
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「全国から集まった10代を中心としたハンガーストライキ」
 「(2011年1月)21日13時から、山口県庁にてハンガーストライキを始めました。行っているのは、僕を含めて5人です。20歳が三人、19歳が二人とみんな若造です(笑)。
 僕らは「上関原子力発電所の工事一時停止と、埋め立て許可の再検討が行われるまで、一切食べません。」

 これを掲げます。

 原子力発電所が作られ、稼動する事によってうまれる放射性廃棄物や、海や大気中に蓄積されていく放射線を僕等の世代や、僕等の子供達に残して欲しくないという想いからこの行動を決起しました。放射性廃棄物は何千年もの間、放射能を出し続けますが、その処理方法はまだ確立されていません。そして、原子力発電所は40年ほどしか稼動出来ず、建物自体が放射性物質になっていくため、廃炉になった後の安全な解体方法も見つかっていません。
 そんな中、新たに山口県上関町で原子力発電所の建設計画が進んでいます。稼動する過程で出る放射性廃棄物の処理方法や、廃炉になった後の解体方法がないまま、新たに原子力発電所を作る事は問題をこれから生きる若い世代に先送りする行為です。
 僕達は、誰一人上関町の住民ではありません。しかし、原子力発電所の問題は、けして上関町だけの問題ではなく全国の問題です。
 少しでも、この事を多くの人に知ってもらい、そして山口県上関町田ノ浦の埋め立て許可を出した山口県知事に今上関で起きている事実と思いを伝えていきたいです。

 こちら、ブログです。http://blog.goo.ne.jp/newgenerations
 生存確認お願いします♪
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「男子5名がハンスト5日目!…とにかく死ぬな!生きろ!死なすな!県庁!県民!国民!ラブレター&カイロ&思いを送ろう!」(Twitterより)

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 「お腹が空いて辛いってより楽しみがなくて辛い(笑)」
(約11時間前 Twitter より)

 「残念なことに、山口県庁の共通の意志として、『県外の方は知事とはお会いできない』そうです。商政課の方がおっしゃったことは、県庁全体の言葉であり、知事の言葉と考えていいそうです☆まぁ、そんなことを越えていくために、ハンガーストライキをやっていますので(笑)♪」(2011年1月25日「5日目終了」より)

 ということで、「県外の方とはお会いできない」という知事への提言の仕方

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「おいでませ知事室へ・知事への提言」
 「山口県では、県民の皆様と共に、「住み良さ日本一の元気県づくり」に積極的に取り組んでいくため、県づくりに対するご意見・ご提言を募集しています。お寄せいただいたご意見・ご提言は、県庁内で事業化を検討し、今後の県政へ反映させるよう努めます。」

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[インターネット]
https://cgi01.pref.yamaguchi.lg.jp/gyosei/koho/chiji-teigen/3teigen.htm
※入力フォームのページが開きます(SSL)
[電話] 083-933-2570
[ファックス] 083-933-2599
[一般封書・はがき] 〒753-8501 山口市滝町1-1
山口県総合政策部広報広聴課内 中央県民相談室

応援シテル>若造たち

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[追記] 今週、東京ではこのトークがひらかれる。
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▼「原発どうする?「六ヶ所村核再処理場」が試運転中の今、もうやらかしてること」
[日時] 2011年1月28日(金) 19:00-22:00
[場所] 東京・高円寺 素人の乱12号店
[入場料] 600円(ドリンク別)
・永田文夫「六ヶ所村再処理場の汚染の現状。運動を通して」 
・鶴見済「自分にとっての自然界、人間界の経済、原発」
・松本哉「東海村臨界事故に出会った!」

 「危ないったらありゃしない!青森県の六ヶ所村核再処理工場は5年前から試運転中。早くも自然界の数十倍以上の放射能が井戸水等から検出されているという!そこで!岩手で反対運動を繰り広げてきた永田文夫さんに、その事実をお話しいただくとともに、反対運動をどうやってこられたか?をうかがいます。また、今までずっと原発問題に関心を持ってこられた鶴見済さん、松本哉さんの、実感に満ちたお話も。これはめったにないチャンス!」

 去年の大晦日に松本くんから聞いた、東海村でのあの話を、「楽しみがなくて辛い」という若造たちにぜひ届けたい。
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by illcommonz | 2011-01-26 03:30
▼「横浜トリエンナーレに出たい」
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 「次の横浜トリエンナ-レに出たい」という、この落書きは、今から一年前、「ヨコハマ国際映像祭2009」「アクティヴィズム3.0」展をやった時につくって会場に展示したもの。「もっと広いところで展示したい、もっと人がたくさん来るところで展示したい、まだやりたいことがたくさんある、もっとやらせろ、もっとやりたい」という「いるといらとそのなかまたち」の共同声明。「え?これだけ好き放題やってるのに、まだ足りないの?」と呆れられたおぼえもあるが、アクティヴィストなのだから仕方がない。「アクティヴでないアクティヴィスト」というのは言葉の矛盾である。それはともかく、当時はまだトリエンナーレのディレクターもテーマもなにも決まってなかったが、下のステートメントをみたら、ほんとに出てみたくなった。

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▼「横浜トリエンナーレ2011 アーティスティック・ディレクター・ステートメント:
 世界をどこまで知ることが出来るか」

 「21世紀初頭の現在、科学技術は高度に発達し、インターネット等のメディアによって世界は隅々まで明らかにされたかに思えます。しかし、我々の身の回りには、まだまだ科学や理性では説明できない世界の不思議が多く存在しています。次回の「横浜トリエンナーレ2011」は、「われわれは、世界をどこまで知ることが出来るのか」という問いのもと、世界や日常の不思議、魔法のような力、さらには超自然現象や神話、伝説、アニミズム等に言及した作品に注目したいと思います。この方向性は、決して科学の限界を問うものでも、また神秘主義を讃えたり、単にアートの娯楽性のみを追求するものでもありません。それよりも、こうした科学では解き明かせない領域に改めて眼を向けることで、これまで周辺と捉えられていた、あるいは忘れ去られていた価値観や、人と自然の関係について考えるとともに、より柔軟で開かれた世界との関わり方や、物事・歴史の異なる見方を示唆しようとするものです。なお、まだ準備の初期段階のため、タイトルを含め具体的な企画内容については、今後の発表となりますが、この第4回トリエンナーレより、横浜美術館をメイン会場として新たな第一歩を踏み出すことになったことを受けて、本展では必ずしも国内外の現代アーティストの新作ばかりに拘るのではなく、美術館だからこそ可能な古今東西の歴史的作品や横浜美術館の所蔵品も一部展示の中に含みたいと考えます。さらには、フォークロア等通常の美術の枠には入りにくい作品も含み、時代、文化背景の異なる作品が対峙、対話することで新たな解釈が生まれたり、分類やカテゴリーにとらわれない自由な鑑賞の旅を創出します。また、展示作品には、宝探しのような楽しさに満ちた作品や、奇想天外でユーモアに富んだ作品も含まれ、子供のような純粋な好奇心、そして感動や驚きを喚起します。このように、知らない世界の探求、新しい知識の航海への船出ともいえるような本展が、停滞感が強く先行きの見えない現代に対してなんらかのメッセージを持ち、また世界中で国際展が氾濫し、その存在の明確化が求められるなか、世界に初めて開かれた港である横浜に適した国際展のかたち、そのアイデンティティーの模索に繋がれば幸いです。」(横浜トリエンナーレ2011 アーティスティック・ディレクター 三木あき子)
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 まず「われわれは、世界をどこまで知ることが出来るのか」という問いがいい。去年のウィキリークスの一件で、この問いはにわかにアクチュアリティを持ったと思う。ウィリキークスは「私たちの知らないところで、ろくでもない連中が、こそこそと世界を動かしている」ということを再認識させてくれた。「インターネット等のメディアによって世界は隅々まで明らかにされた」かのように思える、「21世紀初頭の現在」を生きる私たちは、「われわれは、世界をどこまで知ることが出来ているのか」という問題意識を持たなければならないし、それだけでなく、自分たちひとりひとりが世界をリークしてゆく存在にならなければならないと思っている。その手段はブログでもグラフィティでもYouTubeでもなんでもいいが、現代美術の展示もその有効なメディアになると思うし、そもそもメディア・アクティヴィズムはそのためにある。


▼ウィキリークスがリークしてくれたことを3分間でみてみる

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▼TEDトーク「ジュリアン・アサンジ なぜ世界にウィキリークスが必要なのか」
(2010年 19分34秒 日本語字幕つき)

 次に、なりそこねとはいえ、文化人類学者なので、「知らない世界の探求」や「フォークロアなど通常の美術の枠には入りにくい」ものには人一倍関心がある(というか、それにしか関心がない)。そもそも「これまで周辺と捉えられていた、あるいは忘れ去られていた価値観や、人と自然の関係について考えるとともに、より柔軟で開かれた世界との関わり方や、物事・歴史の異なる見方」というオルタナティヴを提示するのが文化人類学の役目であり、この6年間、「文化人類学解放講座」やってきたのも、それである(というか、それしかやってない)。
 現代美術もその原点に立ちかえれば、同様の性格をもっている。もともと現代美術は、近代以後の世界の(つまらない)常識や(たいくつな)現実、(おしつけられた)道徳や(せまくるしい)定義、(つまらない)美意識や(けちくさい)価値観をひっかきまわし、相対化し、ジャミングし、脱構築するオルタナティヴを提示してみせるものだった(はずだ、現代美術はサーカスではないし、ましてや投資の対象などではない)。たとえそれが、どんなにばかげたものでも、どんなにこどもじみたものでも、それを堂々とやれるのが現代美術の強みである。だからこそ、文化人類学から現代美術に転向しても何の違和感も感じなかったし、「方法は違うがやってることは同じだな」と思ったのを覚えてる。そして、それは現代のアクティヴィズムについてもいえる。
 現代美術家を廃業してから、この数年ずっとフォローしてきたオルターグローバリゼージョン・ムーヴメントは、「もうひとつの世界は可能だ!」というスローガンの通り、資本主義の世界で周辺に追いやられてきた価値観や生きかたを反乱を通じてとりもどそうとするものだった。そのムーヴメントからは、それまでの社会運動にはなかったオルタナティヴな戦術や反撃のアート(技法)が生まれた。たとえば、リクレイム・ザ・ストリート、インディ・メディア、クリティカルマス、クラウンアーミー、ゲリラ・ガーデニング、モバイル・クラビング、ウィールマート、ゴースト・バイク、バイ・ナッシング・デー、などなどである(もちろん素人の乱とA.P.P.D.も忘れてはいけない)。

▼リクレイム・ザ・ストリート


▼クラウンアーミー


▼素人の乱「3人デモ」


▼A.P.P.D.


 これらは今も持続的に行われているが、2008年のリーマンショックで資本主義の自滅を見届けてから以後のアクティヴィズムは、「もうひとつの可能な世界」というヴィジョンを、スローガンとしてだけでなく、具体的な「ライフスタイル」として、自分たちの日々の生活の中で実践し、たのしむ季節に入ったように思う。ここ数年の「クラフティヴィズム(クラフト+アクティヴィズム)」のムーヴメントにそれがうかがえる。アクティヴィズムの世界は、ジェームズ・クンストラーが小説「手づくりの世界」で描いた未来に近づいてきている。そこでは、ニッタプリーズのようなアフィニティーズや、バイクブロックのような戦術、インプローヴ・エヴリウェアのようなプランク・コレクティヴ、ホワット・チア・ブリゲードのようなラディカル・マーチングバンドの活動がますます活発に、かつ快活になってきている。

▼バイクブロック


▼ニッタプリーズ


▼ミシシッピ・ジャンクボート


▼キューブリッジのエコビレッジ


 「この優しくて悲しい小説(ジェームズ・クンストラー「手づくりの世界」)の世界で、アメリカ合衆国(そして同時に世界全体)の人口が、エネルギー不足、飢餓、疫病、テロ、地球温暖化によって減少している。物語の時代は未来というだけで特定はされてない。話は元・ソフトウェア会社の重役であったロバート・アールの語りで進行する。彼は現在、ニューヨーク北部で伝統的な工具を使う大工として生活している。電気は数週間に一度、数分だけ届く程度だ。そのときラジオから聞こえるのは、ヒステリックな宗教論議だけ。世界の状況がどうなっているかは、あいまいな噂としてしか伝わってこない。しかし無法状態の厳しい生活は、悪いことばかりではない。地元のコミュニティの活動が活発で生産的だ。近所の人たちはみな顔見知りで、助け合って生きている。自分で育てた作物や手作りした日用品を物々交換して必要なものを手に入れている。バターたっぷりのコーンブレッド、卵、チキン、ステーキ、野菜、魚など。食糧は豊富で美味だ。みんなはよく集まって音楽を奏でる。リビングルームでテレビをみることもないから、外にでてライブ演奏をたのしむのだ。」(マーク・フロウエンフェルダー「未来では、物事は基本に返る」)

▼インプローヴ・エヴリウェア「フードコート・ミュージカル」


 「人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣りに、ちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は、人の世よりもなお住みにくかろう。越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容(くつろげ)て、束の間の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降る。あらゆる芸術の士は、人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。」(夏目漱石)

▼ホワット・チア・ブリゲード ホンク・フェスティヴァル


 「現在の芸術は、資本主義社会の中で貨幣によって乱用され、多くの若い人々に誘惑的に働いています。私から忠告させてもらえば、現在の体制を変えなければならないということです。そのためにわれわれは、お互いに結びつき、連帯しなければなりません。そのために多くの人々、多くのグループを集めなければなりません。そして今とは違ったことをしなければなりません。ただ選挙によって何らかの政党を選び、それによって現在の体制を結果的に擁護するというようなことでは駄目なのです。逆にまったく直接的で民主主義的な工作をしなければなりません。」(ヨーゼフ・ボイス)

▼ループ・タガー


 「戦略的軽薄主義」や「カルチャージャミング」の流れをくむ、こうした「たのしいアクティヴィズム」は、アート作品(たとえば、クリストのランド・アートとかティンゲリーのジャンク・アートなんか)よりもずっと親しみやすく、NPO系のアート・プロジェクトのように優等生的でないところがよい。それはまさに「子供のような純粋な好奇心、そして感動や驚きを喚起する」アクションであり、「奇想天外なユーモア」にあふれたムーヴメントだと思う。ただ残念なのは、世界にはこんなにおもしろいものがあるのに、それを伝えるメディアがないせいで、こうした文化が「現代の知られざる異文化」(秘境?)になってしまっていることだ(マスメディアの報道ではアナーキストはまるで「21世紀の野蛮人」あつかいである)。だからこそ「異文化理解」「他者理解」ということで「文化人類学解放講座」「イルコモンズアカデミー」でそれを対抗的に紹介してきたわけで、二年前の「イルコモンズ・インフォショップ」や去年の「アクティヴィズム3.0」はそうした講義を展示に置き換えたものだった。。
 もしトリエンナーレに出れるなら、「アクティヴィズム3.0.1」というタイトルで、そのつづきをやってみたい。特に展示したいと思うのは、将来の不安を人質にとるようなやり方で政府がおしつけようとしている「新成長戦略」とか「経済発展」とか、そんなものをあてにしなくても生きてゆけるアウトノミア的なライフスタイルの提示だ。具体的には、「トランスフォーメーション」展のアーカイヴを一緒につくったR.L.A.T.チームで「もうひとつの可能な世界」を知るためのアーカイヴ+ヴィデオライブラリー+ミュージアムをつくり、NYで参加した「サインズ・オブ・チェンジ」展のように、いるといらとそのなかまたちで「もうひとつの可能な人生」を存分にたのしむためのワークシェアリングやカウンター・アクションをやってみたい。
 ほかに「アクティヴィズム3.0」で展示したものをさらに改造したもの(たとえば、バイ・ナッシング・マシン)や、展示に間に合わなかったもの(たとえば「オルタナティヴ人生ゲーム」)、新たにつくったもの(たとえば「デモ用のサウンドシステム」や「セミトール・ドラムバイク」)なども展示してみたいものだ。と、こんなふうに実現したいことがあるときは、それを先取りして示すのが、今日のアクティヴィズムの「予示的政治」なので、トリエンナーレに出るあてはまったくないのだが、勝手に予告編をつくってみた。展示のテーマは「メディア+アート+アクティヴィズムで、もうひとつの可能な世界はどこまで知ることが出来るか」である。


▼「アクティヴィズム3.0.1展」PV (横浜トリエンナーレ2011 非公式予告篇)
[出演] フランコ・ベラルディ [撮影・編集] 久保田美生 [再編集] イルコモンズ

 考えてみれば、現代美術家を廃業するきっかけになったのは、10年前の横浜トリエンナーレだった。あのとき9/11の事件が起きたせいで、つくろうと計画していたものは最後までつくることができず、その一年後に「現代美術家廃業宣言」をしたため(「去年、トリエンナーレで」展参照)、それ以来、いわゆるアート的な表現活動から距離を置いてきたが、そろそろ封印を解いてもいい頃かもしれない。トリエンナーレのために用意した2トンの資材のほとんどが今も手つかずのまま家に残っているし、廃業以後につくったものがそれと同じくらいある。それを一度どこか陽のあたる場所に出さないと、次に進めない(引越しも廃棄もできない)ので、横浜トリエンナーレでなくてもいいので、今年はどこかで展示をしたいものだ。そんな気分になったのは、正月にひいたこのおみくじのせいかもしれない。

「苦労、難儀は今日まで、これからは行く先々に好運あるも、つかみそこねないようにせよ」

 とはいえ、予告編をつくってYouTubeにアップしたのはもう2ヶ月も前のことで、その後、クラウンアーミーや社会鍋やデモやらなんやらで、予告編をつくったことなどすっかり忘れてしまってたくらいなので、あまりあてにはならない展望なのだが、もしほんとにチャンスがあれば、トリエンナーレにもう一度出直して、「give piece a chance」の展示をやりなおしたいと思っている。ただし今度はひとりではなく、仲間たちと一緒に。

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[追記] まだ先の話ですが、春と夏にこういうレクチャーをやります。

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▼「たのしいアクティヴィズム①:反撃の作法篇」
[日時] 2011年5月21日(土) 120分
[場所] 東京・PARC自由学校
[講師] イルコモンズ
▼「たのしいアクティヴィズム②:未来の政治篇」
[日時] 2011年7月30日(土)360分
[場所] 東京・PARC自由学校
[講師] イルコモンズ

この講義をそのまま展示に置き換えることができたら勿怪の幸い。

[参考文献]
▼イルコモンズ「〈帝国〉のアートと新たな反資本主義の表現者たち」(2008年)※全文
http://d.hatena.ne.jp/araiken/20100603/1275529772
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by illcommonz | 2011-01-24 20:36