
「このフェスティバルに関係している人も、関係のない人も、フェスティバルとはいったい誰のものなのか?アートは誰のためのものなのか?他人に作品を見せるということはどういうことなのか?といった問題を自分の問題として考え続けて欲しいと思います。」
(藤幡正樹「ディスカッションの場」2009年)
国際映像祭でもストリートでもYouTubeでも大学の教室でも、人前で何かを表現するときは、いつもそのことばかり考えてます。「まつりとはどういうことなのか?」「ジャンル=分業とはどういうことなのか?」「しあわせとはどういうことなのか?」「人間全体の運命を考えるとはどういうことなのか?」「生きるとはどういうことなのか?」「壁に絵を描くとはどういうことなのか?」「人に絵をみてもらうとはどういうことなのか?」そして「芸術とはどういうことなのか?」。こうした問いに対する、ただひとつのこたえではありませんが、この問いにまとめてこたえたいと思います。それは自分で考えたオリジナルのこたえではなく、コピーのこたえですが、「オリジナル/コピー」というジャンルを超えたところに開けるのが「コモンズ」だと思うので、それをお伝えします。とはいえ、いつも展示の場やディスカッションの場にいられないので、そのこたえを、いつでも・何度でもくりかえし、多くの人たちに、お伝えし続けられるように、録音された音声を、いるといらとそのなかまたちの「アクティヴィズム3.0」展会場に設置したメガホン・スピーカーでアナウンスし続けることにします。「アクティヴィズム3.0」の時代の「ストリート」では、「大企業の広告」や「警察署からのお知らせ」などではなく、「人間ってなんだっけ?」「芸術ってなんだっけ?」ということを、歩きながら(またときどき立ち止まって)考えることのできる話や音楽が流れていてほしいと思うので、それを先取りするかたちで、そうすることにしました。
以上、廃業作家のいる(イルコモンズ)からのおしらせでした。