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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼「規制を規制するキャンペーン」(喫煙マナー篇)
▼「規制を規制するキャンペーン」(喫煙マナー篇)_d0017381_433989.jpg※画像をクリックすると拡大します。
「規制を規制するキャンペーン」(喫煙マナー篇)

 タバコの火によるこどものヤケド事故を防がなければならないことはもちろん云うまでもないが、タバコを持つ手の高さがこどもの顔と同じ高さに「なる」(いつも同じ高さ「である」わけではない)ことと、ヤケド事故とのあいだの関係は「因果関係」ではない。仮に因果性が認められるとしても、それは「機械的因果律」ではなく、「構造的因果律」の関係であって、そこにある関係はむしろ「相関関係」のそれだと思う(この理解がまちがってたら指摘してください)。JTが制作したこのキャンペーン・ポスターは、タバコを持つ手の高さとこどもの顔の高さが同じになるという科学的事実にもとづく一種の「サイエンス・フィクション」(あるいは太宰治がいう「科学の嘘、統計の嘘、数学の嘘」)のように思えたので、この「SFヴァージョン」と「ナンセンス・ヴァージョン」をつくってみた。たばこを吸うときは、こどもはもちろんのこと、異星人やおかめの顔にも気をつけたいものである。

[参考1]
JT「マナーの気づき篇」
http://www.jti.co.jp/sstyle/manners/ad/gallery/index.html

[参考2]
「自分は世の中に対して、次第に用心しなくなりました。世の中というところは、そんなに、おそろしいところでは無い、と思うようになりました。つまり、これまでの自分の恐怖感は、春の風には百日咳の黴菌が何十万、銭湯には、目のつぶれる黴菌が何十万、床屋には禿頭病の黴菌が何十万、省線の吊皮には疥癬の虫がうようよ、または、おさしみ、牛豚肉の生焼けには、さなだ虫の幼虫やら、ジストマやら、何やらの卵などが必ずひそんでいて、また、はだしで歩くと足の裏からガラスの小さい破片がはいって、その破片が体内を駈けめぐり眼玉を突いて失明させる事もあるとかいう謂わば「科学の迷信」におびやかされていたようなものなのでした。それは、たしかに何十万もの黴菌の浮び泳ぎうごめいているのは、「科学的」にも、正確な事でしょう。と同時に、その存在を完全に黙殺さえすれば、それは自分とみじんのつながりも無くなってたちまち消え失せる「科学の幽霊」に過ぎないのだという事をも、自分は知るようになったのです。お弁当箱に食べ残しのごはん三粒、千万人が一日に三粒ずつ食べ残しても既にそれは、米何俵をむだに捨てた事になる、とか、或いは、一日に鼻紙一枚の節約を千万人が行うならば、どれだけのパルプが浮くか、などという「科学的統計」に、自分は、どれだけおびやかされ、ごはんを一粒でも食べ残す度毎に、また鼻をかむ度毎に、山ほどの米、山ほどのパルプを空費するような錯覚に悩み、自分がいま重大な罪を犯しているみたいな暗い気持になったものですが、しかし、それこそ「科学の嘘」「統計の嘘」「数学の嘘」で、三粒のごはんは集められるものでなく、掛算割算の応用問題としても、まことに原始的で低能なテーマで、電気のついてない暗いお便所の、あの穴に人は何度にいちど片脚を踏みはずして落下させるか、または、省線電車の出入口と、プラットホームの縁とのあの隙間に、乗客の何人中の何人が足を落とし込むか、そんなプロバビリティを計算するのと同じ程度にばからしく、それは如何にも有り得る事のようでもありながら、お便所の穴をまたぎそこねて怪我をしたという例は、少しも聞かないし、そんな仮説を「科学的事実」として教え込まれ、それを全く現実として受取り、恐怖していた昨日までの自分をいとおしく思い、笑いたく思ったくらいに、自分は、世の中というものの実体を少しずつ知って来たというわけなのでした。」(太宰治「人間失格」より)

▼「規制を規制するキャンペーン」(喫煙マナー篇)_d0017381_4341744.jpg
[設置場所]
東京都・渋谷区
「宮下記念公園」
「千葉 柏市すべての公園禁煙へ」
「千葉県柏市は他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」を減らそうと、市内の公園や公共施設の周辺の敷地の中をすべて禁煙とすることになりました。受動喫煙をめぐっては厚生労働省が、ことし2月、屋外の公園や通学路などでも子どもがたばこの煙を吸わない対策を取るよう呼びかける内容の通知を出しています。柏市は独自に対策を検討した結果、市内の450の公園すべてを禁煙とするほか、市役所やスポーツ施設などおよそ140の公共施設の周辺の敷地についても禁煙とすることを決めました。柏市では、すでに公共施設の建物の中を禁煙にしていますが、屋外にある喫煙用のスペースの近くを通った市民から、たばこのにおいがきついとか、子どもへの影響が心配だといった声が寄せられていたということです。柏市は公共施設の周辺や公園などの禁煙措置を今月31日の世界禁煙デー以降、実施することにしています。受動喫煙の被害に詳しい産業医科大学の大和浩教授は「屋外でも風向きによっては30メートル先で受動喫煙の被害が出るおそれがある。子どもがいる公園や通学路での禁煙は、ほかの自治体も検討すべきだ」と話しています。」(2010年5月14日 NHKニュース)
by illcommonz | 2010-05-14 04:35
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