
一年のうち何日間かでも、
自分のあたまとからだをフルに使って何かしないと、ほんとうに生きてる、という実感がわいてこない。特に、いまのこの時期、そんなふうに思うのは、世の中の目と関心が、(自分が出場しているわけでもない)男子サッカー世界大会のテレビ放映とか、(自分がつくったわけでもない)新発売の電気製品のスペクタクルに奪われてしまっているようにみえるからかもしれない。
「現代のスペクタクルは、ドゥボールたちが想像していたよりもはるかに、人びとの生き方を受け身にし、分離を大きくしている。より強大なスペクタクルが、私たちの精神の奴隷状態の上に君臨している。スペクタクルは、社会をコントロールする道具で、無限の選択という幻想を提供するが、実際にはあらかじめ選択されたものしか選べない。アドベンチャー映画、自然環境番組、セレヴたちのロマンス、政治的スキャンダル、スポーツ、ネットサーフィンなどなど。人びとは自分の余暇をプログラムされた娯楽によって食い荒らされるがままで、自分のたのしみをもはやコントロールできていない。」(カレ・ラスン)

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