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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼アイム・イン・ヘヴン~ニッポンをみなおす旅
▼アイム・イン・ヘヴン~ニッポンをみなおす旅_d0017381_4174324.jpg
「僕はジャーナリストだ。アーティストじゃない。ジャーナリストの仕事とは、最前線にいつづけることだ。そして戦争の最前線が大統領執務室ではなく泥にまみれた大地にあるように、アートの最前線は美術館や美術大学ではなく、天才とクズと、真実とハッタリがからみあうストリートにある。ほんとうに新しいなにかに出会ったとき、人はすぐさまそれを美しいとか、優れているとか評価できはしない。最高なのか最低なのか判断できないけれど、こころの内側を逆撫でされたような、いても立ってもいられない気持ちにさせられる、なにか。評論家が司令部で戦況を読み解く人間だとしたら、ジャーナリストは泥まみれになりながら、そんな「わけがわからないけど気になってしょうがないもの」に突っ込んでいく一兵卒なのだろう。戦場で兵士が命を落とすように、そこでは勘違いしたジャーナリストが仕事生命を危険にさらす。でも解釈を許さない生のリアリティは、最前線にしかありえない。そして日本の最前線=ストリートはつねに発情しているのだし、発情する日本のストリートは「わけがわからないけど気になってしょうがないもの」だらけだ。この展覧会の主役は彼ら、名もないストリートの作り手たちだ。文化的なメディアからはいっさい黙殺されつづけてきた、路傍の天才たちだ。自分たちはアートを作ってるなんて、まったく思ってない彼らのクリエイティヴィティの純度が、いまや美術館を飾るアーティストの「作品」よりもはるかに、僕らの眼とこころに突き刺さってくるのは、どういうことなのだろう。アートじゃないはずのものが、はるかにアーティスティックに見えてしまうのは、なぜなんだろう。僕の写真、僕の本はそんな彼らを記録し、後の世に伝える道具に過ぎない。これからお目にかける写真がどう撮られたかではなく、なにが写っているかを見ていただけたら幸いである。」(都築響一「僕はジャーナリストだ。アーティストじゃない」)

▼アイム・イン・ヘヴン~ニッポンをみなおす旅_d0017381_485385.jpg
「HEAVEN 都築響一と巡る社会の窓から見たニッポン」
[日時] 2010年5月22日(土)~7月19日(月・祝) 10:00-17:00
[場所] 広島市現代美術館

 「この展覧会は僕がいままで20年あまりにわたって、手を替え品を替え取材してきたニッポンという国を包括的に見直す、はじめての企画です。」(都築響一)

 「都築が注目してきたものは、無名の人々の手によるデザインや文学、さらに近年はスナックやカラオケ映像といった、それまで光が当てられることのなかった、人々のリアルな生活様式や創作活動です。それらは、私たちの身近な所に存在し、実は個性豊かで独創性に富んだものでありながらも、多くの人が見落としてしまっている事物といえます。それらを取り上げ、提示することで、マスメディアやさまざまな分野の専門家が発する情報からは見えてこない、現代社会の様を描き出しているのです。本展は、都築がこれまでに展開してきた活動を包括的に紹介する初の本格的な個展であり、彼が日本各地で取材し、撮影した写真と、映像、それらの対象について語る言葉、さらには対象の実物などにより構成されます。広範にわたる関心領域がダイナミックに交錯する、めくるめく都築ワールドを是非、ご堪能ください。」

▼都築響一による「展覧会解説ブログ・サイト」
http://hiroshimaheaven.blogspot.com/
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 日曜の夜の夜行バスに乗って広島まで「HEAVEN」展の最終日をみにいくことにした。いろんな意味で今もっともうんざりさせられている「ニッポンをみなおし」にゆく冥土への旅。地獄に仏とは都築響一のことなり。「〈帝国〉のアート」から遠く離れて、日本列島の津々浦々に自生する路傍の天才たちの無謀な情熱の極楽温泉めぐり。この旅の果てにはきっと、こんな鼻唄を歌いながら帰ってこれるだろう。アイム・イン・ヘヴン、さあ、ネットの外にでて、ほおを寄せて踊ろう。幸はストリートにあり。

  Fred Astaire "Dancing Cheek to Cheek"

 Heaven... I'm in heaven
 And my heart beats so that I can hardly speak.
 And I seem to find the happiness I seek,
 When we're out together dancing cheek to cheek

▼アイム・イン・ヘヴン~ニッポンをみなおす旅_d0017381_4133580.jpg
 「こういう場違いなエネルギーというか、周囲から爪弾きにされた情熱というのが、僕はいちばん好きだ。宮沢賢治は「誉められもせず、苦にもされ」ない人になりたいと言ったが、誉められないどころか苦にばかりされながら、自分だけに見えている「オレサマ道」をひた走って後ろを振り返らない、こういう人たちに出会えるからこそ、このどうしようもなくクズな世の中を、なんとか生き延びてみようかという気持ちに僕はなれる」(都築響一「地球のはぐれ方」)
by illcommonz | 2010-07-17 04:14
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