▼谷山恭子「雨の路地」(
瀬戸内国際芸術祭2010)
このインスタレーションをみて、チャペックの文章を思い出した。
「われわれは誰でも、その体内に、いくらか農民の血が流れているようだ。日が一週間も照りつけると、心配そうに空を眺めはじめ、顔をあわすと、お互いに言い合う。「そろそろ雨が降ってもいいころですね」。だが、そのうちに、地平線上にふたたび雷がとどろいて、湿っぽい風が吹きつけてくると、ようやくやってくる。恵みの雨、ひんやりした水の与える快楽、わが魂に水をあびせよ、わが心を洗え、きらめて冷たき露よ、もはや私は暑さのために怒りっぽくなっていた、不機嫌になっていた、やる気がなくなっていた、怠けぐせがついて重たい気分になっていた、鈍感で、場あたり的で、そして利己的になっていた。わたしはカラカラに渇いてひからび、憂鬱な気分と不愉快さで息をつまらせていた。とどろけ、すべてを洗い清めて降り注ぐ水のヴェールよ、いかなる太陽の奇蹟も、恵みの雨の奇蹟とは、くらべものにならない。ようやく、みんな息をふきかえした、草も、私も、土も、みんなが、これでようやくいい気分になった。」(カレル・チャペック)
連休中はずっと「晴れ」の予想。この分だと広島も暑そうだ。大雨で死者が出たヒロシマはもうこりごりかもしれないが、東京は「そろそろ雨が降ってもいいころだ」と思う。留守のあいだの庭のひまわりとあさがおがしんぱいだ。オリーブととうもろこしは放っておいても大丈夫。虫たちのことははカエルとクモにまかせよう。
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▼「梅雨明け:中国地方、平年より3日早く」
「広島地方気象台は17日、中国地方が梅雨明けしたとみられる、と発表した。昨年は梅雨明けが特定できなかったが、今年は平年より3日早い。」(毎日新聞2010年7月18日)