はじめに、ふた、ありき
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イルコモンズが、仕事熱心で、働き者である、というのは目の錯覚か、気のせいである。イルコモンズは、労働が好きなのではない。そうではなく、労働から一秒でもはやく解放されて、自由にのびのびと自分の好きなことをして生きたいので、そのために右から左にてきぱきと仕事をかたづけ、一秒でもはやく仕事を終わらせるために一心不乱に働いているだけである。すべては労働からの遁走である。もしイルコモンズの「労働観」というものがあれば、それはこうだろう。「労働をうらむな、労働を自分の仕事にしてしまえ、そして一秒でも仕事を早く終わらせて、外に遊びに行こう」あるいはまた「遊ばざるもの働くべからず」である。この「労働観」は、こどものときから一貫して変わらないイルコモンズの「人生観」でもある。 というわけで、今日はこの映画の試写会をみにゆこう。終わらせた仕事についてはまた後日。 ▼「8 - Eight - NO TIME LEFT」予告篇 (仏語オリジナル) [監督] ジェーン・カンピオン、ミラ・ナイール、ガエル・ガルシア・ベルナル、ヤン・クーネン、ギャスパー・ノエ、アブデラマン・シサコ、ガス・ヴァン・サント、ヴィム・ヴェンダース [提供] オックスファム 「10年前、国連と各国政府は、8つの「約束」をしました。「世界の貧困を半減する」「初等教育を完全普及させる」「エイズやマラリアを撲滅する」などこれらのプロジェクトは2010年を迎え先進国政府のM取り組みは到底十分とは言えません。世界の約5人に1人はいまだ深刻な貧困の中で暮らし、約6人に1人は飢餓に苦しんでいます。この危機的状況に対して警鐘を鳴らすために、ヴィム・ヴェンダース、ジェーン・カンピオンなど8人の監督が立ち上がり、各目標にちなんだ8つのショートフィルム『8 -Eight-』を制作しました。そして、本作品は世界の貧困問題に対する私たちの責任を鋭く問い直します。」 [公式サイト] http://www.notimeleft.org この映画をつくった作家たちの目には、世界はどんなふうに見えているのだろう?そして、政府やマスメディアが僕らに見せないようにしている世界は、どんなふうなのだろう? 映画を通じて世界はどこまで知ることができるのだろう?そして現代美術を通じては? ----------------------------------------------------------------- [追記] プレス試写会に行ってきた。もともとこの映画は、商業目的でつくられた映画ではなく、世界に行動をよびかけるための映画なので、YouTubeで全編ノーカットでみることができる(このへんはさすがオックスファムである)。そして実は、ヴェンダースとガス・ヴァン・サントの短編は、YouTubeで先にみていたのだが(ただし日本語字幕なし)、この2本は全編を通して見た時にいっそう輝きを増してくるので、できれば映画館の暗闇の中で、全編通して字幕つきで見ることを強く強くお勧めしたい。どの作家の短編も「世界の重たすぎる現実」を扱っていて、映画館の暗闇の中でスクリーンを見つめていると、だんだん気持ちが地面にめりこんでいって、思わず天をあおぎたくなる(特にアフリカン・ネオ・リアリズムの伝統のあるブルキナファソの映画は壮絶だった)が、本来、光の芸術である映画は、最後にちゃんと希望の光をスクリーンに照らしだしてくれる。過酷な現実を前にしたときのファンタジーやイマジネーションの力と輝きを再認識した。シネフィルや頭のかたい連中は、カンピオンやヴェンダースのファンタジーを「子供だまし」だと小ばかにするかもしれないが、子どもだましで結構、「ファンタジーよ、一歩前に、現実は後からついてこい」である。あと、YouTubeではみれないオプニングもよかった。この映画は、11月13日から渋谷のアップリンクXで一般公開されるので、ぜひ気をしっかり持って、映画が映し出してみせる、いまの世界の状況と向かいあってみてほしい。
by illcommonz
| 2010-11-02 09:25
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