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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼進め、人間ども! 進化よ、一歩前に、変化は、後からついてこい
▼進め、人間ども! 進化よ、一歩前に、変化は、後からついてこい_d0017381_2541257.jpg
東谷隆司がアート・ディレクションした今年の「釜山ビエンナーレ」がすごくいい。グッとくる、ツーンとくる、ガツンとくる。同時代の空気の脈動を感じる。現代美術はこうでなくてはいけない。現代美術全開である。そのビエンナーレが明日で終わってしまう。韓国のG20と横浜のAPECがなければ観に行きたかった、くそっ!(いや、そうではない、観にいかなければならなかったのだ)。これを書いている今も、たまった用事や仕事を全部放り出して飛行機に乗ろうか乗るまいか迷ってるくらいである。今回、アートディレクターとして東谷がうちだしたテーマは「リヴィング・イン・エヴォリューション=進化を生きる」である。

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それは、狂ったように進化し続けるこの時代との正面対決、待ったなしの真剣勝負である。この格闘のなかで東谷がくりだしてみせたディレクションには、パンチがあり(←死語)、ガッツがあり(←死語)、プライドがある。現代美術の起死回生をかけたストラグル・フォー・プライド。「進め、人間ども!」「進化よ、一歩前に、変化は、後からついてこい」。そんな気迫さえ感じられる渾身の展示である。「いいぞ、東谷、もっとやれ!」と東谷キュレーションの完全復活を祝いたい。

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よいところはいろいろあるがを、ひとつあげるなら、国際展の常連作家たちが少ないところだ。「進化」をテーマにした展示なら、展示も「進化」しなければならない。いつもと似たような顔ぶれの、かわりばえのしない作家たちの作品ばかりでは「進化」は感じられない。ピオトル・ウクランスキ、ザドク・ベン=デヴィッド、ローランス・デルヴォー、ジン・メイアーソン、アーヌルフ・ライナー、MADELN、デニス・ショール、デヴィッド・ヴォイナロヴィッチ、こうした決して著名ではない作家たちの作品に、特にいいものが多いところに「進化」を感じる。こうした作家たちの作品をみるにつけ、どうしていま自分は釜山ではなく、東京なんかにいるのだろうか、どうせ参加するなら、こういう展示に参加したいものだと思う。なによりも、こういう展示をみると、自分も「進化」したいと思いはじめる。そう思わせる展示はいい展示だ。この釜山の展示をそのまま日本に持ってくることは不可能だとしても、凱旋展示をぜひやってほしい。そこでさらに進化した「東谷ビエンナーレ」をみせてほしい。

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東谷隆司「Living in Evolution」
「今、「情報革命」というにふさわしい変化が起こっている私たちの時代は、18世紀の産業革命を後の人が「近代」の幕開けと設定したように、遠くない未来の人にとって「現代」よりも次の時代区分の始まりと認識される可能性は大きい。いや、少なくとも2001年の9月をもって、ある時代の幕開けと記録されることは、間違いないだろう。今、我々は、後に観測されるであろう、人類の進化過程の一部として重要な時間のうねりの中にいるのだ。
 かつて数百年、あるいは数千年以上も昔の人類に比べ、我々はきっと知的な進化を遂げているだろう。一方で、その時代の人々が知っていたことを我々は忘れてしまっているに違いない(語義的には、何かを失うこともまた「進化」の一部である)。そう考えれば、遠い未来の人々は、きっと我々の知らないことを知っていて、我々の知っていることの一部を忘れてしまっているだろう。しかし、その進化の鍵を握っているのは、それぞれの時代を生きている人たちであり、我々もまた、その一員なのだ。つまり、我々は進化の中に生きている。そういった人類の進化という時間軸を考えたとき、人間一生分の時間にも近い、「近代」「現代」といった時間区分は、農業革命、産業革命、情報革命という3世紀に渡る進化の中では、さしたる意味をもたないのかもしれない…
 以上のような観点から、Living in Evolutionという展覧会は出発した。展覧会において、このテーマは、2重の意味を持っている。ひとつは、まず美術作品そのものが、作家という一人の人生と、人類の進化が交差するポイントであるという考え方。美術は、文字や数式と違い、視覚的・造形的な要素で構成されている。それゆえに、言葉や数量化できない感動を与えることがあるだろう。もし作品を見て感動したとき、あるいは、感動ともいえない不思議な感覚に陥ったとき、それを言葉にできたならば、新しい概念が生まれるかもしれない。その概念が人類単位で共有されたら、それ自体が人類の知的な進化だ。そういう思いもあって、文字的、説明的な要素を含む作品は、あまり多く選ばれてないはずだ。
 もうひとつは、我々が「生きている」という時間軸や空間をどのくらいの単位で考えるか、ということ。多くの作品は、「生命」や「個人の生を超えた何か」に関わっている。それらの美術を目の前にして、自分もまた生命体であるという実感が持てるかどうか。そして、自分が生きていることが、古代から未来へと続く壮大な時間、あるいは「社会」や「自然」といった、個人を超えた大きな力とどんな関係にあるのか。
 進化という言葉に生物学的なことを連想する人もいるかもしれないが、「人類の知的な進化」、あるいは人間という個人の「人生」を超えた、長大な時間軸、として、とらえてもらえたら、と思っている。その上で、今、我々が生きている時間に起こっている様々な変化や我々の行動が、歴史や未来において、そのように作用するのかを考えるきっかけになれば、と考えている。」

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[追記] このところ「不作為の活動」や「不本意な仕事」が続いていたので、かなりフラストレーションがたまってきているようだ。こういう気合のはいったディレクションのもとで、思う存分、展示をしてみたいものだ。
by illcommonz | 2010-11-19 03:20
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