Ghost Horseman of the Apocalypse in Cairo Egypt
ユーロ・ニュースが中継し、MSNBCのニュース番組で放映されたニュース映像に映りこんでいた、通常、人の目にはみえないもののことが話題になっている。これを、馬にまたがって天にのぼってゆく「ストリートの騎士」だという人もいれば、「死神」や「亡霊」だという人たちもいる。それが黙示録的なものであれ何であれ、エジプトの革命が、それを見ている人たちのイマジネーションを呼び起こしていることがわかる。
植民地体制からの解放と独立のために奴隷たちが蜂起し、南米で最初の革命となったハイチ革命を題材にしたマジカル・リアリズムの小説「この世の王国」で、カルペンティエールが描いてみせてくれたように、革命のさなかには、それまで眠りこんでいた人間の想像力や感性が呼び起こされ、目にみえないものやそこにないものの存在を感知し、それとのつながりや結びつきを通して世界を考えようとする「野生の思考」とその想像力にスイッチがはいる。そしてそれはやがて集団的熱狂をよびおこす。こうした人間の「精神のエコロジー」の覚醒は革命の最も重要な一部だと思う。エジプト革命を通して、これまで見えてなかったものがみえはじめ、考えてこなかったことを考えはじめているとしてら、その革命はすでにはじまっている。いま、私たちはカルペンティエールが「驚異的な現実」と呼んだものを目撃しているのかもしれない、ただしそれはニュース映像に映りこんだレンズのフレアではなく、ストリートからたちのぼる革命の炎であり、覚醒した数百万人の民衆の姿である。
UPRISE IT YOURSELF、ECOLOGY OF OUR SAVAGE MIND.