はじめに、ふた、ありき
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いま、福島で荒れ狂っている原発をみていて、今年、生誕100年をむかえる、花森安治のこの文章を思い出した。 もうけてなにがわるい、という、そのとおりだ。 他人の不幸を踏み台にして肥ったりせず、 人間の弱点につけこんで売り上げをのばしたりもせず、 ぼくらの暮しに役立つ いい品だけを作ったり、 売ったりしているかぎり、もうけてわるいはずがない。 そんなふうに考えて、仕事をしている会社や人間だったら、 大いにもうかるのが、ほんとうなのだ しかし、いま、そんな会社や人間が、 どれだけあるというのか。 ひとの暮しに役に立たなくても、 人の暮しをダメにすることがわかっていても、 売れさえしたら それでいい、 売れるためなら、どんなことでもする、 そんな会社や人間ばかりだ。 そんな会社や、そんな会社の後押しをした政府が、 いま、日本の繁栄をつくりあげてやったのは、 じぶんたちだ、と胸を張っているのだ。 そうなのか、ほんとうにそうなのか。 それなら、見るがいい。 そんな企業を後押しにしてきた政府よ、 見るがいい。 誇らしげに、君たちが作り上げたという、 その世の中を 目をそむけないで、 はっきりと見るがいい 繁栄とは、なにか。 ゆたかな暮しとは、なにか。 君らが狂気のように作り出す工場の煙で、 ぼくらの空は、いつも重たく曇ってよどみ、 君らが平然と流し続ける廃液のために、 ぼくらの川と海は、いつも暗く腐って流れようとはせず、 君らの作ったものの出すガスのために、 ぼくらの木と草は、夏に枯れて、春にも花をつけない。 君らのために、ぼくらのまわりから、緑は失われ、 君らのために、ぼくらはいま、ちっぽけな土地に、 ちっぽけな家を建てる望みさえ絶たれ、 君らのために、ぼくらはいま、 食卓にのぼせる魚にも毒はないかと心を痛める しかし、悔しいことだが、 こんなひどい世の中にしてしまったのは、 君らだけの罪ではなかったのだ。 悔やんでも悔やみきれないのだが、 君らが狂ってしまって、血眼になって、 もうけだけに走るのを、だまって見ていて、 止めようとしなかった、ぼくらも狂っていたのだ。 ぼくらは、もうずいぶんと長く生きた、 ぼくらは、もういい、 ぼくらは、もうどうなってもいいのではないか。 ぼくらは、自分のこどものために、 そのまた、こどものために、 ぼくらだけは、狂った繁栄とわかれて、 そこへ戻ろう、そこから出直して、 ぼくらは、じぶんのつくった罪を、 自分の手であがなってゆこう。 ぼくらの暮しをおびやかすもの、 ぼくらの暮しに役立たないものを、 それを作ってきたぼくらの手で、 いま、それを捨てよう。 花森安治 この原発が「安全」だと云い続けてきた東電の幹部や役員たちよ、それなら、見るがいい。誇らしげに、君たちが作り上げたという、この怪物たちから、目をそむけないで、はっきりと見るがいい。そんな東電を後押しし、いまだに「発展」だ、「景気回復」だ、と云い続けている政府と政治家たちよ、見るがいい。この怪物たちを見るがいい。発展とは、なにか。安全な暮しとは、なにか。 いま、福島で荒れ狂っているこの怪物が、もうこれ以上、毒をまきちらすのをやめ、それをつくった者たちの手で、ひとつ残らずこわされ、捨てられ、二度と使いものにならない廃物と化すことを願わずにいられない。そして、こんな怪物をつくることをゆるしてきてしまった僕らは、その罪をあがなわなければならない。そう、ぼくらは、もういい。ぼくらは、もうずいぶんと長く生きた。ぼくらは、こどもたちと、そのまた、こどもたちのために、狂った発展や生き方とわかれて、こどもたちの暮しをおびやかすもの、こどもたちの未来に役立たないものを、それを作ってきたぼくらの手で、いま、こわそう。 ▼「被曝の恐怖、余震…真っ暗な建屋で決死の作業」 「高濃度の放射性物質の放出が続く福島第一原発。放射能汚染の恐怖と闘いながら、決死の作業が続く。東電や協力企業の作業員ら800人が水の注入作業を行っていたが、爆発に伴い、「必要最小限」という50人を残し、750人が一時、現場から離れた。被曝を避けるため、放射線量が高くなると作業を中断しなければならない。15日午前、隣接する3号機付近で観測された400ミリ・シーベルトの環境下で作業できる時間は15分が限度。津波による被害で、停電も続く。照明がつかないため真っ暗な建屋内で、作業の効率はあがらない。余震が続く中、津波警報で作業の中断を余儀なくされることもある。400ミリ・シーベルトを記録したのは、作業員が携帯する放射線監視装置だった。 12日午後、高圧になった1号機の格納容器内の蒸気を逃がすための弁が開放された。格納容器に亀裂が入る最悪の事態はまぬがれた。その弁を開ける作業にあたった男性は、1000ミリ・シーベルト以上の放射線を浴び、吐き気やだるさを訴えて病院へ搬送された。もともと、この作業では、大量の放射線を浴びる危険があった。このため、1号機の構造に詳しいベテラン社員である当直長が作業を担当。「タイベック」と呼ばれる特殊な全身つなぎ服とマスクを身につけ、手早く弁を開けたが、10分超で一般人が1年に浴びてもいい放射線量の100倍にあたる放射線を浴びた。 経済産業省原子力安全・保安院によると、同原発で注水作業に当たる東電職員らは約70人。ポンプなどを制御しつつ、交代しながら格納容器付近の現場で活動している。 本来、中央制御室で監視できる計器も、被災後、故障し計測不能なものがある。遠隔制御も不能で、原子炉冷却のために弁を開く作業も現場で手作業するしかない。福島第一原発は1971年に1号機が稼働した古い原発で、通路などが狭く作業しにくいことも足を引っ張っている。注水が進めば原子炉内の圧力が上昇し、炉の崩壊の危険性が高まるため、弁を開いてガスを外部に放出しながら進めなければならない。ガスは放射性物質を含むため、放出自体は最小限に抑えなければならない。東電の担当者は「バランスをみながらぎりぎりの選択の連続だ」とため息をつく。」(2011年3月15日20時01分 読売新聞)
by illcommonz
| 2011-03-16 01:22
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