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「ECDが新曲公開、生き延びて
「絶対作るぞ三人目」と決意」
「ECDが新曲「EXODUS11」をYouTubeで公開した。震災後に妻の実家の東広島に妻子を避難させ、仕事のため自分だけ東京に帰ってきたというECD。この曲で彼は不安に満ちた震災後の日本を生き抜いて、絶対に3人目の子供を作るぞと力強く決意している。」
(「ナタリー」 2011年3月18日)
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金曜の夜、渋谷に
映画「ANPO」のトークに行く前に立ち寄った喫茶店で、あみものをしている女性をみた。普段はあまりそういう言葉を使わないのだが、「エレガント」だと思った。いま、この瞬間、この数日、ぼくらがいてもたってもたまらず、やっていることは、それがなんであれ、あとで、「あのときにやっていたこと」になる。そしてそれが、自分が本当はどういう人間なのかを確かめる「なにか」になる。あみものをはじめる人、彫刻を彫りはじめる人、花を植える人、種をまく人、油絵を描きはじめる人、長編小説にとりかかる人、交響曲をかきはじめる人、楽器を練習しはじめる人、スケボーの練習をしはじめる人、いろんな人たちがいろんなことにとりかかる、自分の生き方として、自分の人生として、そして、自分が自分でありつづけるために。自分は負けず嫌いで、しかも向こう見ずなところがあるので、未来を肯定するために、なるべく時間と手間のかかることを、いまからはじめようと思った。それはたぶん、いましなくてもいいことなのだが、それが、いましかできないことだと思った。具体的に何をはじめるか、それをかたっぱしからリストアップしていくなかで、たとえば、「こどもをつくること」はそのひとつかもしれないと思ったが、それはECDがやってくれるので、自分は別のものをつくることにした。というか、もうはじめた。でも、まだ、うまくいかない。でも、やれると思う。