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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼自分と同世代のおとなたちへ(1) 「放射性物質にさらされた世代」
▼自分と同世代のおとなたちへ(1) 「放射性物質にさらされた世代」_d0017381_23225170.jpg
 「もうすっかり忘れられているが、戦後、日本人が大量の放射性物質にさらされた時代が、かってあった。それは1950~1960年代。この時期、アメリカ、ソビエト連邦、イギリス、フランス、中華人民共和国などが、大気中で核実験(原子爆弾・水爆爆弾の爆発実験)を数100回も繰り返した。1963年8月にアメリカ、イギリス、ソ連との間での大気圏内、宇宙空間及び水中における核兵器実験を禁止する(部分的核実験禁止条約)が締結されたが、フランスと中華人民共和国は、その後も大気中での核実験を続けた。その結果、膨大な量の放射性物質が大気中に放出され、多くは成層圏にまで達し、上層の気流に乗って世界中に振り撒かれた。

▼自分と同世代のおとなたちへ(1) 「放射性物質にさらされた世代」_d0017381_23242474.jpg
「排出放射性物質影響調査:大気中核実験」
http://www.aomori-hb.jp/ahb2_08_t01_term.html

 上のグラフは青森市で観測されたストロンチウム90(Sr90)とセシウム137(Cs137)の年間降下量の変化を示している。1980年代後半にちょっと増えている所があるが、それがチェルノブイリ発電所事故。それと比べると、1960年前後が、いかにすさまじい時代だったかがわかる。で、古い記憶がよみがえってきた。小学校の下校時に、先生に「また、中国が核実験をしました。今日の雨は濡れないように気をつけましょう」言われたことを。また、頭頂部が禿げた先生がいると、「あれは、放射能の雨に濡れたからだ」と悪ガキたちは囁き合った。考えてみれば、1960年代に子供だった私は、空からは放射性降下物を浴び、地からは環境公害の全盛期で有害な重金属を体内にため込み、食品は発癌性があるさまざまな人工添加物(チクロとか)を食べ飲みまくってきた世代だ。

▼自分と同世代のおとなたちへ(1) 「放射性物質にさらされた世代」_d0017381_23262249.jpg
 「この子たち(昭和30年代、1955~1964生まれ)は、到底、健康で長生きは望めない、そのうち、癌でバタバタと倒れて行くだろう」と言われた。実際、1990年には、西丸震哉「41歳寿命説―死神が快楽社会を抱きしめ出した」(情報センター出版局1990年)という本がけっこう売れた。私もパートナーも幸い41歳では死なず、50歳代まで生き延びている。でも、周囲を観察していると、1つ上の「団塊の世代」に比べると、私たちの世代は相当に病弱・虚弱で、やたらと元気で丈夫な「団塊」よりも、たぶん先に死に絶えるだろう。まあ、別にそれでもいい。長生きするだけが人生の目的ではない。
 という事で、何が言いたいかと言えば、今、45~55歳くらいの人は、いまさら放射性物質がどうのこうのと、ジタバタしても遅いということ。すでに子供の頃に、たっぷりストロンチウムもセシウムも、まぶされているのだから。ただ、何度も繰り返すが、今の子供たちには、私たちの世代のような悪い環境は味わわせたくない。」(「続・たそがれ日記」2011年3月21日より)

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 そう、今日の雨と政府の発表で思い出したのはこのことだった。自分は1966年の生まれで、福岡の田舎で育ったのだが、小学校のころ、これと同じ体験をしている。どこだったかは覚えてないが、今日はどこそこで「原子バクダンのジッケン」があったので、なるべく雨にぬれないよう注意して帰りましょう、と云われていたことをはっきり覚えている。たぶん一度や二度ではなかったと思う。当時すでに単行本になっていた「はだしのゲン」をよんでいたので、原子バクダンそれ自体のおそろしさは知っていたのだが、なぜ雨にぬれるとよくないのか、ということがまるで理解できてなかったので、注意するどころか、「ほら、ぬれると、あぶないぞ!」とか「あたまがつるぴかになるぞ!」などとふざけあいながら(まさに悪ガキである)放射能の雨がふるたびに毎回ずぶぬれになって下校した記憶がある。ひどいときなどは雨靴に雨水を汲んで、ストロンチウムの雨を互いに浴びせあったりしていた(我ながら、絶句)。しかも家の二軒隣が駄菓子屋で、甘いお菓子には「チクロ」がはいってるかもしれないからチクロがはいってるものは食べないようにと親からはそう云われてはいたが、そんなもの子どもに見分けがつくわけもなく、チクロ(あるいはサッカリン)たっぷりの毒々しいまでに甘く危険な駄菓子をさんざん食べまくって育った。かてて加えて、10代からタバコを吸いはじめ、いまもやめるつもりがないので、放射性ポロニウムを数十年にわたって相当量吸引しているはずである。もちろん個人差はあるが、自分の世代とはそういう世代である。さいわい自分も41歳では死なず、45歳のいまも、小学生のころと同じ前髪パッツンの髪型で、いまのところ大病もせず生き延びている。団塊の世代に比べてどうかということは分からないが、自分も「長生きするだけが人生の目的ではない」と思うし、こないだ花森の文章を引用しながら書いたように「自分たちはもういい」とさえ思っている。ただ、両親よりも長生きするのは子どもの最低限の務めだと思っているので、それまでは何が何でも生きのびたいと思うが、それから先は「なるようになれ」と思っている。ということで、何が云いたいかといえば、たとえ、それが繰り返しの繰り返しになろうとも、「今の子供たちには、私たちの世代のような悪い環境は味わわせたくない。」ということに尽きる。

▼自分と同世代のおとなたちへ(1) 「放射性物質にさらされた世代」_d0017381_23254930.jpg
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[追記] これは自分たちの世代が育ってきた1960年代の「よくない環境」の話で、それとは別に、この世代は、1980年前後にある別の「文化」を体験している。うっかり忘れていたが、最近それを思い出したので、次にそれを書きとめておこうと思う。
by illcommonz | 2011-03-22 23:38
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