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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼ちいさな廃墟、みえにくい廃墟
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 「今年の3/1、私は三軒茶屋に行った。用事はふたつあって、ひとつは「闇の列車 光の旅」という移民が主人公のほろ苦い映画を見るためで、もうひとつは生活工房で行われていた「しまう はこぶ おくる」展を見るためだった。いろいろなパッケージの展示のほか、「日記箱」という小さな箱にそれぞれが自由に中身をいれてつくる展示があった。そこにはイルコモンズさんも参加していたので、どんなものを作ったのか興味があったのだ。

 日にちは、阪神大震災の日であり、イルコモンズさんの誕生日でもあった。

 弁当箱のようなサイズの箱のなかには、ちいさな廃墟があった。ばらばらになった人形、はがれ落ちた白壁のようなテクスチャーの紙、ちびた鉛筆…、そこに収められたものたちは、地震で崩れ去った、ふつうの暮らしの断片にしか見えなかった。他の人々は、日記の日にち設定が最近のものが圧倒的に多く、ホンワカとした雰囲気のものだったので、その落差はかなりのものだった。この箱だけが、禍々しく、うつくしく異様な空気を放っていた。原爆で焼き付いた影のような、なにかを考えずにはいられない、ちいさな箱だった。

 そしてその10日後、あの地震が起こった。

 あの箱が、何かを呼びおこしたのか、近未来を無意識のうちに切り取って見せたのか、なにもわからないけれど、あの地震が起こり惨状を知ったとき、はじめに、この箱のことを思い出した。私には、3月11日とセットで印象深い出来事である。」 (はらだゆきこ「ちいさな廃墟」2011年7月29日より抜粋)
by illcommonz | 2011-08-03 14:38
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