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![]() 「あすまで開催の、イルコモンズ監修「アトミックサイト」展(現代美術製作所@東京・墨田区、7月18日~8月20日)へ足を運びました。出品作家は、イルコモンズ、石川雷太、伊東篤宏、ユリア・レーザ&クラリッサ・ザイデル、中村友紀、山川冬樹、吉田アミ。「レベル7」とされる〝現実〟が、「レベル8」だと作品によって暴露される。 「現代美術が持ってきた否定の真理は、これまで常に、それをとりまく社会への正当な否定であってきた。1937年にパリで、ナチの大使オットー・アベックが、絵画「ゲルニカ」の前で、ピカソに「これを作ったのはあなたですか」と尋ねたとき、ピカソはまったく正当に答えた。「いえ、それは、あなたです」と。(ギー・ドゥポール) この会場に掲げられた言葉を援用するなら、このスペースに展示されている作品の一つひとつは、東京電力が、隠蔽政府が、御用学者が、マスメディアが作った、ということになるだろう。そして作品を前に、その意図するところを来場者が遡及的、現在的、そして未来的に解釈するなら、 「あたしらは、いま、ふつうの状態じゃないんだ。ふつうの状態でないときに、ふつうのやりかたじゃ、まにあわないんだ」(楳図かずお) という、もう一つ掲げられたこの言葉の意味が脳髄から脊髄を通じて浸透するだろう。 ![]() 「アトミック・ガーデン」(イルコモンズ監修)には福島県福島市、郡山市、田村市、茨城県守谷市、取手市から採取された汚染土砂、腐葉土にα線、β線を共に計測できるロシア製ガイガーカウンターをかざせば(本物のガイガーカウンターを手にするのも初めてだ)、知識としてはあって、それは非常に危険、という数値が表示される。特に最高値を示すのは、福島市の保育所園庭で採取された砂。当地の子どもたちがどんなリスクに晒されているか… ![]() 「原子ギター」(山川冬樹)は、東京藝大取手キャンパスの排水溝で採取した汚泥(2~3μSv/h)に含まれる放射性物質を検出することで弦が振動し、音色が奏でられる。この音が常に会場内に響き、そこに、ここに、「放射性物質」があるのだと実感する。こうして目に見えない放射能が、可視化され、感覚化される。かつ、それが身近にあったのだと再認識する。 ![]() そして自衛隊員が撮影した福島第一原子力発電所4号機の無残な姿。この崩壊した建屋の中で、燃料プールがどうなっているか想像もできない。東電ふくいちカメラではあまりに視認困難な4号機の行方が、この原発爆発の被害拡大を際限なくしかねない。連日、同発電所からは東電計算で48億Bqが排出されている。これがいったい何年続くのか。 新政権は、何をおいても原発爆発収束に向け全力を挙げなければ、どれだけ実害を風評被害だと偽装しても、すぐにそのメッキははげるだろう。茨城の米からWHO基準5倍のセシウムが検出された。いよいよ、主食、米汚染の実態も明らかになっていくだろう。 ほかの作品に加え、デモの際の映像上映、原発を夢/悪夢と描き出した書籍なども展示されていた。解説員の方が熱心にお話をしてくださり、今の危機的状況に対する共通認識を得られることも大きな意味があった。 会場敷地内では毎日空間放射線量を計測していて、敷地出口にその数値が掲示されているのだが、きょうはなんと地表1cmで0.45μSv/hだった。会場の一区画(「アトミック・ガーデン」)に悪夢が集約されている、それが身の回り全部なのが福島市なのだと身震いしたあと、否、いずれ都内全域もそうなる可能性が十分にあると再認識させられた。 現実から切り取った福島の悪夢が、どんどんその領域を広げている。現在進行形で。」 (文=おおさわあきのり「現実/悪夢という「3・11」後の具現 「アトミックサイト」展」より) (写真=曽我高明)
by illcommonz
| 2011-08-23 22:14
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