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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼「彼らは新しいデモの形式をつくりだした。それを抑圧するものに対して、私は抗議したい」


 「私がいいたいのは、新宿アルタ前のスピーチで話したことです。つまり、日本にはデモが必要だ、デモが日本の社会を変える、ということです。今日ここで私は、あらためて日本におけるデモの重要性について話したいと思います。
 私は原発震災が起こってからデモに参加したのですが、それ以前からデモが重要だと考えてきました。脱原発は、いうまでもなく重要ですが、しかし、それとは別にデモが重要だと考えていました。そしてなぜ日本にデモがないのか、と考えていました。もともとデモがなかったわけではないんです。私が学生のころ、つまり、それは1960年ごろですが、デモは非常にありふれたものでした。しかし80年代以後、デモはなくなってきました。そして、デモがないこと、あるいは、デモがすくなくなったこと、と、こんな地震の多い国に原発が54機も建てられたということは、深く関係があります。つまりそれは、原発に反対する意思表示ができなくなってきたということです。日本はそのような社会になってきたのです。
 実は1980年代前半には反原発の運動が盛んで、デモもありました。それまで日本人はヒロシマ・ナガサキの経験から、核に関しては非常に敏感であったからです。しかし次第に、いつのまにか、そのようなプロテストがなくなってしまった。その時期から、労働組合などが弱体化され、また社会党は消滅してしまった。そして90年代には、新自由主義、つまり、資本の専制体制が確立されたわけです。そのことと原発が大量につくられるようになったこととは関係しています。
 地震があった後、外国のメディアは、日本人の冷静なふるまいを賞賛しました。しかし、同時にそれは不可解でもあったはずです。日本人はなぜ異様におとなしいのか?なぜ抵抗しないのか?なぜ抗議しないのか?なぜ怒らないのか?しかし、昔からこのようであったわけではありません。このような日本人の態度はおそらく、ここ20年ぐらいのあいだに形成されたものです。しかし、3.11原発震災の後で、デモがはじまりました。わたしは、単に原発に反対するだけでなく、個々人がその意思を、デモを通して表現することが重要だと思います。その意味で、ようやく日本人が意思表示をはじめたのだと思います。私は、日本でやっとデモがはじまったということに希望を見出しています。
 そのきっかけをつくったのは、「素人の乱」のような若い人たちです。彼らは新しいデモの形式をつくりだした。だから、私は彼らに感謝しています。したがって、それを抑圧するものに対して、私は抗議したい。それゆえに私はこのような声明を出すことに賛成し、協力を惜しまないと伝えたのです。最後に記者のみなさんにお願いがあります。現在、日本の各地に反原発のデモがあるという事実をもっと報道していただきたいということです。デモの存在を無視することはデモを抑圧することになります。」(柄谷行人)

▼「彼らは新しいデモの形式をつくりだした。それを抑圧するものに対して、私は抗議したい」_d0017381_22195444.jpg
「デモと広場の自由」のための共同声明
 「3・11原発事故において、東京電力、経産省、政府は、被害の実情を隠し過小に扱い、近い将来において多数の死者をもたらす恐れのある事態を招きました。これが犯罪的な行為であることは明らかです。さらに、これは日本の憲法に反するものです。《すべて国民(people)は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する》(25条)。しかし、東京電力、経産省、政府はこの事態に対して責任をとるべきなのに、すでに片づいたかのようにふるまっています。
 それに抗議し原発の全面的廃炉を要求する声が、国民の中からわき起こっています。そして、その意思がデモとして表現されるのは当然です。デモは「集会と表現の自由」を掲げた憲法21条において保証された民主主義の基本的権利です。そして、全国各地にデモが澎湃(ほうはい)と起こってきたことは、日本の社会の混乱ではなく、成熟度を示すものです。海外のメディアもその点に注目しています。
 しかし、実際には、デモは警察によってたえず妨害されています。9月11日に東京・新宿で行われた「9 ・11原発やめろデモ!!!!!」では、12人の参加者が逮捕されました。You Tubeの動画を見れば明らかなように、これは何の根拠もない強引な逮捕です。これまで若者の間に反原発デモを盛り上げてきたグループを狙い打ちすることで、反原発デモ全般を抑え込もうとする意図が透けて見えます。
 私たちはこのような不法に抗議し、民衆の意思表示の手段であるデモの権利を擁護します。日本のマスメディアが反原発デモや不当逮捕をきちんと報道しないのは、反原発の意思が存在する事実を消去するのに手を貸すことになります。私たちはマスメディアの報道姿勢に反省を求めます。2011年9月29日」

▼「デモと広場の自由」のための共同声明 呼びかけ人
柄谷行人、雨宮処凛、小熊英二、鵜飼哲、平井玄、酒井隆史、佐々木中、毛利嘉孝、コリン コバヤシ、高祖岩三郎、浜邦彦、上岡誠二、本山謙二、木下ちがや、丸川哲史、香山リカ、山森亮、西山雄二、渋谷望、池田雄一、斎藤貴男、小田マサノリ、鶴見済、山森亮、小倉利丸、東琢磨、岡山茂、中島京子、飯田哲也

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「脱原発デモ:参加者逮捕に評論家ら抗議」
 「東日本大震災から半年の9月11日に東京・新宿であった脱原発のデモ行進で、公務執行妨害容疑などで参加者12人が警視庁に逮捕されたことを受け、評論家の柄谷行人さんらが29日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し「デモへの抑圧に抗議する」と訴えた。柄谷さんは、慶応大の小熊英二教授、一橋大の鵜飼哲教授らとともに「原発の全面的廃炉を要求する声が国民の中からわき起こっている。民衆の意思表示の手段であるデモの権利を擁護する」との共同声明を発表。作家の雨宮処凛さんは「20~30代の初めて参加した人が圧倒的に多く、今まで動かなかった層がどっと動いたことを警察は恐れたのではないか」と指摘。来週にも日弁連に12人の人権救済を求める方針を明らかにした。柄谷さんは「若者たちが新しい形のデモを始め、私は希望を見いだしている。それを抑圧するものに抗議したい」と述べ「デモの存在を無視することは、デモの抑圧につながる」とマスメディアの報道姿勢も批判した。警視庁によると、逮捕された12人は釈放されている。」(毎日新聞 2011年9月29日)
by illcommonz | 2011-09-30 22:18
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