▼伊東篤宏「Midnight Pharmacist」
「それにしても、3.11以降の日本や世界というのは、なんなんだろうと思うね。いろんな意味でスゲェ時代に生きちゃってるなと。だけど、知ってしまったんだから、何かしようよと。少なくともこれからもうしばらく生きて行くんだろうから、もう少しちゃんとしたいよね。オレは原発は止めたい。それは何でと言ったら、ヒトがヒトの力で止められないものは作っちゃダメという基本的な理屈です。生活レベルがいまよりさらに悪くなったとしてもね。そして、テメエの世代でケツの拭けないシロモノやゴミなんてオレはなるべく残したくない。広島、長崎の原爆やチェルノブイリに代表される原発事故からもけっきょく我々はあまり学んでこなかったってことになるじゃん。しかも、巨額の金を注ぎ込んでいたのを黙認していたのもわれわれだから。知らなかったのもあるけどね。だけど、知っちゃったけど、どうしますか?と迫られているから。今回ばかりははっきり言わないと。オレらの世代で終わりの話ではない。もう既にケツの拭けない、100年、1000年、それ以上の影響を及ぼすことをやっちゃってるんだよ。地球上の歴史から見たら、それはたいした長さじゃないかもしれなくても、その間の小さな動きとしてできるだけキチンと対応しないとダメでしょ。それはいま、生きている人間の責任でしょ。」(
「伊東篤宏/MIDNIGHT PHARMACIST ロングインタビュー」2011年9月8日 インタヴュー:二木信)
「アトミックサイト」は、分裂・増殖・融合・拡散をおそれない。なぜなら、「知っちゃったけど、どうしますか?」と迫られているからで、それに対応することが「いま、生きている人間の責任」であり、それが「リアル」ということだと思うからだ。わたしたちは「アーティスト」であるよりもまず、いま・ここで「リアル」でありたいと思う。そう思うからこそ、わたしたちは、原子力のように分裂・増殖・融合・拡散をくりかえしながら「アトミックサイト」をやっているのだ。なけなしの「いのち/生活」をけずって、「アトミックサイト」になったのだ。「リアルよ、一歩前に、アートは、後からついてこい。」
▼ATOMIC SITE TV 「伊東篤宏 計画漏電RMX」