3月11日以後、はじめて日本をはなれ、一週間後に成田空港から自宅へもどる途中、「なにかおかしい」と感じた。なにか異変があったからではない。その逆である。それは、「まるで原発事故などなかったかのような日常があること」への違和感だった。「はたしてこれが7ヶ月前にレヴェル7の原発事故が起きた国なのだろうか?」という違和感だった。海外に出たことで、マヒしかけていた意識がよびさまされたらしい。「アテンション・プリーズ、ここはレヴェル7の国です、放射能汚染にご注意ください」。かくしてまた「終わらない異常な日常」がつづく。