▼ローラ・ハンナ「ザ・コモンズ」

　「私たちはより高い生活水準など望んでいないのです。私たちはより良い生活水準を望んでいるのです。たった一つの意味において、私たちがコミュニストであるのは、私たちはコモンズを望んでいるのだ、ということです。自然のコモンズ。知的所有権によって私物化されたもののコモンズ。遺伝子工学のコモンズ。このために、このためだけに私たちは闘うべきなのです。共産主義は間違いなく失敗しました。しかし、コモンズの問題がまだここにあります。」(スラヴォイ・ジジェク 2011年10月9日ズコッティ公園にて)

　ＯＷＳを「反格差」というミスリードな表現で報道し続ける日本のマスコミのニュースから、ＯＷＳが目指しているものがみえてこないとしても、それはある意味、当然のことで、おそらく意図的にそうしているのだろう。しかしＯＷＳの「グローバル・レヴォリューション」でくりかえしストリーミングされているヴィデオ・クリップをみれば、ＯＷＳが目指しているものの一端をうかがい知ることができる。それは「コモンズ」の奪還であり、それを公平にシェアする社会だと思う。実際、ズコッティ公園では、商品化されない食糧や衣服、料金のいらない公共サービス、家賃のいらない空間が「コモンズ」として人びとのあいだでシェアされていた。それはマスコミの背後にいる大企業や資本家たちにとっては「望ましくない不都合な文化」であり、それを資本として独占したがっている企業や資本家にとっては脅威である。いいかえれば、ＯＷＳの夢は資本主義にとっての悪夢なのである。

▼クリエイティヴ・コモンズ 「いっしょにやりたくない？」


▼ヒューイ・ピアース・ロング 「富をシェアしよう」

　「ヒューイ・ロングは、1928年から1932年までルイジアナ州知事を務め、1932年から1935年まで上院議員であった。1932年の大統領選挙ではフランクリン・ルーズベルトの支援者だったが、後に袂を分かち、自らが大統領になることを計画した。1934年には「誰もが王様」("Every Man a King")というスローガンの下に、世界恐慌のために引き起こされた犯罪と貧困を抑制するために、「富の共有運動」("Share Our Wealth")と呼ばれる、所得再分配を評価する運動を作りあげた。」