理由はわからないのだが、このところずっと、くりかえしてこの動画をみている。なにかを暗示しているようにも思えるのだが、それが何なのか分からない。分からないから、くりかえして見ている。それはともかく、映画「乱れる」のこのシーンは何度みてもいい。高峰秀子が雨にぬれながら懸命に駆けてゆく乱れ姿とそれを追うカメラの動き、そして最後のアップの表情は、このときただ一度きり、もう二度と起きない奇跡が起きたかのようにすばらしい。昔の映画には、映画の神様の力が働いたとしか思えないような、思わずはっと息をのむようなシーンがあったが、最近の映画ではそれがみられなくなった。映画の神様たちはどこへいってしまったのだろう。