はじめに、ふた、ありき
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▼「脱原発」祝って高円寺でパレード 「国内の原発50基が5日、42年ぶりに全て停止したのを祝って、東京・高円寺で6日午後、「脱原発」の実現を祝うパレードが行われた。「祝!原発ゼロパレード」は杉並区民らでつくる「脱原発杉並」が主催。「原子力発電に頼らずに暮らしているのを実感できる。こんなことは生まれて初めて、という若い人もたくさんいる。それならば祝ってしまおう」と呼びかけた。パレードに先立つ集会で、リサイクル店「素人の乱5号店」の松本哉氏は「国民の8割、つまり1億人が原発に反対しているのに再稼働するのはとんでもない。いろいろな人が集まって知恵を絞ることで原発に頼らなくて済む世の中がやってくる」と語った。同じく女子中学生は「子供にも原発について知ったり決めたりする権利が必要。大人は便利な暮らしのためにあんな危険なものを子供たちに残さないで」と訴えた。参加者は時折ひょう混じりのにわか雨が降る天気の中、「原発止めたぞ」などと声を上げながら行進。パレード会場に通りかかった女性は「電気が足りなくなると言っていたら、いつまでたっても原発はなくならない」と話した。参加者数は主催者によれば2~3千人。」(オルタナ 2012年5月6日) 「パレード」というのは、たとえ小雨でも、雨が降れば中止になるか、だいなしになってしまうものなのだが、昨日の「祝!原発ゼロパレード」はちがった。「ついにこの世の終わりがはじまったか」というくらいの、突然のどしゃぶりの雨と雹と風とが荒れ狂う嵐のなか、羽織袴とウェディングドレスを着たカップルをのせたオープンカーを先頭に、マーチングバンドや龍や鯉やベリーダンサーやあれやこれやの有象無象たちが次から次に、どんどこずんずんやってくるパレードというのは、これまで見たことがないし、たぶんこれから先見ることもないと思う。「祝!原発ゼロパレード」は、嵐でだいなしになるどころか、嵐のいきおいをそのまま借りて、ただの祝賀パレードとは思えない、底ぬけの祝祭の風景をつくりだしていた。雹まじりの激しい雨のなか、自分のまわりをみると、ドラムやホーンがあちこちで水しぶきをあげ、いったい誰がどの音を出しているのか全く分からないくらい一丸となった轟音を街路に響かせていた。自分たちはこの日のために練習した「太陽」という陽気でにぎやかな曲を演奏しながら歩いた。どしゃぶりの空の下で演奏する「太陽」には凄みがあった。泣けばいいのか笑えばいいのか分からない、わけのわからない迫力があった。そしてそれを演奏するどの顔もびっくりするくらい笑ってた。自分も笑ってた。誰もが笑ってた。口をあけて笑ってた。頭が変になったんじゃないかと思うくらい笑ってた。涙を流しそうなくらい笑ってた。原発を停止させたことが、どれだけうれしいのか、どれだけそれを望んでいたのかが、ほんとによく分かる表情だった。昨日のパレードは単なる「パレード」ではなく、なにか別のものだったのだと思う。そこでなにが起きていたかは、いずれ動画でみることにして、原発ゼロの日の翌日からはじまる、次の長いサイクルのなかで、これから何をやるべきかを考えはじめている。でも、まずは、せんたくとそうじ。それから修理や補修しないといけないものが山ほどある。それがすんだら、デモでやるような、にぎやかな音楽ではなく、♯や♭がいくつもついた、しずかでおだやかな音楽を、ゆっくりしたテンポのちいさな音で吹いて、気持ちをととのえたい。
by illcommonz
| 2012-05-07 21:08
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