「この文明の炎で焼き尽くされている被害者には際限がありません。しかも救いようのないことに、この文明がまったくよいものだと信じ込んで、人びとはその焼けつく炎に飛び込んでいるのです。人々は宗教を軽んじるようになってしまいましたが、この世から利益を得ることも実際にはできないでいるのです。この文明は私たちの機嫌をとりながら、実はわたしたちにかじりついているネズミのようなものです。その影響が十分現われてくれば、宗教的迷信のほうが、近代文明の弊害にくらべればまだ害がなかったということに私たちは気づくでしょう。」(ムハトマ・ガンジー)
いまの「資本主義文明」時代の「グローバル宗教」である「経済至上主義」や「市場原理主義」には、「禁忌=タブー」というものがありません。「金もうけのためなら何をしてもよい」「経済の自由はすべてに優先する」という、ネオリベラリズム(新自由主義)がそれを破壊したからで、それがもたらしている弊害にくらべれば、タブーや節度のある社会のほうがずっとよいのでは、と私たちはもうじき気づくでしょう。(文化人類学解放講座)