
▲「崩壊前」(Google MAPより)

▲「崩壊時」(Google MAPより)
「スピノザによれば、「国家の究極目的」は、「支配すること」でもなく、「人間を恐怖によって制御して他者の権利のもとに立たしめること」でもなく、「各人を恐怖から解放し、かくて、各人ができるだけ安全に生活するようにすること、換言すれば、存在と活動に対する彼/女の自然権を自己、ならびに他者を侵害することなしに、最もよく保持するようにすること」である。言葉と同様、心を支配する力は、主権者に帰属しないだけでなく、誰にも帰属しない。「臣民」の心と言葉を支配しようとして、暴力的な統治を行なういかなる主権者も、必然的に「臣民」の反乱の危険に曝される。反乱は、制度的に保障された抵抗権から生じるのではなく、事実上の必然性であり、諸個人の心と意見を支配しようとする国家は、否応なく崩壊に至るのである。」(
「スピノザ研究―『神学政治論』における「自由」の概念」より抜粋)