デモでドラムをたたきはじめて9年になる。デモでのドラムのたたき方は、ふつうのドラム演奏のたたき方とはちがい、文字どおり、怒りや悔しさをたたきつけるような激しいたたき方なので、最初のころは、毎回、手に血マメやアザをつくっていた。「T.D.C.」や「怒りのドラムデモ」のなかまたちの手をみても、マメやアザの痕がたえない。デモでは、ふつうの演奏とはちがって、アンプもPAもない戸外で、2時間とか3時間ぶっ通しでたたき続けることもあるので、どうしてもそうなる。また、ドラムによっては、ヒザや腿にアザができることもある。そうしているうちにだんだん、手にマメやアザができないたたき方が身についてくる。あるいは、自分で自作のプロテクターをこしらえたりする。だが油断していると突然、腱鞘炎になる。自分もそうだった。そこで次は、腱鞘炎にならない奏法(モール奏法など)を身につけるようになる。そうやって、いろいろ工夫しながら続けてきたのだが、3.11以後、ほぼ週に一度のぺースでデモが続いてきたため、そのダメージがついにでてきた。どうやら関節と神経を痛めたらしい。「たたけど、たたけど、我が暮し」は、なんとかとやらで、「ぢつと手を見る」と、両手ともこんな状態である(くわしくはいずれまた)。
とはいえ、こういうクソオヤジをみると、ホントに腹が立ち、口よりも先に手が動く。
神経に虫唾が走り、その神経とつながった中指が反射的に動くのだ。そういう反射神経と、心のはたらきが、パンクなので、仕方がない。自分は育ちが悪いし、決して行儀もよくないのだ。
こんな手だが、今日は旗だけでなくドラムをひとつ持って、官邸前にゆこうと思う。姿はみえないが、どこかでドラムをたたく音がする、あっちからも、こっちからも、と、そういう音のひとつになりたいと思う。
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[追記]
首相官邸前のデモで、たたきはじめて10分もたたないうちに、へし折ってしまったマレット。神経や関節が痛むのも当然だ。