はじめに、ふた、ありき
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ねずみ男をめぐる冒険(文=イルコモンズ)が掲載された
『ユリイカ』9月号(特集=水木しげる)が発売されました。 特にしめしあわせたわけではないのですが、同じ号に 掲載された三田格さんの「妖怪の惑星~トテチテターと ラッパが鳴っても」と、蜂巣敦さんの「ニートな奴ら」と、 僕らの書いたテキストとが、「サボタージュ」や「ニート」 をキーワードにして、なんだか互いにトラックバック しあってるような、いい塩梅の構成になってました。 つまり、いずれも水木しげるをノスタルジックに読むのではなく、 同時代の世相と連結させてゆくアクチュアルな読みになってました (ついでに、もうひとつ云うと、この3本は、文章の作法としては、 あまり行儀のよくないコトバ使いや書き方をしてます。もっとも、 三田さんとは、あの行儀のわるい渋谷の「サウンド・デモ」を 一緒にやってきた「よくない仲間」(昔風にいえば「戦友(ただし 「反戦の」)なので、むべなるかな、という感じですが)。 ほかにも石岡良治さんの「水木しげるの新しい学」のおわりのほうにある 「魂の生態系」というところで、繋・ぎ・あ・わ・せ・る・パ・タ・ー・ン・が インターテクスチュアルに発現していて、おもしろぃなぁとも、おもいました。 それとあと、とり・みきさんのトリビュート漫画「ないしょの話」に登場する 「ユリイカの萩原女史」は、本人を知ってるだけに、あともうちょっとで、 笑い死にするところでした。念のために云うと、すがたかたちは、 ぜんぜん似てないのですが、いい意味での「編集者だましい」が 妖怪に化けて出てきたという感じで、達観だなぁ、と思いました。 ちなみに今回の水木しげる特集号は、その「萩原女史」の 『ユリイカ』での最初の企画編集モノで、これからの女史の (編集者と漫画キャラ両方での)活躍がたのしみです。 それはさておき、なんといっても、 今回のこの特集号の目玉は、野坂昭如と水木しげるの幻の合作 「マッチ売りの少女」(昭和46年作品・復刻)じゃないかと思います。 これは、イルコモンズの目にも泪の、暗くせつない劇画作品で、 戦後イタリア・ネオリアリスモ映画のそれにも似た 鉛のように重たい読後感があります。 これを何度も読みかえしていたら、今回のテキストに書いた(#)、 「いま・ここ」にある自分の身のまわりの薄ら明るい世界しか見ようとしない 「平成のネオ・リアリズム」からぬけだして、これから僕らがリアルに想像する ことをはじめなければならない「いま・そのそと」にあるゲゲゲの他者たちの存在 というのは、まさに、こういう見えない(というよりも見えなくさせられている) 世界のことなのだなと、そんな風に思ったのでした。 #ちょうどその該当するくだりを書きとってネットにアップしてくださってた方が いらっしゃいましたので、そちらにパスを送ります→「最近の読書録」(8/27) もし、この作品を読んで、何かビビビと感じる方がいらしたら、 『ユリイカ』を出してる青土社から翻訳が出てる J・シーブルックの『世界の貧困』を併せて読まれることを オススメします。 以上、イルコモンズからの、 この夏の推薦図書のお知らせでした。
by illcommonz
| 2005-08-27 13:24
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