はじめに、ふた、ありき
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2003年に「殺すな」で参加したイラク反戦の最初のデモでは、タムを叩いた。となりでは椹木野衣が銅鑼を打ち鳴らし、山川冬樹がホーメイでコールをし、東谷隆司がエレキギターをかき鳴らしていた。「コ・ロ・ス・ナ」の4拍子のコールは、このとき生まれた。以後のデモでは、このコールを支えるために、バスドラムを持ってゆくようになった。同じころ、サウンドデモを後方支援するために結成したT.C.D.C.では、ECDがサックスを吹き、二木信がタムを叩いていたので、自分はスネアを叩いた。T.D.C.の前身であるT.C.D.C.はこんな感じだった。 「ひとつ面白いエピソードがあります。機動隊や公安、一部のデモ参加者がもみくちゃになってニッチもサッチもいかない時に、T.C.D.C.というドラム、サックス、トラメガで音を出したり、ラップをしたりする十人前後の流動的な集団がいまして、彼らが「ドガドガダガ、ブリッ、ブリ、ブー、ブリ!ワー!ってムチャクチャな音を吐き出しながらそこに割り込んでいった。そうやって、踊り踊らされながら機動隊と公安を蹴散らしてゆく。僕の民衆的というイメージはまさにこれです。」(二木信「平岡正明のDJ寄席」より) 「ドガドガダガ、ブリッ、ブリ、ブー、ブリ!ワー!」というむちゃくちゃな音にリズムをつけるにはスネアが適していた。2008年のG8に向けて各地でドラムサークルを開催していたときは、タンボリン、カイシャ、ヘピニキ、マラカシェッタ、ヘボロなどサンバで使うドラムを手にいれ、ドラムサークルのほか、デモでも使っていた。 2011年「怒りのドラムデモ」では、最初、スネアを叩いていたが、T.D.C.の人数が増え、スネアやタムが増えてきてからは、低音のヘボロを叩くことが多くなり、2012年、決壊した官邸前の車道で「再稼動反対」のコールが生まれてから以後は、このコールを支えるためにスルドを叩くようになった。一方、T.D.Cでは、一時期、スネアの数が多くなり、スネアの音がコールをかき消してしまうということが問題となってきた。スネアは持ち運びが便利で、音の遠達性もよく、デモ向きなのだが、数が増えると、コールをかき消すという欠点がある。そう考えると、日本山妙法人のお坊さんたちがデモで使う「団扇太鼓」は、読経の声を消さないという点で優れている。さすが元祖ドラムデモである。それはともかく、スネア問題は重要な問題なので、その解決のためのひとつの方法として、スネアの使用を制限したりするのではなく、スネアを改造してみることにした。以下の「脱スネア化計画」はその記録である。 ▼イルコモンズの「脱スネア化計画」(2012年) Yahooのオークションで1,000円で手に入れた、どこにでもある、ふつうの14インチのスネア。 スネアの命であるスナッピー。 これをはずしてしまう。 スナッピーのストレイナーが不要になるので、とりはずす。 すると、650グラムも軽量化できた。軽いことはデモでは重要である。 さらに軽量化するためテンション・ボルトとラグの数を半分にする。 するとさらに、450グラム軽量化できた。あわせて1キロ以上のダイエットである。 ヘッドのテンション・バランスは悪くなったが、シェル(胴)の鳴りはよくなった。シェルに固定してあった1キロをこえる金属パーツがなくなったのだから、シェルの鳴りがいいのも当然である。ヘッドのチューニングをあげると、「ティンバレス」のような音がする。 ▼ティンバレス さらに軽量化し、シェルの鳴りをよくするために、製造メーカー名のはいったプレートもはずす。これはなくてもいい。 サンバのドラムに「ザブンバ」というのがある。おもしろい楽器で、片方のヘッドからは低音が、もう片方からは乾いた音がする。低音のリズムがメインで、この合いの手のリズム(カウンター・リズム)をもう一方でたたく。 ▼ザブンバ スネアを「ミニ・ザブンバ」にしてみよう。 ザブンバやヘボロ、スルドといった低音のドラムには、「ナパヘッド」という合成皮革をはったヘッドが使われているので、それを自分でつくる。ヘッドはスネアの裏側に使われている薄いヘッドをそのまま使ってもよいが、破れやすいので、家にあった古いスネア用ヘッド(メーカー名不明、REMOのディプロマくらいの薄さ)を使った。 合成皮革は、ユザヤワやオカダヤなどで10センチ単位で切り売りされている。折り返しの部分があるので、ヘッドよりもだいたい10センチくらい長めのものを用意する。 ズレないようにスプレーのりでヘッドと合成皮革を軽くくっつける。(くっつけなくてもいい) 折り返し部分を折りたたみ、シェルにはめる、裏側からペンチなどでひっぱってしわをのばし、テンションボルトをしめる。 片面だけのシングル・ヘッドの状態で叩くと、「ブンブンブンブン」「ボボボボボボボ」というベースのような音がする。ヘッドの裏にガムテープを張ると、さらに芯のある低音(ドスのきいた音)がでるので、このままシングルヘッドのバス・タムとして使ってもいい。 一方、ティンバレスのような音になったスネアの音をきいて、ダブを連想した。ダブではティンバレスの音にエコーやレヴァーブをかけるのだが、それができないだろうか。 ▼ダブ いまのおゆに音楽機材がデジタル化される以前、リヴァーブには「スプリング・リヴァーブ」が使われていた。 あのスプリングリバーブ特有の不安定な響きが好きなので、ヘッドの前面にスプリングを張ってみることにした。ターンバックルを利用し、スナッピーを通すための穴にひっかける。ターンバックルでスプリングの張り具合を調整することができる。 ヘッドを叩くと、フープから伝わる音でスプリングが共鳴して「ユワワワワン。。。。。。。。」という残響音を出す。スプリング本体やフープを叩いても、おもしろい音がする。80年代のニュー・ウェーヴ、というか、XTCのアンディ・パートリッジが好きそうな音があする。 シンバルで「ジジジジ」というシズル音を出すためのアタッチメントに「シズラー」というのがある。着脱式のものは、玉状のチェーンが使われているので、それをスナッピーのかわりに、つけてみることした。 ヘッドを叩くとコンプレッサーやゲートをかけたようなドラムの音がする。ドラムを向きを傾けることで、シズラーなしのティンパレスのような音と、シズラーありのサウンドエフェクトのかかったドラムの音を、瞬時にきりかえることができるようになった。 アフリカやキューバのパーカッションのシェルには、鈴がよくつけられているので、つけてみることにした。 「大リーグ養成ギブス」のようなミニ・ザブンバになった。 ザブンバの低音側のヘッドは、マレットで叩き、反対側は、弾力性のあるスティックで叩く。しなりがないと、ザブンバ特有の「パンパンパン」「ペンペンペン」という音がしない。 菜箸(さいばし)で、スティックをつくることにした。 そのままでは短いので、アルミパイプをグリップにした。 よくしなるように削る。 ムチのようなスティックができた。これで叩くと「バチンバチン」「ペシペシ」という音がする。 ここでおおきな問題がおきる。 両面ヘッドにすると、ナパヘッドの側の低音のヌケが悪いのである。 バスドラムの音のぬけがわるいとき、反対側のヘッドをホール・カットするので、それをやってみることにした。失敗してもいいように、古いヘッドを使ってみた。 ポート・ホールをすこしづつ大きくしてゆく。低音のぬけが断然よくなった。 バスドラの場合、このホールの切り口から出る広域の倍音を抑えるために、リング状のシートを貼るのだが、高音の倍音がでたほうが、スプリングの響きがよいので、そのままにする。 ヘッドがよごれていたので、スプレーで塗装する。塗装していたら、ステンシルでヘッドに何か描きたくなった。 改造の内容をステンシル文字で解説することにした。 ステンシルをきる、きる、きる。 位置をきめる マスキングする スプレーする できた マスキングする スプレーする できた いつものことなのだが、ついつい、ステンシルをクソ丁寧に切って、クソ丁寧にスプレーするので、仕上がりがレタリング文字のようになってしまう。 こちらもシルクスクリーンで刷った文字みたいになってしまった。ほんとはもうすこしラフなほうがいいのだが、まあいいか。 というわけで、スネアが、スプリング・リヴァーブとシズラーつきのミニ・ザブンバになった。見た目も、音も「脱スネア」である。サイズがちいさいので、ザブンバというよりもむしろ和太鼓やちんどんの平太鼓に近い。 ちんどんといえば、このT.C.D.C.のロゴに使っている、ホーンつきのちんどんセットを思い出す。このホーンは鉦の音を大きくするためのものだと思うが、このスネアにも、そういうものつけたくなった。 Yahooのオークションで2,000円で手に入れた手回しサイレンをつけることにした。 ▼手回しサイレン このサイレンは重さが3キロ以上あって、せっかく軽量化したドラムが重くなるのだが、デモには社会に対して警鐘をならしたり警告を発する役目もあるし、ドラムにつけるとサイレンの音が増幅されるので、やってみる。 まず分解して、サビをおとす。 ラスト・リムーバーを使う。 リムーバーで浮いてきたサビをブラシでおとす。 かなりサビが落ちた。ドラムのシェルがシルバーなので、クロームシルバーのスプレーで仕上げる。 サイレン本体をピカールでピカピカになるまで磨く。 きれいになった。 ドラムにとりつける。 サイレンつきミニ・ザブンバ、スプリングリヴァーブ・サイド サイレンつきミニ・ザブンバ、バス・サイド これに丈夫なストラップをつければ、完成。 以上のように、スネアをバス・タムやティンバレス、ザブンバに改造して、脱スネア化することができるので、参考にしてみてください。 かくして、タム→バスドラ→スネア→ヘボロ→スルドときて、ザブンバ、←いまここ。次は脱ドラム化だ。 --------------------------- (おまけ) これは家のなかでできる「デスクラップ・ドラムサークル」のために製作中の、ホーンのついた弦つきパンデイロの試作品 同じくホーンのついた親指ピアノの試作品 (参考) ▼イルコモンズ作 「呪いのドラム」(2012年) http://illcomm.exblog.jp/16765002/ ▼イルコモンズ作 「怒りのドラムチェア」 ピッコロ・タム仕様(2012年) http://illcomm.exblog.jp/16810665/ ▼怒りの日のために(2) 「原発やめろデモ」用ドラム(2011年) http://illcomm.exblog.jp/13299637/
by illcommonz
| 2012-10-28 05:03
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