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「日銀、2カ月連続の金融緩和策決定 異例の措置も株価は下落」
「デフレ脱却へ向け、日銀は30日、異例の措置を打ち出した。2カ月連続となる金融緩和や、新たな無制限の貸し出し制度を決めたほか、デフレ脱却に向けた政府との共同文書を公表した。こうした矢継ぎ早の措置にもかかわらず、株価は下落している」(FNNニュース 2012年10月31日)
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経済にくわしい知人に聞いたら、この「異例の措置」をもってしても、景気の回復は見こめそうにないらしい。そのくらい、この不景気は根深いらしい。そりゃそうだろう、と思う。3.11以降のこの国の政治や行政をみていると、ウソ、ごまかし、インチキ、隠蔽、ペテン、責任のがればかりで、あきれること、がっかりすること、なさけなくなること、落胆すること、意気消沈することばかりである。いまや、この国の人びとの心の景気は過去最低である。世の中を動かすのは、人びとの意気や活力であって、それは金でどうかなるものではない。GNPや株価でしか経済を考えることのできない「金がすべて」の発想では、この心の不景気から脱けだすことはできないだろう。もし本気で景気をよくしたいのなら、政府と経済界は「原発をやめる」と宣言すべきだろう。いつ、また、地震による原発事故が起きるかわからないようなところで、持って逃げられないような家や車を、誰が買う?毎日の食べものや飲みものの汚染を心配しながら、景気のいい仕事をしたり、子供を育てたりできるわけがない。原発がある限り、心の底から笑えないし、ごちそうを食べてもおいしくない。恋をする気にもならなければ、家庭をつくる気にもならないだろう。ひとりひとりの心が不景気では、なにをしたって、冷えこんだ世の中の景気はよくならない。「よろこびをほかの誰かと分かり合う、それだけがこの世のなかを熱くする」 (小沢健二)。これが「人間の顔をした経済」であり、あてにしてよいほとんど無限の再生可能エネルギーである。「金があればなんでもできる」と考えている「金の亡者たちの経済」には、この心の不景気を解消することはできないだろう。ただひとつできることがあるとすれば、それは「原発をやめる」と宣言することだ。「原発をやめて、みんなで一から出直しましょう。大変かもしれませんが、必ずやれます。」と、そういう異例の政策にふみきらない限り、この不景気はいつまでも終わらないだろう。企業や資金の海外流失をうんぬんするより、人の心の流出を心配する「人間の顔をした経済政策」こそ必要だ。
[追記] こういう「景気のわるい顔」をした連中にまかせているから、心の景気もわるくなるのだ。