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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼イルコモンズのデモ用トランペット
▼イルコモンズのデモ用トランペット_d0017381_241835.jpg

 「デモや抗議のコールにあわせて管楽器を吹くとしたら、どんな吹き方をすればよいでしょう?」という相談をうけた。抗議やデモではコールの声が主役であり、楽器はあくまで、コールの声を大きくし、強くし、はずみをつけるためのものなので、管楽器の場合も、ドラムと同様、コールのリズムとテンポにあわせ、単音もしくは2つか3つの音だけをストイックに吹きつづけるのがよいと思っている。そういうふうにすれば、ちょっと練習すれば誰でも吹けるし、ある程度管楽器が吹ける人なら、その場で覚えて、すぐに吹くことができる。実際、2012年3月11日の「怒りと追悼のデモ」ではそうした。

▼追悼と怒りの行進
http://illcomm.exblog.jp/15546443/
▼[3.11のフォークロア] 「人間の鎖」による国会包囲における「音」をめぐる闘争」
http://illcomm.exblog.jp/15733284/

 ただ、スポーツの応援や軍隊ラッパのようにならないようにしたいので、リフは半音階でマイナー調のものがいいと思っている。とはいえ、楽器を持つと、ついついメロディを吹きたくなるのが人の常なので、そうならないように、そうならない管楽器をつくってみた。

▼デモ用トランペットのつくりかた

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 Yahooオークションで500円で手に入れたトランペットを分解する。

▼イルコモンズのデモ用トランペット_d0017381_2284276.jpg
 金ノコでバルブを切断。ここだけちょっと大変だが、それ以外は、ガスバーナーで半田を溶かせば、簡単に分解できる。当初の計画では、バルブのない「ナチュラル・トランペット」でもいいかとも思ったが、自然倍音の組みあわせで吹くリフは、軍隊で使われるビューグルの、突撃や進軍の合図を連想させてイヤなので、全音半の音が下げられる3番バルブを反対向きにして使うことにした。

▼イルコモンズのデモ用トランペット_d0017381_2293664.jpg
[参考] ビューグル(別名・軍隊ラッパ)

▼イルコモンズのデモ用トランペット_d0017381_2301872.jpg
 デモで歩いているとき、知らないうちにレシーバからマウスピースがぬけて、落としたり、なくしてしまうことがよくあるので、マウスピースのシャンクがネジ式になっていて、レシーバにしっかり固定できる「ビューグル」のものを利用する。ビューグルのものは、マウスパイプが伸び縮みしてチューニングができるので、具合がよい。

▼イルコモンズのデモ用トランペット_d0017381_2323712.jpg
 せっかくバルブを1本にしたので、管全体をコンパクトにまとめることにする。主管抜き差し管を、別のトランペットからとった小さなカーブのものに交換する。他の管楽器と合奏しやすくするため、基音はB♭にしたい。そのためには管の全長を135センチくらいにしなければならない。

▼イルコモンズのデモ用トランペット_d0017381_2311415.jpg
 そこで、3番管とベルのあいだに迂回管のようなものをつくって、長さを調整(延長)することにした。

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 管楽器を改造する時に出る半端な長さの管を、管と管をつなぐジョイントにする。

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 延長管ができた。うしろに重心がある方が長時間持っていても疲れにくいので、手元に配置する。

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 仮組みしたものを、ふつうのトランペットと比べてみる。コンパクトである。シンプルである。ポータブルである。目的がはっきりしている。「自己表現」のための音楽とは無縁である。

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 支柱を半田づけして管を補強する。丈夫であることは、デモでは重要である。

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 持ちやすいように、指かけを半田づけする。

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 デモでは、トランペットにストラップをつけると持ち運びが便利で、楽器の持ち替えもできるので、ビューグルからとりはずしたストラップ・ホルダーをつけることにする。

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 主な改造部分。シングル・バルブ、ネジで固定できるマウスピース、コンパクトな配管、ストラップホルダー。

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 最後に、半田づけした管に息漏れがないか、水の中につけて確認(一箇所漏れてた。。。)。

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 できた。デモ仕様のB♭シングル・バルブ・トランペットである。

 バルブがひとつしかないので、普通のトランペットよりも400グラムほど軽い。軽いことはデモでは重要である。「トランペット改造法」のサイトには、こう書いてある。

 「楽器をいじると言うことは、それだけ楽器のことを考え、愛していると言うことになると思います。重要なのは、何のために改造するのか、その改造はどんな効果が起こるのか、それは何故起こるのか等を、自分で考えて勉強する事だと思います」(「トランペット改造法 本体編」より抜粋)

 「何のために改造するのか」といえば、デモや抗議のコールをもりあげるためにである。「その改造はどんな効果が起こるのか」といえば、デモで持ち歩きやすく、マウスピースを落とさないということである。「それはなぜ起こるか」といえば、自分が、音楽のための音楽や楽器のことよりもデモのことを考え、デモが大事だと思っているからということになるだろうか。
by illcommonz | 2012-11-04 03:07
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