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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼「だから、灰色を倒したいのです」
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 「スイッチは、うさぎたちが、灰色について、「豊かな」国々の人たちと話していると、相手の中で、突然、カチリと音をたてて作動するようでした。そして、スイッチが入ると、みんなの口から、まるであらかじめ録音された音声メッセージが流れ出すように、まったく同じ言葉が流れ出すのでした。そのひとつは、「ここまで来てしまった世の中だ。昔には帰れないよ」というものでした。けれど、そもそも、「昔にかえろう」なんて、誰も、一言も言っていないのです。うさぎたちは、ここまで来た世の中だからこそ、以前の世の中では考えられなかった生き方が可能になると思ってました。それがどんな生き方か、三時間とか、三日とか、三ヵ月とかで説明することはできません。現実の世界は、現実の生活で出来ています。現実の人が生きていて、現実の土地があって、現実の過去があります。一つ一つ違う状況で、一つ一つ違う合意が生まれます。現実の世界は、現実の時間がかかって出来るものです。「こんな社会の仕組みで行きましょう!」と手みじかに説明できる人は、かなり怪しい人です。あるいは、「灰色に代わる仕組みは何だ?お前の代案は何だ?早く言ってみろ!言えないだろう!」と言う人は、現実の世界は、現実の時間と、現実の生活で出来ているということを、知らないに違いありません。ここまで来た世の中だからこそ、たくさんの可能性が拓けています。けれど、人を押さえつけて、人の考える自由を奪う灰色が支配していては、その可能性に足を踏み出すことはできません。だから、灰色を倒すのです。人が今までに考案した機械や物質には、役に立つものも、役に立たないものもあります。役に立つ、すばらしい発明には、自転車や、圧力釜や、アスピリンや、塩素のはいった水道水などがあります。どうしようもない発明には、核兵器や、フケ防止のシャンプーや、匂いのついたタンポンなどがあります。そして、自転車と核兵器という両極のあいだに、自動車、プラスティック、水洗トイレ、など数々の発明があります。その数々の発明について、みんなで考えて、相談して、コントロールすること。灰色にあざむかれるまま、自動車やプラスティックを大量に消費し続けるより、ずっと良さそうです。ここまで来た世の中だから、自信を持って、新しい世の中の仕組みを考えることもできそうです。待ち、望む、灰色を倒した後の世界。虹を回復した、希望を回復した絵本の国の人たちなどは、かつて絵本の国にあった「里山」のように、「電気がいらないほどのハイテクノロジー」を考えだすことができるかもしれません。けれど、灰色が、星を壊しながら、人びとを押さえつけながら、人びとの考える自由を奪いながら、昆虫たちを絶滅させながら、空を溶かしながら、お金の塊を大きくしている限りは、虹の色ほどもある可能性の一つさえ見えません。だから、灰色を倒したいのです。」(小沢健二「うさぎ!」(2007年)より)
by illcommonz | 2012-11-07 22:55
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