はじめに、ふた、ありき
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今日は、中野のスタジオSAIで、
ダンス・シアター、パパ・タラフマラの 公演『三人姉妹』を観てきました。 もともとチエホフの『三人姉妹』は、 あまり好きな戯曲ではないのですが、 今日のパパ・タラの公演を見て、 なぜ、好きになれなかった、のかが はじめてようやく分かり、 チエホフの本をあそこまで"大股びらき"にして、すべてを見せきってしまった、 パパ・タラ版の『三人姉妹』にすっかり感服してしまいました。なんというか、こう、、、 綴じられた本を全開にして、それをさらにひらいていくと、やがて、パキッ、と 背中が折れて本がこわれ、綴じ糸の縫い目とか糊のはみだしなんかが露出 してしまう、そんなふうな感じで、思わず、チエホフの本が、「あら、いやだ、 あたしったら、こんなそそうをしてしまって、はしたない。。。」と、赤面してしまう ような演出と舞台で、ウソをつかない(つけない)、まっすぐな人間のからだ というものを、あますところなくぜんぶまるだしに見せてくれた、逞しき おんな芝居でした。 そして、やがておとずれるラストの、ものすごい爆音のなかで、 空にむかって全快してゆく生の宣言は、なかなか感動的で、 できればそこからまきもどして、もういっぺんはじめから見たくなります。 会場で配布された案内によると、今年の暮れには、劇団創設以来の目標 であった「百年の孤独」を、二十四年目にして遂に、舞台化するそうです。 すでに伝説となってる「天井桟敷」の舞台を見損ねて、もっぱらビデオと 映画「さらば箱舟」、それに、大学演劇部の定期公演なんかでのみ観てきた この怪物作品が、パパ・タラの手でどんなふうに、いま化けて出てくるのか、 これは見ものですし、見のがせないと思います。 「HEART OF GOLD~百年の孤独」 すべては空と股の物語 あと余談ながら、芝居を観る時は、いつもできるだけ前の席に座るのですが、 今日は運よく一番前の席に座れたので(というか、一番前の席はたいてい いつもあいてる)、役者の立てる息の音がすぐそばで聞きとれてよかったです。 そんなふうに一番前でナマ身のからだが地べたをころげまわり、とびはね、 くるくるまわったりするのを観てたら、フィールドワーク先のアフリカの村で、 あしかけ7年くらいずっとみてたシャーマニズムの儀式の場に 急につれもどされたような錯覚をおぼえました。 おんなたちが主役のその儀式の詳細は省きますが、その儀式は、 その社会の常識のある大人なら、そろってまゆをひそめるような "いかがわしい"ものとされてて、"こどもが見に行くようなものではない" とされてる(でも、実際にはこどもがいちばん熱心にみてる)、 シリアス・コメディ・タッチの演劇的儀式で、それをこどもたちにまじって 一晩じゅう観てた時の記憶と、お尻の痛さがちょっと甦ってきました。 それはさておき、あぁ、そういえば……と、それで気がついたのは、 いつの頃からか、そんなふうに、"こどもが見に行くようなものではない" とされるような場所やモノが、僕らの身のまわりから少しづつ姿を消し、 ごく一部の映画や雑誌をのぞけば(というか全然のぞけてないけど)、 いま世の中にある多くのものが、こどもむけの場所やものになってる ということで、「せっかく大人になったのに、これじゃつまらないな」 ということでした。 今日見た『三人姉妹』はエロでも グロでもストリップでも何でもない、 真っ当な現代劇だけども、どこか 「こどもが見に行くようなものではない」 ものの感触があります。実際、もし 僕がこどものときにこれを観てたら、 たぶんいまとは女性観がまるっきり 違ってたと思います、の、で、 こどもが見に行くようなものではない、この劇は、ぜひともまず、 こどもたちに観てもらいたいものだ、とそう思いました。 #そういえば、今年も、もうじき、9月11日だ。
by illcommonz
| 2005-09-10 23:19
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