はじめに、ふた、ありき
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【テスト問題】 「講義で見たり聞いたりした資料や映像をもとに、自分で回答できる問題を自分で考えて自分でつくり、その問題に自分で答えを出して、それを自分で評価して下さい(ただし、評価はABCや点数でつけないこと)。」(文化人類学解放講座「テスト」より) 「今、履いているスニーカーが、どこかの国の貧しい子供たちによって、作られたモノかもしれない、ということを私たちは知らない。チョコレートが何なのかを知らずに幼い子供たちがカカオを採っていることを私たちは知らない。私たちと世界中の人々とを結ぶ、このすばらしいネットワークはまるで蜘蛛の網のようだ」 「私たちは自分の買っているものが、誰がどこで作ったものなのか、ほとんど知らない。私たちが買っている「安くて良い商品」を作るために。途上国では最低限の生活に必要な賃金させ受け取れない人がいる。私たちには買い物で「選ぶ」自由がある。ならば、そういう人たちの力になるもの、ならないもの私たち次第。」 「Q:スウェットショップ問題について、いま自分にできることは? A:新しいものではなく、いま持っているナイキの靴で、スウェットショップの児童労働、低賃金労働などの問題をわかりやすく伝える。」 「モノにあふれた薄っぺらな世界で、いま、私たちにできる衝動買いをとめる方法は、心のストレスを軽くすること。そのために、人と人が互いの顔をあわせ、良い関係を持って、よくほめあい、互いを認めあうことが有効になる。」 「カンボジアで働く先生の六割は、最終学歴が小学校。そのため教えられる内容が少ないし、中学校以上の先生の数が少ないです。だから、カンちゃんは、たくさんの子供たちに教えられる先生になりたいと思ったのです。」 「Q:3.11もたらしたものは? A:がれきと黒い雨」 「我々にもっと愛という知恵があれば良かったのに。」 「前期も、実際に官邸前に足を運んでデモに参加したいと思っていたのだが、現在に至った今でも、私自身はまだ一度もデモに参加したことがないことに対し、自責の念にかられる。参加したいという気持ちはあるものの、自分の保身のためか、なかなか行く勇気が出ないという情けない葛藤の途中にある。自信を持って早くデモに参加できるように、早く自立がしたいというのが正直なとこである。右の理由から評価はDである。社会のかたわらで苦しんでいる人を見過ごし、そして見捨てながら平然と生きることに、人間の生きる意味なんてないのだと、改めて、深く実感した。」 「Q:授業を受けて一番伝えたいことを、一番伝えたい人に伝えよ。A:拝啓 デモ活動を続けている○○さんへ 最初にまず謝らせてください。私はあなたたちの活動を勘違いしていました。デモ活動をするあなたたちはなんとなく悪い人で、世界を乱す人たちだと思っていました。本当にすみません。でも、国会議事堂前でのデモを観たときに、私のなかで何か違和感を感じました。心がざわざわするような、何かが変わるかもしれないというような気持ちになりました。その頃から「デモ=過激な人がやるもの」という私のイメージが一面的な解釈だることに気づきました。「世界は一部の人間が変えていくもの」というイメージを壊していただき、ありがとうございます。どこかの活動の場でお会いできることを楽しみにしています。敬具」 「皆、描き方や捉え方が違うが、どれも正しい。三次元を二次元に変換する方法としては色々あるので、どれも間違いではない。人の数だけ答えがある。この文化人類学のテストのように(笑)」 以上、文化人類学解放講座「答案」より -------------------------------- 講義でいつも話すことがある。それはこういうこと。「この講義で、みなさんを文化人類学者にするつもりはありません。そうではなく、みなさんには「文化人類学者になりそこねた表現者」になってほしいのです。といっても、アーティストになる必要はありません。アートを「メディア」として使えるようになってほしいのです」。そう、アートは、ことばでは伝えきれないことやことばだけでは届かないことを伝えるための補助手段であって、目的ではない。 今年も「文化人類学者になりそこねた表現者のたまご」が生まれた。 ▼文化人類学解放講座エンディング
by illcommonz
| 2013-01-29 01:09
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