![]() はじめに、ふた、ありき
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![]() 続いて、ステージに上がったのは、 元・アナーキー、いゃ、もとい、 元・亜無亜危異の仲野(←すみません、 呼び捨てにして、でも、この方が 感じがでるので)率いるゲタカルビ。 というかアナーキー復活祭でした。 なにせ、デヴュー当時話題になった 「動労のナッパ服」[*註]に赤の腕章 という、かつてのアナーキーの正装 姿でステージに登場したのですから、それはもう、パンクスのメーデー、 闘う国家公務員、戦闘的労働組合員たちのお祭りなわけです。 ![]() (こくてつどうりょくしゃろうどうくみあい)」の略称。 「動力車」は機関車のことで、「国鉄」というのは 「日本国有鉄道」の略称、分割民営化される前の JRのことです。「ナッパ服」というのは、紺や青の 「作業服」もしくは「制服」のことで、語源は野菜の 「菜っ葉」から。後は自分で調べて下さい。 こういう文字通りの「ブルーカラー」のナッパ服があった頃の労働組合 というのは、「昔は組合が強かった」と、今では昭和の「日本むかし話」の 一つとして語り伝えられるように、会社のゆうことを、おとなしくきいたりせず、 なにかあれば、ストとデモで徹底的に闘うという、ちゃんとしたレジスタンスの ユニオンだったわけで、そのなかでも「動労」は特に、ゆうことをきかない組合 だったようなので、当時としても、また、この日の服装としてもそれは、 TPOに合った、ただしい服選びなわけです。 もっとも、この異装ゆえにアナーキーは、アーリー・エイティーズのパンク バンドの中では、どちらかというとイロモノ扱いされてましたが、その実、 朝霞駐屯地へのサウンドデモ行動とか、日本のロイヤル・ファミリーを 梅干スッパクこきおろした「東京イズ・バーニング」とか、実は政治の現場に いちばん近いところにいたバンドで、現場に立つことも辞さないからこそ、 悪役覆面レスラー的な扮装が必要なわけで、アナーキーのナッパ服は、 タイマーズのヘルメットとならべて、考えてみるのがよいと思います。 ![]() 誰がどう見てもベタに被ってないのが一目瞭然、 なのと同じくらいの距離感が、アナーキーとナッパ 服のあいだにあるように思います。だいいちナッパ服も ヘルメットも、あまりに具体的すぎる歴史と文脈が あるため、いろいろ誤解を招きやすく、実際それを 身につける段になると、つい身にひけて、着るのを ためらってしまうようなものです、が、清志郎とアナーキーは そのためらいにまず抵抗するところからはじめて、 しかも、あえて誤解を呼び込むための挑発の道具として それを選び取っているようです。それにそもそも、この世で唯一信じられるのは、 イッツ・オンリー・ロックンロールで、どんな組織や党派からも必ずはみ出して しまうような人間に、組織の制服や党派のヘルメットが、似合うはずがなく、 もうすでにそこには距離感とズレがあって、それがオカシイわけです。 いいかえれば「東京イズ・バーニング」のぷーーーーというまぬけな検閲の ブザー音みたいに、はなから承知できないものを、あえてとりこんで、 それをひっくりかえしてみせてるわけです。そして昔も今も、そういうのを 「ふざけている」と見る人が少なからずいるようですが、そういう人には、 「ふざけてでもないと、とてもやってられないこともある」ということをぜひ 知ってもらいたいものです。 それで肝心の演奏はどうだったかというと、これもすでにデビューの頃から 何百遍となく云われてきたように、基本的にはロックの伝統的なスリーコードと リフを使った、とにかく速度が速いだけのロックンロールで、音楽的には 何ひとつ新しいところのないストレートなパンクですが、その後、ハードコア パンク、スラッシュメタル、グラインドコアと、さらに幾何級数的に速度と音圧を 上昇させてきた、いまどきのパンクを日頃から聞きつけている若いオーディエンスを、 水深5㌢の池にとびこませ、ステージの上までモッシュの水しぶきあげさせたのだから、 そのことだけ書いておけばもうそれで十分ではないかと思いますし、 ![]() 起こさせるのは、やはりエライもんだな と思います。たとえ、ナッパ服がちょっと くたびれかけてきてるとしても、そして、 お腹が少しばかり出てきているとしても、 仲野は死ぬまでこのまま仲野なんだろうなぁ、 というのが、それ以上でもなければ、 それ以下でもない、正直な感想で、 その変わらぬ×(ぷーーー)×ぶりに ちょっと感動もした。
by illcommonz
| 2005-09-20 22:23
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