はじめに、ふた、ありき
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▼クラフトワーク「放射能」(1975年) [歌詞] 放射能はあなたと私のあいだの空気中に存在する 放射能はキュリー夫人によって発見された 連鎖反応と突然変異 汚染された集団 [展示担当者のことば] 3.11のあと、クラフトワークの「放射能」をくりかえし聞いてました。「放射能はあなたと私のあいだの空気中に存在する」という歌詞が、まさに現実になってしまったのだなと思い、いたたまれない気分で聞いてました。放射能を発見したキュリー夫妻のことをうらめしくも思ったこともありました。 ▼マリー・キュリーとピエール・キュリー ▼「ピエール&マリー・キューリー伝 第5章:ラジウムの発見」 でも、ある時ふと、ピエールが「ピエゾ素子」を発明した人物でもあったことを思い出したのです。 ▼「ピエール&マリー・キューリー伝 第5章:第6章:ノーベル賞受賞と突然の死」 【ピエール・キュリー】 「ピエール・キュリー(1859-1906)は、フランスの物理学者。結晶学、圧電効果、放射能といった分野の先駆的研究で知られている。1903年、妻マリ・キュリーやアンリ・ベクレルと共にノーベル物理学賞を受賞した。1880年、パリ大学鉱物学助手の兄ジャックと共に水晶などの結晶に圧力をかけると電位が発生するという圧電効果(ピエゾ効果)を発見、公表した。翌年の1881年、彼らは逆の現象、すなわち水晶に電界を印加すると微妙に変形するという現象を確認した。今日、この現象を応用した水晶振動子が多くのデジタル回路で使われている。」 ピエゾ素子は、楽器のピックアップ・マイクなどに使われている素材で、楽器の振動をひろってアンプに伝えるものですが、圧力を加えて振動させると効率的に電気を発電することも知られています。 【圧電効果】 「圧電効果(あつでんこうか)とは、物質に圧力を加えると、圧力に比例した分極(表面電荷)が現れる現象。また、逆に電界を印加すると圧電体自体が変形する現象は逆圧電効果とも言われるが、この現象も含めて圧電効果と呼ぶ場合もある。これらの現象を示す物質は圧電素子(ピエゾ素子)と呼ばれ、スピーカー、マイク、ライターやガスコンロの点火、ソナー等に圧電素子として幅広く用いられている。圧電体は誘電体の一種である。」 いまさら、キュリーたちをうらんでみてもはじまらないので、ピエールが遺したもうひとつの発見物で、なにかつくってみようと思ったのが、「ピエールの時代」のはじまりです。 ▼「ピエールの時代1/ゼンマイと太陽」(試作品) [素材] ピエゾ素子、廃品メトロノウム、太陽電池ほか 「ゼンマイと太陽」は、電気のいらないゼンマイを動力源と同時に音源にし、太陽電池が不安定に発電する電流をランダムな可変フィルターに使ったアナログ・リズムマシンです。現段階では、ピエゾ素子をピックアップだけに使ってますが、いずれ改良をくわえて、パイロットランプのLEDを点滅させるのにも利用しようと考えています。ピエゾを使ったエネルギー装置(振動発電など)の開発は、ハードサイエンスの専門家たちにまかせて、アマチュアである自分は、ピエールが残したもうひとつの発見物から、音や光にとりだす「原発のいらない未来」の音響装置をつくりたいと思っています。 ▼「ピエールの時代2/電気サックス」(試作品) [素材] ピエゾ素子、廃品アルトサックス、廃品バリトンベル、9V電気式プリアンプ、3V電池式プリアンプ、9V電池式ファズ、スピーカー、ダイナミックマイクほか 2011年の夏、「アトミックサイト」展を監修したとき、「3.11以後、安全を語ることは野蛮である」という文章を書きました。これは「アウシュビッツ以後、詩をつくることは野蛮である」というアドルノのことばが元になっているのですが、この言葉を考えているとき、もうひとつ浮かんだ言葉があります。それは「3.11以後、美しい音色を奏でることは残酷である」というものです。ばかげたことかもしれませんが、3.11以前の常識や考え方を無反省に採用しないという「原発ダダイズム」の実験として、この言葉を、それこそバカがつくくらい正直に実行してみた結果、とてもきたない音のする、みにくい改造管楽器がいくつもできました。もともと原発に反対するデモ用の楽器としてつくったものなので、音がきたないだけでなく、とても大きな音がします。その中でも特にきたない音が出せる改造サックス(バルトサックス)を電化して、よりノイジーにしたのが、この「電気サックス」です。原発がつくる電気は罪深いものですが、だからといって、電気楽器に罪があるわけではないと思うので、わざと電化しました。 ▼ファズ回路とプリアンプ回路 ▼ピエゾ・ピックアップつきネック 1960年代にセルマー社が「MARK Ⅵ」(サックスの名器)のネック部分にピエゾ素子を装着した「ヴァリトーン」というサックスをつくっていたので、それを手本にして、つくりました。増幅と変調の回路はいずれも、9Vの電池で稼働するので、デモでも使えます。ピエゾ素子でピックアップしたサックスの音は、ファズ回路に流れて変調され、プリアンプ回路で増幅されます。その音はスピーカーを通してサックスの管のなかにフィードバックされ、その音がバリトンのベルの振動でさらに増幅されるという「セミアコースティック/セミエレクトリック」のしくみになっています。 ▼イルコモンズ「ベンド・ラジオ・アクティヴィティ」 [素材] 廃品ラジオ クラフトワークのアルバム「レディオ・アクティヴィティ=放射能」は、「ラジオ」と「放射能」をテーマにしたコンセプチュアル・アルバムだったので、原発を製造してない日本の電気メーカーの古いトランジスタ・ラジオをサーキット・ベンディングして、警報音を発するアナログ・シンセのモジュールもつくりました。 ▼東京・渋谷 Bonobo 「二階・和室ラウンジ」 ほかに、今回は「アトミックサイト」の一部を日本の和室空間に展開させた「アトミック座敷」も展示する予定です。(イルコモンズ 2012年7月3日) ------------------ [テキスト] ▼クラフトワーク「放射能」(1975) ▼クラフトワーク「ウラニウム」 [歌詞] 定数壊変によってウラニウムは 放射線を生成する ▼クラフトワーク「ラジオの土地」 [歌詞] ラジオのダイアルをまわして、 短波放送を電波をキャッチすれば、 ラジオの土地から電子音楽の サウンドがきこえてくる。 [替詩] ラジオの回路をベンドして、 回路をショートさせれば ラジオの回路のなかに宿る ノイズサウンドがきこえてくる。 ▼クラフトワーク「放射能」(2012年) [歌詞] 日本でも 放射能 きょうも いつまでも フクシマ 放射能 空気、水、すべて 日本でも 放射能 いますぐ やめろ --------------------------------- [参考] 【発電床】 「発電床(はつでんゆか)とは、上を歩くことにより発電する仕組みを持つ床型の装置である人が歩いたりモノが移動したりする際に生じる圧力のエネルギーを利用して発電する床型の発電機である。具体的には、装置内に圧電素子が内蔵されており、歩行した際や車が通過した際などに生じる圧力のエネルギーを、効率良く電気エネルギーに変換するもので、ガス器具の点火装置と同じ原理で発電している。LEDを内蔵して、停電時に避難経路を案内したりするものが実用化されている。また、節電で照明を落としていても、足元を確認しながら歩く事ができるという。この発電は床型の装置を設置するだけでどこでも発電可能であるため、その応用先も多く、通常の自家用発電機としての使用に加え、災害時などの緊急補助電源としての活用も想定されている。さらに、これからのユビキタス社会における電力供給源の確保に対する解決策としても期待されるなど、活用範囲が多岐にわたることから、応用分野を特定することなく様々な研究が行われている。」 ---------------------------------- [関連] ▼映画「Arlit Second Paris/サハラ砂漠のウラン」 ▼「濃縮ゼラニウム/Enriched Geranium」 [日時] 2013年7月4日20:00- [場所] 東京・渋谷 Bonobo (渋谷区神宮前2-23-4) 20:00 DJ (Alissa) 21:00 セッション (Tanji+岩田渉) 22:00 映画「Arlit Second Paris/サハラ砂漠のウラン」上映 23:00 トーク Alissa (Sahara-Eliki)/Oki (Seaside Paradise)/ 丹治宏大(CRMS/市民放射能測定室)/岩田渉(CRMS/市民放射能測定室) [特別ゲスト] Oki [インスタレーション] イルコモンズ「ピエールの時代」「アトミック座敷」ほか
by illcommonz
| 2013-07-04 19:53
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