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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼茶色に染まりはじめた日曜日

▼「すばらしい朝」(2005年 フランス)
[監督] セルジュ・アヴェディキアン
[原作] フランク・パブロフ「茶色の朝」

 わたしは眠ることができなかった。
 茶色の話を信用すべきではなかったのだ。
 茶色にはNOと言うべきだったのだ。
 もっと抵抗すべきだったのだ。
 でも、どうやって?
 連中の動きは迅速だったし、
 私には仕事もあれば、日々の生活の悩みもある。
 他の連中だって、静かな生活がしたくて
 手をこまねいていたんじゃないのか?
 誰かがドアを叩いている。
 まだ明け方のこんな早い時刻なのに、
 いままでなかったことだ。
 陽はまだのぼっていない。
 外は茶色だ。

▼フランク・パブロフ「茶色の朝」[あらすじ]
 「世界中のどこにでもあるような、とある国の物語。友人と二人でコーヒーを飲みながらおしゃべりをするのを日課にしている男がいた。ある日、主人公は、その友人が飼い犬を始末したということを聞かされる。その理由は、ただ毛色が茶色じゃなかったからだった。その国の政府は、茶色の犬や猫のほうがより健康で都市生活にもなじむという理由で、茶色以外のペットは飼わないことを奨励する声明を発表したばかり。主人公は、自分が飼っていた白黒の猫をすでに処分した後であったが、友人がその犬を始末したことに少しショックを受けた。時は流れ、二人は日課をいつも通りつづけていたが、小さな変化が起こっていた。人々は話し方を微妙に変え、茶色以外のペットを排除する政策に批判的だった新聞は廃刊になった。それでもたいして変わらない日々の生活がつづいた。友人はあたらしく茶色の犬を、主人公も茶色の猫を飼いはじめた。でもその時には、さらに新しい状況が生まれていた。友人をはじめ、多くの人々の逮捕がはじまった。そして夜明け前-ある「茶色の朝」-主人公の家のドアをノックする音がする・・・」

▼フランク・パブロフ「茶色の朝」[解説]
 「ごく普通の国家が、日々の生活に知らぬ間に忍び込み、人びとの行動や考え方をだんだんと支配するようになるさまを描いたショート・ストーリー」

[関連]
「茶色に染まり始めた朝」
 「事なかれ主義」がファシズム台頭を許すと警鐘を鳴らし、フランスでベストセラー、多くの国でも翻訳された短編寓話『茶色の朝』。作者のフランク・パブロフ氏を仏グルノーブル市の自宅に訪ねたのは、邦訳が出版された九年前のこと。欧州で移民排斥など右傾化の嵐が吹き荒れ、日本も教科書検定問題など息苦しさが漂う時期だった。“茶色”とはナチスの象徴の色だ。あらすじはこうだった。ある日、毛が茶色以外のペットは法律で禁止された。これを批判した新聞が廃刊となり、本や服装、政党名に茶色が強制されていく。しかし、不自由のない日々だからと声を上げないでいると、過去に茶色以外のペットを飼った者まで逮捕される法律ができ、主人公に危険が迫る…。パブロフ氏は諭すように解説してくれた。民主主義を花瓶に例えて「少しだけ欠けたのをほっておくと、ひびはだんだん大きくなる。まあいいかと思っていると、いつの間にか割れてしまう」。毎朝起きたら注意を払い、時には行動しないと守れないものだ、と。そう、夏の参院選まではタカ派色を隠し、「国のかたち」を変えにかかるのは選挙後だろうと油断していると…。武器輸出三原則は例外の積み重ねですでに骨抜きに。集団的自衛権行使を模索する動きも、自衛隊の国防軍への改編や交戦権を認める新憲法づくりも、この国ではもう相当に前のめりなのだ。」(東京新聞 2013年3月20日)
by illcommonz | 2013-07-23 03:11
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