
COLORS|MUSIC
RIO FUNK
(IRM 11CD)

このところイルコモンズが仕事しながらよく聞いてるCDです。
これはブラジルのリオ・デ・ジャネイロのファヴェーラ(スラム)で
いま激しくブレイクしてるという、ブラジル版ヒップホップ、通称
「リオ・ファンク」のコンピレーションアルバムです。国籍上は、
ブラジルの音楽ということになるのでしょうが、なにしろ、あの
「COLORS」がリサーチして、
「IRMA」がリリースしただけ
あって、「こら!どこのどいつだこんな音楽をつくったのは!
こんなブラジル音楽、これまできいたことないぞ!」といいたくなる
くらい、いわゆる「ブラジル音楽」として知られてるトラッドなものや
フォークなものの領域から3万マイルくらい、はるか遠くはなれた、
まったくノバノバなブラジルの音楽です。ふつうブラジル音楽と
いうと、まずはサンパにボサノバにサルサで、その手のものは、
「ちょっとおしゃれで、ちょっぴりサウージ・サウダージ」(JAL)
なものから、聞いてるそばから泥まんじゅうの山が積みあがって
いくくらい泥くさいコテコテのものまで、さらには、サウダージとは
孤絶無縁のサンパウロの80sポスト・パンクあたりまで、だいたい
ひと通りは聞いたことありますが、そのどれとも全くちがうし、
M・カウリスマキの映画「モロ・ノ・ブラジル」に出てくるファンク
バンドともまた違っていて、リオのファヴェーラは、アマゾンの
ジャングルよりはるかに魔境で、ストリートには、音楽の無限の
地下水脈が流れている、と思わせるような近未来のブラジル
音楽になってます。

なんというか、このファヴェーラの電柱の電線みたいに、マイアミ
ベースとかハウスとかいろんな音楽のラインが交流してスパーク
してる感じの音楽です。