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いる・こもんず 【普通名詞】 01| ありふれて変なもの 02| 扱いにこまる共有物 03| 分けても減らぬもの 04| 存在とは常に複数で他と共にあり、狂えば狂うほど調子がよくなる
はじめに、ふた、ありき

イルコモンズ編
見よ ぼくら
四人称複数
イルコモンズの旗
(Amazon.comで
大絶版廃刊中)
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▼「ひとりのこらず、そこからでてゆけ」
▼「ひとりのこらず、そこからでてゆけ」_d0017381_14593851.jpg
▼「特定秘密保護法案が可決され、抗議の声を上げ、衛視に制される傍聴人」
 (平成二十五年十一月二十六日午後八時十一分 国会議事堂、日本)

 これは、かつてのどの時代の、どの独裁国家で起きたことなのだろう、と錯覚してしまいそうになるような写真だが、これは、いま、このくにで起きていること、ほんの数日前に日本の国会のなかで起きたことである。傍聴人は、口のなかにつめものをされて、衛視たちによって国会からひきずりだされた。自分はこんなめにあいたくないし、誰もこんなめにあわせてはいけないはずだ。もしこれを民主主義と呼ぶのなら、それは「偽装民主主義」と呼ぶのがふさわしい。こういうことを目にするたびに、よみなおす本がある。民主主義とはなんだろうと考えるたびに、何度もよみなおす本がある。それは、かつて、このくにの文部省(現在の文部科学省)が、このくにのこどもたちにむけて書いた本で、「新しい憲法のはなし」には、こう書いてある。

 「國では、だれが「いちばんえらい」といえるでしょう。もし國の仕事が、ひとりの考えできまるならば、そのひとりが、いちばんえらいといわなければなりません。もしおおぜいの考えできまるなら、そのおゝぜいが、みないちばんえらいことになります。もし國民ぜんたいの考えできまるならば、國民ぜんたいが、いちばんえらいのです。こんどの憲法は、民主主義の憲法ですから、國民ぜんたいの考えで國を治めてゆきます。そうすると、國民ぜんたいがいちばん、えらいといわなければなりません。國を治めてゆく力のことを「主権」といいますが、この力が國民ぜんたいにあれば、これを「主権は國民にある」といいます。こんどの憲法は、いま申しましたように、民主主義を根本の考えとしていますから、主権は、とうぜん日本國民にあるわけです。そこで前文の中にも、また憲法の第一條にも、「主権が國民に存する」とはっきりかいてあるのです。主権が國民にあることを、「主権在民」といいます。あたらしい憲法は、主権在民という考えでできていますから、主権在民主義の憲法であるということになるのです。」(文部省「新しい憲法のはなし」

 「いちばんえらい」はずの「主権者」を、あんなめにあわせていいわけがない。「新しい憲法のはなし」には、こうも書いてある。

 「みなさん、民主主義は、國民ぜんたいで國を治めてゆくことです。そうして國会は、國民ぜんたいの代表者です。國会は、國民がえらんだ議員があつまって、國のことをきめるところですが、ほかの役所とちがって、國会で、議員が、國の仕事をしているありさまを、國民が知ることができるのです。國民はいつでも、國会へ行って、これを見たりきいたりすることができるのです。また、新聞やラジオにも國会のことがでます。國の仕事の正しい明かるいやりかたは、こゝからうまれてくるのです」(同上)

 ところが、その「正しい明かるいやりかた」は、いまや、こうである。

 「NHK国会中継では、今津さんの「委員長!」という声や、理事・委員らが委員長席に殺到する場面が遠巻きに流れながらも、アナウンサーが国会中継終了のアナウンスを継続。この過程で、マイクの音が一瞬絞られる場面があり、NHK放送センターの担当者が早めに幕を引こうとした可能性があります。自民党議員の子息が多くつとめるNHKと自民党の連係プレーで、国民の目と耳をふさぐ時代がスタートしました。」(「NHK国会中継終了とともに強行採決で国民の目と耳ふさぐ平成翼賛会 特定秘密保護法案可決 衆・特別委」より)

 ・・・・・・・ (国営放送がそれじゃ、國民は、みえない、きこえない、わからない)

 「國会がなくなれば、國の中がくらくなるのです。民主主義は明かるいやりかたです。國会は、民主主義にはなくてはならないものです。みなさん、國会の議事堂をごぞんじですか。あの白いうつくしい建物に、日の光りがさしているのをごらんなさい。あれは日本國民の力をあらわすところです。主権をもっている日本國民が國を治めてゆくところです。」(同上)

 いまでは、国会のせいで、国のなかがどんどんくらくなっていっている。ちなみに自分は、国会が「白いうつくしい建物」だと思ったことは一度もない。抗議にいくたびに、やはり国会は灰色の霊廟(マウソレウム)のような建物だと思っていつも見ている。そして、その灰色の墓石にふさわしいのは、「日の光り」ではなく、天罰のような「雷(いかづち)」だと思っている。

▼「ひとりのこらず、そこからでてゆけ」_d0017381_14595842.jpg
▼小田マサノリ「議会制民主主義の果ての狂い咲き国会前サンダーロードを偲ぶ」より転載

 もちろん、天罰をくだすのは神ではなく、主権者たちである国民である。いま、国会の前で「忘れられた主権者」のひとりとして云いたいことがあるとすれば、いや、云わなければならないことがあるとすれば、このことばにつきる。特定秘密保護法案の可決に加担する議員たちは、国会から、

 「ひとりのこらず、そこからでてゆけ、全員、そこから、でてゆけ」

 口をふさがれて国会からひきづりだされなければならないのは、いま、このくにの国会を占拠している議員たちのほうである。

---------------------
[参考1]


▼ビッグノイズ「第四次世界大戦」(8分 日本語字幕あり)

▼ナオミ・クライン「全員、出てゆけ」
 「アイスランドの人びとが、ナベやフライパンを叩き続けて、政府を倒すのを見ながら私は、2002年ごろ反資本主義のグループのあいだで人気のあったコールを思い出していた。「おまえたちはエンロン!わたしたちはアルゼンチン!」。このコールのメッセージはとてもシンプルだ。経済サミットで密談を交わしている政治家や企業主たちは、でたらめな詐欺をはたらくエンロン社の幹部たちのようなもので、戸外にいる群衆は、アルゼンチン国民なのだ。そう、経済危機のさなか、ナベやフライパンを街路にもちだして、議員たちは議会から「全員出てゆけ!」(Que se vayan todos!)と叫び続けた、あのアルゼンチン国民なのだ、ということである。実際、アルゼンチン国民は、3週間もたたないうちに次々と4人の大統領を辞任させた。それから、多少の時間はかかったものの、アイスランド、ラトビア、韓国、ギリシャ、そして、世界のそのほかの国々がついに「全員出てゆけ」と声をあげる時を迎えている。」(Naomi Klein "All of Them Must Go" (2009)より抜粋して意訳)

[参考2]
 2001年にブエノスアイレスで、アルゼンチンの人びとが叫び続けたコール
「全員、出てゆけ、ひとり残らず、出てゆけ」(Que se vayan todos、Que no se quede ni uno)
by illcommonz | 2013-11-30 15:07
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