東欧旅行のお土産にハンガリー料理
「グーラッシュ」のもとをいただいたので、
つくってみました。レシピが読めないので、
絵だけをたよりに、きのことたまねぎと
マロニーさんを、あるだけ全部放りこんで、
グツグツグツと煮込んでみたら、なんとなく、
それらしいものができました。パッと見た
感じは、空飛ぶ魔女の火鍋のようですが、
ひとくち食べてみると、森に棲む大男の
体臭の香りがしました。
血の気のある肉は何もいれてないのに、何だか妙に血の匂いのする料理でした。
パプリカの粉がたくさん混じってたようで、かなり辛かったのですが、カレーが
好きなちびこもんずは「赤いカレーだ~」とかいって、マロニーさんをちゅるちゅる
しながら、口のまわりを真っ赤にして貪り食ってました。しかし、たかがシチュー
なのに、こうしてそれを文章にしようとすると、ヨーロッパに対する幻想がむくむく
とあたまをもたげてきて、オクシデンタリズムまるだしの表象になるのは、たぶん、
ヨーロッパに行ったことがないせいだと思います。あれだけたくさんのヨーロッパ
映画を見ていてもなお、食べものを表象するときに、文学(童話)的幻想が沸いて
くるのは、おもしろい現象だなと思いました。おそらくそれはオリエンタリズムに
ついても同じで、洋の東西を問わず、書くという行為そのものの中にどうやら過剰
な表象を呼び込んでしまう罠があるのかもしれぬと思いました。ちなみに行った
ことがないのは別に、ヨーロッパだけでなく、アメリカにも行ったことがありません。
行ったことあるのはインドとパキスタン、マレーシアとアラブ、そしてアフリカだけで、
アフリカから先の土地には、まだ行ってみたことがありません。ハワイもグアムも
行ったことありません。アフリカから先の北半球の世界のほとんどが、まだ見ぬ
幻想の土地なのです。もしお金と時間があれば南米に行ってみたいと思ってます。